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BCGの行うデジタルトランスフォーメーションとその人材_デジタルBCGとBCGデジタルベンチャーズ

Post Date2020-01-22 /
Category戦略コンサル特集 IT・デジタルコンサル特集

これまでデジタルトランスフォーメーションに関する特集を5回に渡って行いましたが、今回はボストンコンサルティンググループ(以下BCG)を例にとってデジタルトランスフォーメーションや担う人材についてより深く考察していきたいと思います。

BCGの推進するデジタルトランスフォーメーション

BCGでは、デジタルトランスフォーメーションを顧客、業務プロセス、システム、の3つの視点に分け、ロードマップ上に並べるというアプローチをとっています。また、全体を以下の6つの流れに大別しています。

  1. ITコスト削減
    長期的な変革に際して、原資を捻出するために、既存のITコストを見直し、不要なコストを削減する。
  2. デジタル化によるビジネスモデルの変革
    製品の製造・販売というビジネスを、データを活用した保守サービスや金融サービスと一体化させたビジネスへと変換し進化させる。
  3. 顧客接点の顧客体験高度化
    顧客接点を改良することにより、顧客にとっての利便性を格段に向上させる。
    特に、デジタルマーケティングの手法を用いることで、適切な顧客に適切なマーケティングをすることができるようになる。
  4. オペ―レーションのデジタル化
    ビジネスのスピードや柔軟性を上げるとともに、コストを削減する。
    必要に応じてIT投資も発生する。
  5. IT基盤のスリム化・強化
    メインフレームの機能を小さくして、リアルタイム処理を増やしていく。
    加えて、顧客視点でのデータ、データベースを整備していく。
  6. デジタル・ケイパビリティ醸成
    従来のIT人材とは異なる、デジタル化で新たに必要となる人材を採用・育成する。
    具体的には、データ活用やUI/UXのデザイン、クラウドなどの新興ITサービスに関して深い知見がある人が挙げられる。

 

図表:デジタルトランスフォーメーションの構成(例)

(内田和成『BCG経営コンセプト 市場創造編』(東洋経済新報社、2016年)を参考に作成)

この図のように、2~4の3つがビジネスの視点での変革であり、それを下支えするような形でITの視点での変革が行われます。

デジタルトランスフォーメーションの効果

BCGではデジタルトランスフォーメーションで見込まれる効果を以下の4つに大別しています。

  1. コストの削減
    後述の保険会社の事例においては、ITコスト削減で2~3割、オペレーションのデジタル化でも2~3割の削減が実現できる。
  2. 顧客サービスのスピードの向上
    金融機関を例にとれば、通常2~3週間かかる場合もあるカードの再発行を2日ほどに短縮することを目指している。
  3. 顧客動向の把握
    デジタル・テクノロジーを用いることで、今まで見えていなかった顧客の動向を特性ごとに切り出して、最適なものを提供することができるようになる。
    すなわち、制度の高いセグメンテーションやターゲティングが可能になり、ビジネスモデルの変革や、新たな商品/サービス/プライシング・モデルの開発が実現しやすくなる。
  4. 投資対効果の可視化
    デジタルトランスフォーメーションでは、投資や取り組みを細かい単位に分解した組み立て、また、あるアクションに対して顧客がどのように反応したかまで含めて情報を収集/分析する。そのため、投資に対する効果を可視化することができる。

デジタルトランスフォーメーション推進における課題

上述したものはフレームワークではあるものの、個別企業に対して行われるデジタルトランスフォーメーションは、業界・業種・企業事情に応じて進め方がカスタマイズされます。但し、中には多くの企業が共通して直面する課題もあります。

BCGでは主な課題として、以下の4つを挙げております。

1.新商品/新サービスに対する社内抵抗
<課題>
デジタルトランスフォーメーションを進めていく中で、新商品/新サービスを作り出す際、既存の商品/サービスが成り立たなくなるのではないかという懸念が生まれ、特に既存事業部から強い反発を受ける場合がある。

<解決策>

  • デジタルトランスフォーメーション実現後のビジネスの構図を描き、それを達成しようという合意形成を行う
  • 特定セグメントの既存顧客に対してデータを活用することで何らかのサービスを付加し、リテンションを上げる。

2.ロードマップ作成の困難性
<課題>
デジタルトランスフォーメーションのロードマップは、顧客・業務プロセス・システムの3つの視点で整合性がとれている必要がある。しかし、実際に進めていくと、顧客の視点では優れているものが、他の2つの視点では整合性が取れていない(開発コストがかさむなど)というケースが発生する。

