ITコンサルタントとは?仕事内容や年収・資格・キャリアパスまで網羅的に解説!
Post Date:
2023-08-02 / Update-date:
2024-11-29 /
Category:
IT・デジタルコンサル特集
ITコンサルタントとは、企業やクライアントに対してITの導入や戦略立案をサポートする重要な職種です。彼らは常に最新のIT技術を追い求め、ビジネスに革新と成果をもたらします。
- ITコンサルタントとは
- SEとITコンサルタントの違い
- ITコンサルタントの仕事内容
- ITコンサルタントの年収
- ITコンサルタントの仕事に活かせる資格
- ITコンサルタントに求められる能力
- ITコンサルタントに向いている人
- ITコンサルタントのやりがい
- ITコンサルタントの厳しさ
- ITコンサルタントの労働環境について
- 未経験からITコンサルタントへの転職は可能?
- ITコンサルタント企業の将来性
- ITコンサルタントのキャリアパスについて
- ITコンサルティングファーム一覧
- 関連記事一覧
ITコンサルタントとは
ITコンサルタントは、クライアント企業のIT関連の問題や課題を解決するためにアドバイスやシステム導入の支援を行います。これには、クライアントが抱える経営課題の解決をIT技術を用いてサポートすることが主な役割となります。
SEとITコンサルタントの違い
SEとITコンサルタントでは、同じシステム導入プロジェクトに携わるとしても、対象となる業務範囲や必要となるスキルに大きな違いがあります。大きな違いとして3点ご紹介をします。
携わるフェーズの違い
システムエンジニアはシステム構築のプロとしてシステム開発/改修に携わるのに対して、ITコンサルタントは問題解決のプロとしてITを武器に経営課題の解決案を立案し実行支援を行います。
特に携わるフェーズで大きく異なるところは、構想策定段階を行うかどうかです。ITコンサルタントはクライアントが抱える経営課題や業務課題を解決することが目的であるため、クライアントの現状と課題を理解した上で「IT組織の変革は必要か」「経営戦略上、その課題を解決するためにはIT活用が妥当か」「業務要件の検討」「どのようなシステムを導入するべきか」等、ITに関わる構想策定から検討を行います。
参照:ITコンサルとSEの業務領域
立場の違い
ITコンサルタントもSEと同じくシステム構築フェーズには携わりますが、その立場は異なります。ITコンサルタントはユーザー側の立場でプロジェクトに関わりますが、SEは(当たり前ですが)ベンダー側としてプロジェクトに関わります。
その立場の違いは上に書いたように携わるフェーズの違いとして主に現れていますが、仮に同じシステム開発フェーズに携わる場合でもそのミッションは大きく異なります。
SEは予算と納期の中で完成物を作ることがミッションになりますが、ITコンサルタントはクライアントの視点でプロジェクトを管理し、問題の早期抽出および解決策の推進を担うと共に、プロジェクトに対して適切な評価を行うことがミッションとなります。
必要となるスキルの違い
ITコンサルタントの仕事は課題解決が目的であるため、クライアントの理想の業務モデルの構築に向け、ゼロベースであるべき姿を考え、クライアントの業務変革までサポートをします。そのためITに関する知識だけではなくクライアントの業務やビジネスに関する知見が必要となります。また、ゼロから1を創造する力、論理的に相手を説得する力、変革を推進する力などコンサルタントならではの高い専門スキルも必要となります。
一方SEの仕事は、クライアントの課題に対してシステムに落とし込むことです。プロジェクト受注後、システム構築を適切なスケジュールに沿って構築することが、重要な仕事になります。必要なスキルは主にIT技術とプロジェクト管理、クライアントとのコミュニケーション能力になります。
なお、SEとITコンサルタントの歩むキャリアパスの比較については、「ITコンサルタントのキャリア」をご覧ください。
ITコンサルタントの仕事内容
ITコンサルタントは、クライアント企業の課題解決に対して、ITを活用した解決策を提案する役割を果たします。システムエンジニアとの違いは、システムエンジニアがシステムの開発・構築・改修を行うのに対して、ITコンサルタントは企業の経営方針に基づいた課題をITを用いて解決に導くことを業務とします。
ITマネジメント戦略コンサル
ITマネジメント戦略コンサルタントは、企業の経営戦略に沿ったIT戦略を策定する専門家です。経営方針に基づいたIT投資計画の策定や、必要なツールの導入・支援を行います。また、システムの分析・選定もその役割の一部です。
ERPコンサルタント
ERP(Enterprise Resource Planning)コンサルタントは、企業の業務プロセス全体を統合し、経営資源を最適化するERPシステムの導入を支援します。このコンサルタントは、システム導入の計画立案から運用、改善までをサポートします。
CRMコンサルタント
CRM(Customer Relationship Management)コンサルタントは、顧客との関係性を深め、売上や利益を向上させるための戦略を提供します。このコンサルタントは、CRMシステムの選定や導入、改善に関するアドバイスを提供します。
SCMコンサルタント
SCM(Supply Chain Management)コンサルタントは、供給連鎖全体を最適化する戦略を企業に提供します。このコンサルタントは、製品の調達から製造、配送、最終的な顧客への販売までを管理し、効率化を図ります。
PMOコンサルタント
PMO(Project Management Office)コンサルタントは、プロジェクトの全体的な管理をサポートします。このコンサルタントは、プロジェクトの進捗状況の追跡、リスク管理、リソース管理などを行い、プロジェクトが目標を達成できるよう支援します。
▶PMOコンサルタントとは|仕事内容や年収・転職に必要なスキルを解説!
