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企業インタビュー 詳細

Special Interview

アクセンチュア|製造・流通本部(マネジング・ディレクター 谷山様)

Post Date2019-03-26 /
Category製造・通信・メディア, IT・デジタル, 外資系,

本日はアクセンチュア株式会社、製造流通本部(以下、PRD)のテクノロジーコンサルティング統括 マネジング・ディレクター 谷山 敬人様にインタビューの機会を設けていただきました。PRDの組織、担当業界の状況およびプロジェクト概要、求める人材像などについてお話しいただきました。
(※本インタビューは、2018年11月末時点に取得した内容になります。)

ご経歴について

EL

まず初めにご経歴について教えてください。

谷山様

私は1998年に新卒でアクセンチュアに入社しました。入社から一貫して製造・流通業界の仕事に関わっており、初めはシステム開発の現場で数年間経験を積み、その後コンサルティングをしています。2010年にマネジング・ディレクターになり、2015年からPRDのテクノロジーコンサルティングのリードをして現在に至ります。
若い頃にソフトウエア開発やテスト等の案件を通じて、様々なテクノロジーに触れた経験から、システムについては頭ではなく体で理解できていると実感しており、そのことが今の仕事に活きていると考えています。

EL

新卒の際に、なぜアクセンチュアを選ばれたのですか?

谷山様

学生時代にやりたいことが明確になっていなかったため、就職活動ではコンサルティングファーム、外資金融、ベンチャー等、様々な業界を検討していました。その中で、コンサルティングファームは色々なビジネスに携わることが魅力だと感じました。特にアクセンチュアの面接官から聞いた仕事やプライベートの話が面白く、この会社なら楽しく仕事をしながら自身も成長でき、その結果将来の方向性が見つかるのではないかと思い、最終的にアクセンチュアに入社を決めました。

組織について

EL

PRDが担当する業界を教えて下さい。

谷山様

自分の身の回りにあるほぼ全ての業界がお客様です。例を挙げると自動車や衣服、食品、薬品、消費財から始まり、スーパーやコンビニエンスストア、飛行機、ホテルなどです。なので、自分が関わった仕事が世の中や社会にどのようなインパクトを与えているかを感じやすい=仕事へのモチベーションを高めやすいということが最大の“売り”だと思います。

EL

PRDの中でも対象業界ごとに小チームに分かれているのでしょうか?

谷山様

明確な組織分けはしていませんが、
昨今は“ファンクション”を重要視して、属性を付けています。もともとアクセンチュアはグローバルと共通で3つの軸、

  1. インダストリー(業界)
  2. ファンクション(機能:会計、組織人事、SCM、商品開発、マーケティング 等)
  3. テクノロジー(SAP、AWS、IoT、AI、Blockchain 等)

の掛け算で、それぞれのコンサルタントのスキル・ケイパビリティを色分けし、時代に応じて組織の切り方を柔軟に変えているのですが、近年は業界の垣根が破壊されつつある状況になっており「ファンクション」という軸でエクセレンスを持っていると、お客様に対して価値を出しやすい状況にあります。

昨今では「小売業が銀行を始める/小売業がメーカーになる/メーカーが直接お客様に物を売る」というケースが出てきています。例えば、メーカーがお客様と直接接点を持ちたいと思った場合、アクセンチュアが小売業やサービス業で培ったマーケティングや販売施策の知見がヒントになり得るわけです。逆もしかりで、小売業が生産を始めたいと考えたときに、製造業の生産管理のノウハウが役に立つこともあります。

特に若手のコンサルタントが能力を伸ばす一つの軸として「ファンクション」の知見をつけていくと、仕事がしやすいと思います。例えば製薬業界の役員に対して「製薬業界のプロ」として話をすることは難しいですが、ファンクションを切り口に、他業界(自動車や消費財メーカー等)の先進事例をお話することはできます。そうするとお客様には「色々なことをよく知っている」と思っていただくことができ、信頼を得ることが出来ます。こういった切り口でコンサルタントとしての「武器」ができ、自信に繋がり成長することができると思います。

ただ、時代の変化と共にその「ファンクション」が陳腐化することもあるので、若手コンサルタントには、まずは特定のファンクションで自分の強みを身に付け、ある程度極めたら「自分が伸ばしたい専門性」を意識して別領域に自由にシフトし、“自分のできること“を広げてもらいたいと考えています。

EL

注力している業界はあるのでしょうか? 

