ITコンサルタントとは?仕事内容や年収などを紹介
Post Date:
2019-11-15 /
Category:
IT・デジタルコンサル特集

企業の経営課題に対して、「IT」を活用して解決策を提示することが、ITコンサルタントの役割です。昨今では、IT無くして企業の経営・業務は成り立たないほどITの重要性は非常に高まっており、ITを活用した業務改善、組織改編などのコンサルティング案件が非常に増えている状況です。
- ITコンサルタントの仕事内容と役割
- SEとITコンサルタントの違い
- ITコンサルタントの仕事に活かせる経験や資格
- ITコンサルタントのやりがいと厳しさ
- ITコンサルタントの年収
- ITコンサルタントのテーマ紹介
- 大手のITコンサルタント会社が行うプロジェクト事例
- 未経験からITコンサルタントへの転職は可能?
- ITコンサルタント企業の将来性
ITコンサルタントの仕事内容と役割
ITコンサルタントとは、クライアント企業のIT関連分野全般におけるアドバイス業務、及び、システム導入支援を行うコンサルタントのことをいいます。
ITコンサルタントは、IT分野に問題を抱えている、あるいは今ある問題の解決をIT技術によって解決を試みるクライアントに対してリサーチを行い、問題の原因分析、解決策の提案、そして実行支援としての、システム導入・改善まで、一貫したサービスの提供を行うことで、問題の解決を行い、利益増を目指すことを究極の目的としています。
そのため、その業務内容は幅広く、一概に説明することは難しいですが、大きく以下の5つに分類することが出来ます。
(1)IT戦略策定やIT組織立ち上げ、ITデューデリジェンスなどのIT企画/戦略工程を担うコンサルタント
(2)ERP導入やSCM・CRMシステムの導入支援など、システムPJTのPMOを行うコンサルタント
(3)ビックデータ、Webマーケティング、モバイルを使った業務改善提案をするデジタルコンサルタント
(4)ITのインフラやアウトソーシング、資産管理などを担うコンサルタント
(5)ITに関する、リスク管理、セキュリティー対策を行うコンサルタント など
SEとITコンサルタントの違い
SEとITコンサルタントでは、同じシステム導入プロジェクトに携わるとしても、対象となる業務範囲や必要となるスキルに大きな違いがあります。大きな違いとして3点ご紹介をします。
携わるフェーズの違い
システムエンジニアはシステム構築のプロとしてシステム開発/改修に携わるのに対して、ITコンサルタントは問題解決のプロとしてITを武器に経営課題の解決案を立案し実行支援を行います。
特に携わるフェーズで大きく異なるところは、構想策定段階を行うかどうかです。ITコンサルタントはクライアントが抱える経営課題や業務課題を解決することが目的であるため、クライアントの現状と課題を理解した上で「IT組織の変革は必要か」「経営戦略上、その課題を解決するためにはIT活用が妥当か」「業務要件の検討」「どのようなシステムを導入するべきか」等、ITに関わる構想策定から検討を行います。
(参考:ITコンサルとSEの業務領域)
立場の違い
ITコンサルタントもSEと同じくシステム構築フェーズには携わりますが、その立場は異なります。ITコンサルタントはユーザー側の立場でプロジェクトに関わりますが、SEは(当たり前ですが)ベンダー側としてプロジェクトに関わります。
その立場の違いは上に書いたように携わるフェーズの違いとして主に現れていますが、仮に同じシステム開発フェーズに携わる場合でもそのミッションは大きく異なります。
SEは予算と納期の中で完成物を作ることがミッションになりますが、ITコンサルタントはクライアントの視点でプロジェクトを管理し、問題の早期抽出および解決策の推進を担うと共に、プロジェクトに対して適切な評価を行うことがミッションとなります。
必要となるスキルの違い
ITコンサルタントの仕事は課題解決が目的であるため、クライアントの理想の業務モデルの構築に向け、ゼロベースであるべき姿を考え、クライアントの業務変革までサポートをします。そのためITに関する知識だけではなくクライアントの業務やビジネスに関する知見が必要となります。また、ゼロから1を創造する力、論理的に相手を説得する力、変革を推進する力などコンサルタントならではの高い専門スキルも必要となります。