SAPコンサルタント
SAPコンサルタントは、SAP製品の導入と適応を支援します。これらの製品は、企業がビジネスプロセスを管理し、効率化するために使用します。このコンサルタントは、クライアントがSAPソリューションを最大限に活用できるように、カスタマイズと実装の支援を提供します。
以上がITコンサルタントの各分野における仕事内容の概要です。それぞれが特定の専門知識を持ち、その知識を活用してクライアント企業の課題解決を支援します。
ITコンサルタントの年収
ITコンサルタントは企業の経営者などに、企業のIT戦略について助言する重要な役割を果たします。その貢献度とITスキルの必要性を考慮すると、非常に競争力のある報酬が期待できます。
職種 | 平均年収(万円) | ITスキル標準レベル |
ITコンサルタント | 928.5 | 4.1 |
プロジェクトマネージャー | 891.5 | 4.2 |
高度SE・ITエンジニア | 778.2 | 4.0 |
IT技術スペシャリスト | 758.2 | 3.9 |
ITコンサルタントの仕事に活かせる資格
ITコンサルタントになるためには特定の資格が必要ではないものの、資格があることはお客様からの信頼を得るために有利であると言われています。以下にいくつかの資格を紹介します。
PMP(Project Management Professional)
この資格は、プロジェクトマネジメントにおける広範な知識とスキルを証明します。ITコンサルタントとしては、プロジェクトの進行管理や成果の最大化に向けた戦略の立案に役立つ資格となります。
AWS 認定
アマゾン社のクラウドサービス、AWS(Amazon Web Services)は、現在全11種類のAWS認定資格を提供しています。これらの資格はレベル別、役割別、そして専門分野別に分けられています。
AWS認定資格の取得は、AWSの知識やスキルを短期間で効率的に習得するための良い方法であり、そのため、その関心度と人気は日々増しています。更に、AWS認定資格を通じてAWSサービスを体系的に理解することが可能となり、その結果、様々なサービスの全体像を理解するのが難しいという問題も解決されるでしょう。
プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャー試験を通じて取得できる資格は、プロジェクトの適切な計画、実行、管理に関する高度な知識と技能を示すものです。ITコンサルタントとしては、複雑なプロジェクトを円滑に運び、リスクを最小限に抑え、成功に導くための戦略を立案する能力を強化するのに役立ちます。
ITストラテジスト
ITストラテジストは、ITを活用したビジネス戦略の立案と実行能力を証明するものです。この資格を持つITコンサルタントは、企業のビジネス目標を達成するためのITソリューションの選択と展開に関する包括的な視点を提供することができます。
中小企業診断士
中小企業診断士の資格は、中小企業の経営課題に対する包括的な理解と解決策を提供する能力を示します。ITコンサルタントとしては、特に中小企業のニーズに対応するためのIT戦略の提案に役立つ資格となります。
ITコンサルタントに求められる能力
ITコンサルタントに必要な能力は、当然のようですが、コンサルタントとしての能力+ITの能力ということができます。ITコンサルタントは企業の経営層に対して、IT技術を活かしてどのように経営課題を解決していけるかを提案するため、コンサル面とIT面のどちらの能力も欠けていては良い仕事はできません。
まずコンサルタントとして必要な能力の一例としては以下が挙げられます。
論理的思考力
ITコンサルタントは、ITを駆使してどのように経営課題を解決するかを提案します。そのため、単にIT技術による業務効率化を推進することや、表面的な課題を解決することが目標ではありません。企業が抱える本質的な課題は何かということを見極め、それに対して的確なアプローチを取ることが求められます。本質的な課題を見極めるには、仮説を立てて検証を行うことを繰り返して行う必要があります。その過程において、複雑な事象を要素に分解し、因果関係を明らかにしながら関連付けて考える論理的思考力がとても重要になります。
コミュニケーション力
ITコンサルタントは、経営者サイドとエンジニアサイドの間に入ってIT戦略を形にしていくことを求められます。そのため、様々な立場の人と円滑にコミュニケーションが取れる能力が必要になります。円滑にコミュニケーションを取るというのは、良い雰囲気でやりとりできるというだけでなく、相手の意図していることをくみ取ることや、相手の立場に合わせてわかりやすく伝えることも含みます。そのため、自身の所有する情報を良く整理しておくことも大事になってきます。また、クライアントが中小企業などの場合、人と人とのつながりを作ってウェットなやり取りができる力も大事になるケースもあります。