谷山様

注力という意味では、私たちがお客様の役に立ちやすい=お客様がアクセンチュアを必要として下さる「テーマ」あります。最近ではグローバリゼーションとデジタライゼーションというテーマでお客様をご支援することが多くなっています。グローバリゼーションでは、メーカー系(自動車、製薬、消費財等)の支援が多いです。

デジタライゼーションは2つの方向があり、1つは対消費者で「企業がどう変わらなければならないか?」といったテーマ。このテーマは小売業や旅行などのサービス業、自動車業界が多いです。

もう1つはものづくり現場のデジタル化(IoT化)で、日本を代表するメーカーに対して工場をデジタル化し、生産性を向上させるといったテーマの話が多いです。

プロジェクトについて

EL

最近のプロジェクトはどういったテーマのものが多いですか?

谷山様

前述のようにデジタルディスラプション、デジタルによる創造的破壊が世の中で起こっています。分かりやすいところでいうと、小売業は、Amazonの台頭により大きな打撃を受けていますし、自動車業界においても、デジタルプラットホームプレーヤーとの戦いが始まっています。そういったディスラプターに対抗して、企業は変わっていかなければならないタイミングであり、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援することができるアクセンチュアへの期待は大きくなっています。変わるということは、新しいビジネスを始めるということなのですが、時には、お客様が現状営んでいる既存のビジネスと競合することもあるわけです。そのときに大事なのは、既存のビジネスは、しばらくは稼ぎの中心でもあるため、そこも大事にしながら、新しいビジネスを立ち上げる必要があるという点です。

また、お客様がデジタルを用いた新規ビジネスを立ち上げようと思っても、そこにフィットするような人材を採用するのは難しいですし、社内でこれまで別のことをやっていた方々の意識を変革した上で、トレーニングするのも難しいというのが現状です。
我々は、新しいビジネスを立ち上げるだけではなく、既存のビジネスを効率化して、そこで生まれた新たなリソースを新規ビジネスにシフトさせ、デジタル人材を育成するという、トータルパッケージで仕事をします。それは、様々なケイパビリティを持っているアクセンチュアだからこそできることだと考えています。

EL

案件はCxOからの依頼が多いのでしょうか?

谷山様

はい、その通りです。CEO、CSO、COOや、テクノロジーコンサルティングだとCIOやCDOからも多いです。1人のCxOではなくて、複数のCxOと一緒に仕事をする案件も非常に増えています。

EL

具体的な案件について教えていただけますか?

谷山様

日系の製薬会社様の事例ですが、製薬業界にもデジタル化の波が来ており、デジタル時代に対応できるIT人材の育成が課題になっておりました。一方で従来の基幹業務システムは運用・保守にかなりのコストがかかっていて、こちらも課題として認識されていました。
そこで我々は、まず既存システムの運用・保守業務をアクセンチュアのオフショアにアウトソースし、工数とコストを削減させる提案を行いました。それによりお客様のIT部門の方々は、これまでの運用保守業務からデジタルを活用するビジネスにシフトすることができます。また、人材育成という課題についても、デジタルビジネスの案件でアクセンチュアのデジタルコンサルタントと一緒に仕事をすることで、新たな知見を得てデジタル人材として力をつけられています。デジタルビジネス案件のコンサルフィーは、アクセンチュア自身が既存システムの運用保守コストを下げたことによって生み出した利益を源泉としているため、お客様としては追加投資をすることなく、人材育成の課題も解決することができ、非常に喜んでいただけた案件でした。

小売業界では、最終消費者が来店して、商品を購入するということだけではなく、お店で楽しい経験をしたり、お店に行かずともデジタル上で商品探せたり、困ったときに問い合わせすることができたりするデジタルツールを用いたお客さま体験を向上させるような取り組みをいくつか行っています。

また、お店で仕事をされている販売スタッフ、営業の方々が生き生きと楽しく仕事していることが、お店の活性化にもつながりますので、そういったことを支援するプロジェクトも多いです。例えば、店舗の方には、本部から様々な情報が紙で送られてきますので、バックヤードに戻ってそれらを読まないといけませんが、売り場で資料を見られる仕組みがあれば、効率化につながります。また、手を使わずに、音声認識でマニュアルを呼び出す仕組み等を実装して、効率的な売り場、接客に集中できる売り場を実現しています。

EL

消費財や航空などの案件はいかがでしょうか?