一方SEの仕事は、クライアントの課題に対してシステムに落とし込むことです。プロジェクト受注後、システム構築を適切なスケジュールに沿って構築することが、重要な仕事になります。必要なスキルは主にIT技術とプロジェクト管理、クライアントとのコミュニケーション能力になります。
なお、SEとITコンサルタントの歩むキャリアパスの比較については、「ITコンサルタントのキャリア」をご覧ください。
《参考》ITコンサルタントのキャリア
ITコンサルタントの仕事に活かせる経験や資格
まず、大前提として、業務に必要とされるITの最新かつ専門的な知見が必要となります。IT関連の民間資格を所持していること自体は重要でもありませんが、専門知識やスキルを持っていることを示す一要素として活用されています。
また、マネジメント経験は、ITコンサルタントの業務内容に直結すると言えます。
顧客の問題点を発見することで営業を行う提案営業を行っていた経験や、部署内での業務プロセスの改善・効率化経験は、クライアントの抱える問題点の原因を発見するアドバイス業務に、様々な立場の人々と関わる大規模案件におけるP M経験は、多くの人をまとめあげる必要があるシステム導入段階におけるマネジメント業務にと、直接的にこれまでの経験を活かすことが出来ます。
ITコンサルタントのやりがいと厳しさ
ITコンサルタントのやりがい
ITコンサルタントは、業務内容が幅広く、(コンサルタント側に強みとする専門領域はあったとしても)分野や自社ソリューションに限定されることなく、企業の経営問題の解決を試みることが可能です。IT企業の場合、自社の提供するサービスで利益を出すことが目的であるため、業務で取り組める分野は限定的になってしまいます。
それに対し、ITコンサルタントはITを通じた経営/業務課題の解決が目的であるため、取り組める分野/ソリューションは限定されておらず、業務の幅広さにやりがいを感じられる方が多くいらっしゃいます。
また、自分の取り組んだ案件が成功を収めて課題が解決し、目に見える形で成果を出すことが出来る点にやりがいを感じることができ、プロジェクトの成果が企業全体のみならず、社会全体の変革につながるものである場合もあり、高いIT需要が続く中で、新しい社会を作ることが出来るやりがいも存在します。
ITコンサルタントの厳しさ
ITコンサルタントはやりがいのある仕事であるゆえに、常に高いスキルとプロフェッショナルマインドを求められます。
常に最新のIT知識や社会・企業の情報を追いかけ、企業の問題解決のために、時には大企業の経営陣と対立しながら、業務を行うことが求められます。
そのため、やりがいはある一方、常に厳しいハードルを乗り越え続けるプロとしての自覚が必要になります。
ITコンサルタントの年収
ITコンサルタントの年収は、経験や企業によって大きく異なるために説明は難しくなります。しかし、ハードな業務内容をこなしている分、その見返りとしての給与は高水準である場合が多くあります。
ただし、コンサルタントに転職して、すぐの時期には、給与が下がってしまう場合もあるので、早急に高い給与を求めるという動機で転職を目指す場合には注意が必要です。但し一般的には事業会社比較で年収は高いため、もし転職時に下がる場合があったとしても昇進すれば現年収を大きく超える場合が殆どでしょう。
ITコンサルタントのテーマ紹介
ITコンサルタントが担当する代表的なテーマをいくつかご紹介します。
IT戦略策定支援
経営戦略の実現に必要な、IT戦略の策定を支援します。
既存システムを刷新するべきか、新技術を導入して新たな仕組みを構築するべきか、幅広いシステムの知見を活かしてやるべき事の決定を支援します。
具体的な実行スケジュールの策定も支援しますが、システムの変革に伴い発生しうる業務プロセスの変化や、組織変革についても知見を備えておかなければなりません。この知見は、ITコンサルタントとして様々な変革プロジェクトを経験し習得していきます。
ITデューデリジェンス
M&Aを行う際には、買収先の情報システムの資産評価算定を行います。これをITデューデリジェンスといいます。買収対象企業のIT資産について、買収後の維持管理コストやあるべきシステム像を実現するために必要となるコストを算出し、買取価格の決定に役立てます。ITデューデリジェンスには、システムの維持管理に関する知見も必要となるため、保守運用に携わった経験も活かせるテーマです。
Digitalコンサルティング
アナリティクス、Webマーケティング、モバイルコンピューティングなどデジタル技術を駆使した、最先端テクノロジーを使って、お客様への活用提言と、具体的な設計・開発・導入の支援をします。