次にITに関して必要な能力の一例としては以下が挙げられます。
最新のIT技術を追うリサーチ力と継続力
IT技術は日進月歩であり、トレンドは常に変化しています。その動向を常にチェックし、自分の知識として落とし込めるリサーチ力と継続力が重要になります。もちろん、ITコンサルティングはクライアント企業の持つアセットを活かして実現可能なIT戦略を練るものであるため、最新の技術を扱うプロジェクトばかりではありません。しかしながら、最新の技術についての知見があるのとないのとでは、考えられる選択肢の幅が大きく異なり、提案できるIT戦略の質が大きく変わってきます。特定の技術に縛られた提案ではなく、課題に対して最適な技術・方法を提案できるコンサルタントになるために、広く新しい技術を取り込むことはとても重要と言えます。
ITエンジニアリングの知識
ITエンジニアリングの知識とは、IT技術の設計開発から製品化に至るプロセスに関する知識のことです。IT技術が製品化して世の中に出回るまでには、要求機能の定義やプロトタイプの作成、様々なテスト・検証など数多くの工程があります。さらに、一言でITエンジニアリングと言ってもシステムエンジニアリング、サーバーエンジニアリング、ネットワークエンジニアリングなどいくつもの分野に分かれています。こう言った、「ITシステムを作る側」の流れや全体像を把握しておくことで、机上の空論でない、現実に即した提案をすることが可能となります。SE経験者などがITコンサルタントに転職する際の強みでもあります。
ITコンサルタントに向いている人
ITコンサルタントに向いている人とはどのような人でしょうか。ITスキルが必要という点ではSEと同じですが、ITコンサルタントはクライアント側とシステム側とを繋ぐ人材として適しているかどうかが特に重要になってきます。具体的には以下のような点が挙げられます。
クライアントのために働くことにやりがいを感じられる
ITコンサルタントの仕事は、クライアントの意向をくんで適切なサポートをすることです。そのため、自分のやり方を通すのではなく相手に合わせたサポートを考えることが求められる場面も多々あります。そういった場面にも柔軟に対応しクライアントファーストで動ける人、そしてやり切ったときに達成感を感じられる人がITコンサルタントに向いていると言えるでしょう。
俯瞰的な視点でものごとを判断できる・バランス感覚がある
ITコンサルタントはクライアント側とシステム側とを繋ぐ役割を持っています。どちらかに偏ることなく、全体を俯瞰して行動できることが重要になります。
十分な体力がある
ITコンサルタントとして成果を出すためにはクライアントの信頼を得ることがとても重要であり、そのためには常に仕事に取り組める状態でなければなりません。働き方改革が進められているとはいえハードワークになることも少なくないため、その中でも体調管理を徹底し、安定して仕事に取り組めるだけの体力が必要になります。
人としての魅力や誠実さがある
体力があっても人としての魅力がなければクライアントからの信頼は得られません。ITコンサルタントのクライアントは企業の経営層クラスであることも多く、高いコミュニケーション能力や礼儀、仕事に対する誠実さを持った人物であることが求められます。
常に新しい技術を勉強する力がある
これはSEにも言えますが、IT技術の進歩するスピードは凄まじく、せっかく身に着けたスキルも数年経つと古くなっているということは往々にして起こります。したがって、ITのプロフェッショナルとして働くためには常に新しいスキルを身につける姿勢が重要になってきます。
ITコンサルタントのやりがい
ITコンサルタントとしての醍醐味は、企業が抱えている経営課題に対して、IT技術を使ったソリューションを提案し、顧客企業の経営を改善し、収支を向上させることです。ITを活用してクライアント企業の抱える課題の解決や目的の達成に導く役割を担うことで、自身のスキルと知識が直接企業の利益増につながる瞬間に立ち会えます。
ITコンサルタントの厳しさ
ITコンサルタントの仕事はやりがいがありますが、同時に厳しさも伴います。クライアント企業の現状分析、市場調査や他社動向のチェック、そしてソリューション導入までのプロジェクト推進、運用保守の支援と、業務範囲は広範であり、その全てに精通し続けなければなりません。また、技術だけでなく、顧客のビジネスモデルや経営戦略について深く理解し、それをもとに具体的な解決策を提案する能力も求められます。