谷山様

消費財に関しては、日本企業もグローバル展開しており、グローバルでオペレーションを標準化していきたいという要望が多くあります。当然、効率を上げたいという狙いもありますし、世界中で同じ判断基準で意思決定をしたいという狙いもあります。そういったケースでは、SAPのようなソリューションをうまく活用することで、グローバルでの業務標準化、効率化を行い、より付加価値の高い業務にリソースを集中させていくことができるようになります。

最後に、航空会社の事例ですが、例えば成田空港の窓口担当者が旅行者から「ロンドンのヒースロー空港で別の便にトランジットしたいのですが、到着したらどこに行けばよいですか。」と聞かれた際に、従来ですと窓口担当者は手元で調べて、飛行機が到着するゲートからの導線を確認して回答するわけですが、時間も手間もかかり、お客様をお待たせすることになってしまいます。

そこで、旅行者の質問を自動音声認識で判別するタブレット端末を窓口に設置するソリューションを提案しました。そうすることで、窓口担当者は旅行者と顔を合わせて話しているのですが、タブレットの画面にはロンドンのヒースロー空港の案内図が自動的に表示され、手間をかけず、素早く、かつお客さまと向き合って話をしながら、必要な情報をお伝え出来ます。そういったエクスペリエンスを設計し、短期間でソリューションを構築するような試みも行っています。

EL

構想策定、要件定義はテクノロジーコンサルタントが担当するのでしょうか?

谷山様

はい、テクノロジーコンサルタントが担当します。我々はPRDのメンバーですから、その業界の課題や業務を理解し、かつテクノロジーによってどんなことが実現可能なのかということを理解しています。その二つを結び合わせることで、初めてお客様の要望に沿った提案ができるわけです。こういった音声認識の技術がある、これを使って検索をすることもできる、このタブレットにこれぐらいの秒数で表示させることができる、というテクノロジーの知見と、それが空港の現場で求められている、価値があるはずと理解している必要もあるので、それらを組み合わせてデザインするところが、我々の付加価値だと思います。

そのため、例えば現在システムやソフトウェアの開発者に携わっている方で、作るのは楽しいけれど、どういった使われ方をしているのか、どう役に立っているのかに興味がある方には、非常に面白い仕事だと思います。自ら上流から関わってデザインができますし、時にはお客様自身が気付いていないことを提案していくことが求められますので、これまで経験してきた自分のテクノロジーのバックグラウンドを使ってそのお客様に色々なことを提案できますし、そこが一番面白いところだと思います。それを最も分かりやすい身近な業種業態で実現できるのがPRDだと思います。

EL

音声認識やタブレット導入などの案件は、デジタル部門と協力して行うのでしょうか?

谷山様

そうですね。PRD以外の業界別コンサルティング本部でも同じですが、我々はお客様に一番近い存在であり続けるという立ち位置なので、お客様のやりたいこと、本当はやりたいと思っているが気付いていないことまでを理解しているのは、私たち業界別コンサルティング本部のチームです。一方でアクセンチュアには、それぞれの技術の専門家がいて、AIのロジックを検討する技術者、タブレットのUI/UXを考えるデザイナー、タブレット上のシステムを構築するプログラマーにデジタルコンサルティング本部からプロジェクトチームに加わってもらい協働します。

改めて、PRDに課せられたミッションは、現場にシステムを導入して、効果を実感いただくところまでコミットすることです。その為、構想立案、企画、設計を一貫して行い、その実現のためにアクセンチュア、または社外のエキスパートをアレンジし、当初の構想・企画が実現されるところまで責任をもって推進し、最後まで立ち会います。

アクセンチュアでの働き方について

EL

候補者に向けて貴社で働くことのメリットについてお話しいただけますか?