スマホやタブレットなどのテクノロジーは既に社会に普及し、その環境に適合したビジネススキーム作りや、マーケティングや働き方を変革することが、企業競争力を左右します。そのために、モバイル、Web、ソーシャルネットワークといった先端テクノロジーを使い、クライアントへの経営にどう生かせるのか?沢山のステークホルダーを巻き込みながら、マネジメントをしていき、変革をリードします。
ナレッジマネジメント
グループウェアなど、様々な情報を効率良く共有するための仕組みを導入します。従業員が情報を投入しやすく、検索性に優れたデータベースの仕組みを構想できるかが成功の鍵となります。ナレッジマネジメントの成功は、情報検索に費やしていた無駄な時間を、利益を生むための有効な時間に変化させます。
IT組織の高度化
企業におけるIT課題は必ずしも技術的な部分ではなく、それを遂行する人材や組織にあることが多くあります。IT組織の高度化というコンサルティングテーマでは、社内のIT部門における研修や教育はもちろん、全社におけるIT部門の位置付けや担当職域、さらには人事評価制度まで掘り下げてIT課題の解決を図ります。
SEの方からすると、このテーマは直接システム開発に関わることがありませんのでイメージが湧かないかもしれませんが、「人と組織」に課題があってシステム開発が滞る経験は誰しもが持っていると思います。そのような場合は、SEの立場としては工数増でその場をしのぐことが正解かもしれませんが、ITコンサルタントとしてはより本質的な組織のあり方そのものにメスを入れていきます。
マネジメントコンサルティング(IT-PMO)など
ITコンサルタントがシステム導入を支援する際、クライアント業務知識とIT知見を活かして最適な導入計画(スコープ、スケジュールなど)を定義しお客様の立場でリードします。導入時には、ベンダー企業だけでなくクライアント内部の関連部署も含めたマネジメントを行うPMOとして、全体管理や工数/品質管理をクライアントの主管部門と適宜打ち合わせをしながら進めていきます。
このように高度なプロジェクト管理がミッションとなるマネジメントコンサルタントには、積極的な問題発見と課題解決の能力が必要となります。
大手のITコンサルタント会社が行うプロジェクト事例
コンサルティング会社が行っているプロジェクト事例になります。
イメージを膨らませて頂ければと思います。
- カーブアウトによるM&Aに対応したITデューデリジェンス
(出典元:アビームコンサルティングHP) - IT部門におけるTransformation
(出典元:PwCコンサルティングHP) - カルビー社向けSAPの導入で基幹システムを刷新
(出典元:アクセンチュアHP) - メディア企業におけるテクノロジー活用促進に向けたIT組織の立ち上げ
(出典元:ベイカレントコンサルティングHP) - 財務会計業務の戦略的アウトソーシング
(出典元:EYアドバイザリーHP) - ファブレスメーカー向け業務効率の改善による残業/在庫の最適化
(出典元:スカイライトコンサルティングHP)
未経験からITコンサルタントへの転職は可能?
ITコンサルタントは基本的に、ITについての高度な専門知識とコンサルタントとしての能力の、その両方が必要になります。コンサルタントが未経験であっても、問題はありませんが、IT関連の業務の経験は重要になります。
IT業界出身でなくても、企業のシステム部における企画経験や、ロジスティックやCRMの案件に参加した経験がある場合、どのようにその経験を生かせるのかを、伝えることができれば、ITコンサルタントに転職することも可能です。
自分がこれまで行ってきたキャリアを振り返って、コンサルタントとして何が行えるのかを結びつけましょう。
ITコンサルタント企業の将来性
現在、ITコンサルタントに限らず、全てのコンサル業務においてITの知識は必須となりつつあります。しかし、これは事業会社においても同じです。
企業の生き残りは、日々の技術イノベーションの波に乗り遅れず、業務のデジタル化を達成、システムの最適な運用が行えるかどうかに関わっています。
そのため、各企業は、IT事業部の拡充やITコンサルへの相談も増加傾向にあり、IT活用の道筋を作るITコンサルタントの需要は現在でも、高くありますが、この高水準は続いていくと考えられます。
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