ITコンサルタントの労働環境について
ITに関する仕事は、システムのリリースタイミングでトラブルが発生した場合など、どうしても瞬間的に激務になることがあります。それはITコンサルタントにおいても例外ではありません。しかしながら、政府側の監視の目が厳しくなっていることもあり、昨今では瞬間的に激務になるケースも踏まえて労働時間がしっかりと管理されるようになってきており、就労規則に反するような過酷な労働を強いる企業はほとんどありません。むしろコンサルティングファームにおいても多くが働き方改革に力を入れており、制度が整ってきています。
また、自身の手腕によっても労働時間は変わってきます。ITコンサルタントとして、システムのトラブルが起きないようにプロジェクトをしっかりと管理し、なおかつトラブルが発生した際のトラブルシューティングの準備をしっかりと行うことができていれば、プロジェクトの状態による労働時間への影響を小さく抑えることができます。コンサルタントに重要なのは努力した証よりも成果を出すことであり、自身の仕事もプロジェクトの進行も効率的に行えるように良く考えることが重要です。
未経験からITコンサルタントへの転職は可能?
ITコンサルタントは基本的に、ITについての高度な専門知識とコンサルタントとしての能力の、その両方が必要になります。コンサルタントが未経験であっても、問題はありませんが、IT関連の業務の経験は重要になります。
IT業界出身でなくても、企業のシステム部における企画経験や、ロジスティックやCRMの案件に参加した経験がある場合、どのようにその経験を生かせるのかを、伝えることができれば、ITコンサルタントに転職することも可能です。
自分がこれまで行ってきたキャリアを振り返って、コンサルタントとして何が行えるのかを結びつけましょう。
ぜひ以下の記事も参考にしてください。
ITコンサルタント企業の将来性
現在、ITコンサルタントに限らず、全てのコンサル業務においてITの知識は必須となりつつあります。しかし、これは事業会社においても同じです。
企業の生き残りは、日々の技術イノベーションの波に乗り遅れず、業務のデジタル化を達成、システムの最適な運用が行えるかどうかに関わっています。
そのため、各企業は、IT事業部の拡充やITコンサルへの相談も増加傾向にあり、IT活用の道筋を作るITコンサルタントの需要は現在でも、高くありますが、この高水準は続いていくと考えられます。
ぜひ以下の記事も参考にしてください。
ITコンサルタントのキャリアパスについて
多くの企業が優秀なITコンサルタントを欲しており、キャリアの選択肢は非常に幅広いです。代表的なものをご紹介します。
まず挙げられるのが、入社したファームでそのまま出世するというケースです。つまり、マネジャー→シニアマネージャー→ディレクター・パートナーというように昇進していきます。成果次第では、業界に名の知れたITコンサルタントとして企業から名指しで指名されるほどの存在を目指すことができます。また、パートナーになれば、コンサルティングの共同経営者という立場にもなります。
次に、他ファームへの転職によるキャリアアップが挙げられます。IT人材の需要の高まりもあり、ファーム側の募集する枠と自身の人材像がマッチしていれば、好条件で採用してもらえる可能性も高く、それによるキャリアアップを狙うことができます。
次に、事業会社の幹部や事業推進ポジションへの転職が挙げられます。豊富な経験とスキルを持った方であれば、初めからCIOなどの幹部ポジションで採用されるケースもあります。そうでなくとも、ITコンサルタント出身者だからとIT部門に限らず、経営企画や事業企画推進ポジションなどの募集も多く見られます。そこで活躍することで、ゆくゆくは幹部ポジションを目指していくことができます。
最後に、フリーランスとして独立する、あるいは仲間と起業するケースが挙げられます。ファームに所属している間に結果を出してコネクションを作っておくことができれば、そこから仕事を広げてフリーランスとして活躍することもできます。あるいは、ファーム時代に知り合った仕事仲間と意気投合し、そのメンバーで新たに会社を立ち上げるというのも、十分にあり得る選択肢です。会社を成長させることができれば、立ち上げメンバーとして多くのリターンを得ることができます。
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