谷山様

アクセンチュアに入社する最大のメリットは、プロジェクトでお客様と相対する中で課題に直面した際、お客様と我々の双方に解決策が見えていない時に、社内にグローバルを含む46.9万人の社員のナレッジ共有があり、それをフル活用できることです。世界中のどこかに必ず似たようなテーマの事例があり、それをどう乗り越えたか、という事例が幾つか見つかります。事例の担当者に直接コンタクトしヒアリングを行うこともよくあるのですが、このように世界規模のナレッジに日常的にリーチできることが最大のメリットだと思います。

EL

他ファームとの違いについて教えてください。

谷山様

戦略立案から実際の価値提供までEnd to End で行えることが他社との違いです。
一般的なコンサルティングのイメージのように、戦略を描いて企画書を書いて綺麗な提案書戦略を作り、その後の実行はお客様にお願いするという時代ではありません。アジャイルの時代であり、誰も答えを持っていない中で、トライ&エラーを短いサイクルで繰り返し、そうすることで初めて時代の変化するスピードを先取りして大きなことが実現できるようになります。

企画や実行、その後のサポートまで、全てのケイパビリティを持っていないと、お客様の真のパートナーにはなれないと思いますし、それはアクセンチュアにしかできないと思っています。

EL

働き方改革について実際の状況を教えて頂けますでしょうか?

谷山様

特に「生産性の向上」に注力しております。
アクセンチュアとしてお客様に対して生産性向上の支援をする一方で、まだコンサルティングの現場では、人力で頑張り、ゼロベースで考え、リサーチをしているといった現状があります。その点についてもっと効率化できる余地があるため、工業化して生産性を上げる取り組みを行っています。

ひとつひとつの業務を工業化して生産性を向上させていくと、属人化したノウハウが段々見える化されてきて、そのノウハウをアクセンチュアの皆が使えるという非常に大きなメリットもあるので、相乗効果が期待されています。

欲しい人材像について

EL

求める人材像について教えて頂けますか?

谷山様

特に「マインドセットやアティチュード」が一番重要だと思っています。これまでの業務経験も拝見しますが、我々が面接で経歴や経験を聞く理由は、その方の過去情報から、「未来を予測」したいからです。その為、極端な話をすると、私は過去よりも未来のポテンシャルを重視します。その方が成長して、変わっていく可能性を見たい・知りたいと思っており、またそこにかけたいと思っています。あくまでもその判断材料として過去の情報を聞いています。

未来にとって重要なことは「変わり続けること」です。お客様が変革をする際にアクセンチュアに依頼を頂くいただくわけですが、変革するには、何か新しいことをやらなければなりません。それは我々にとっても同じことで、新しいことを行うには常に勉強をし続けなければいけませんし、変わり続けなくてはいけません。

したがって、採用する際にも「この人は変わり続けることができるのか?」「新しいことを学び続けることができるのか?」「そうありたいと思っているのか?」といった、その方の価値観やアティチュード、マインドセットがベースとして絶対必要だと思っており、その点を見ています。

その他、沢山のことを経験されている方はもちろん、明るい方や楽しく仕事ができる方がいいと思います。お客様との関係や社内との連携に関して、社内外の方と一緒にチームを作っていかないと良い仕事ができない時代になっていますので、明るく、人と一緒に楽しんで連携できる人材の方が活躍しやすいと思います。

EL

候補者の方へ最後に一言お願い致します。

谷山様

アクセンチュアは非常に刺激的で、ワクワクして面白い仕事を提供することは約束できます。たとえ仕事をやっている瞬間は大変だとしても、後で振り返ると、「成長した」「いい仕事ができた」と思える機会を提供することに自信がありますので、ぜひアクセンチュアに飛び込んでいただき、一緒にビジネスが出来たら嬉しく思います。

編集後記

EL

谷山様はとても温かい人柄で非常に話しやすく、そして鋭い切り口でお話しをして頂き、インタビューを取りながらも、目から鱗のお話しが盛り沢山でした。時代ごとに求めるスキルは変化していき、PRDテクノロジーコンサルティングについては、「インダストリー・技術・ファンクション」の3軸で1つの部門で、業界知識、テクノロジーの知見、SCM/CRM/会計/生産の知見が付くまさに「世界で戦えるプロフェッショナル」になれます。特に「ファンクション」を軸に学びを深め、若手コンサルでも、目の肥えたお客様に勝てる提案をしていく。
今後も世界・日本最大のコンサルティングファームであるアクセンチュアからは目が離せません。(担当:鈴木)

企業プロフィール

Profile

アクセンチュア株式会社

この企業の詳細情報
  • 谷山  敬人 様

    製造流通本部 テクノロジーコンサルティング統括 マネジング・ディレクター

    1998年に新卒でアクセンチュアに入社。入社後より一貫して製造・流通本部を担当。2010年マネジング・ディレクターに昇格し、2015年より同本部のテクノロジ―コンサルティングのリードを担当。  

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