<解決策>
各部門を超えた1段上のレイヤーで最適な組み立てをする必要がある。
具体的には、トップマネジメントに直結したPMOのような機構が、全体の整合性をとるというのが望           ましい。

3.データ活用の最適化
<課題>
社内にデータが散在しており、データを出す側とデータを活用する側は、多くの場合異なる部門である。こうしたデータの連携が取れていないと、最もシンプルなオペレーションをデザインすることができない。

<解決策>
データを軸とした連携がうまくできるようにインセンティブやルールを整えることが重要である。その際、トップマネジメントのコミットメントなどの何らかの強制力を働かせてやり切る必要がある。

4.オペレーション改善に伴うリソースの再配置
<課題>
オペレーションのデジタル化などで従来よりも少ない人員で処理できるようになっても、余剰人員を競争力向上に活かすことができなければ真に効率化が実現したとは言えない。しかし多くの場合、再配置の際に能力のミスマッチが起こり、結果的に効率の低下や、モチベーションの低下を招いてしまう。

<解決策>
自社の人員構成を考慮して現実的な最適解を探求する必要がある。
例えば、オペレーション改善で削減の余地の大きい事務部門では、高齢化を原因とした退職による自然減が進んでいる。そこで、新たな部門でも高いパフォーマンスが期待される人員を限定的に異動させることで、数年内に自然減と合わせて人員が最適化されることが多い。

デジタルトランスフォーメーション支援事例(保険会社A社の例)

実際にBCGが行った保険会社のプロジェクト例を見てみましょう。

背景

保険業界では、国内外問わず、デジタルトランスフォーメーションにより競争優位を構築しようとする動きが加速。

その中でA社は、競合他社に比べ劣っている部分のギャップを埋めるとともに、自社ならではのイノベーションを起こしていくことを目指して、デジタルトランスフォーメーションを進めている。BCGはそのPMO的な役割で入ってサポートしている形態。

支援内容

  1. コスト削減
    IT運用コストの削減に焦点を絞り、ベンチマークを活用して削減余地を明らかにし、それを基に各ベンダーと交渉するというアプローチをとった。複数のベンチマークを併用し、1年ほどで10~20%、金額で言うと数十億円/年の削減を実現。
  2. IT投資
    保険業界の競合他社と業界外のamazonなどの大手IT企業をベンチマークとして、自社と競合の間にどんなギャップがあるのかを分析した。その結果、営業・マーケティング系のシステム基盤に最優先で投資をするという意思決定がトップマネジメントレベルでなされた。

具体的には、営業・新契約事務をフルデジタル化して、オペレーションプロセスを継続的に改善していくというものである。この一環として、顧客データについてもビジネスの戦略的方向性と結び付けた議論を行い、意識合わせを実施。
中でも、既存顧客、見込み顧客、新規顧客をどのように管理するかが大きな論点となった。A社では日頃、新規顧客を獲得することに重点を置いていたが、社内データの分析から、既存顧客への重ね売りからの収益が大きなウェイトを占めており、ここに注力することで大きく価値を上げられる可能性があると判明した。

既存事業のIT基盤に関しては他にも改善すべき領域があった。そこで、一定の予算の中で、特に顧客視点での価値の高いものから優先順位付けをし、改善を実行した。

  • 新サービス展開に向けたデータ基盤整備
    健康や医療領域の新サービスに関して、ビジネスサイドでパートナリングを含めた検討が進められている。並行してIT側でも必要となるデータのうち自社内で保有していないものをどのように入手するか、自社内外のデータをどのように新領域に活用するか、といった視点で研究に取り組んでいる。
  • 人材育成
    一連のトランスフォーメーションを実現するには、従来とは異なる人材の育成や組織能力の構築が必要となる。A社では、「IT組織・人材プロジェクト」を並行して進め、中心となる人材の採用・育成と体制・組織能力構築に取り組んでいる。

デジタルBCGで働く人材

デジタルトランスフォーメーション等、デジタル関連のプロジェクトの増加に伴い、BCG内にはデジタルBCG(Digital BCG)と呼ばれるプロフェッショナル集団が存在します。こちらには従来の戦略コンサルタントもいらっしゃるものの、組織としての更なる進化、サービスの高度化のため、新たに先端専門バックグラウンドの方々を積極採用しております。

デジタルBCGの概要(HPより抜粋)

DigitalBCG Japanは、その変革をいち早く実現するために生まれた、新たなプロフェッショナル集団です。

デジタル化がもはや単なる技術やツールの枠を超え、事業・組織を横断するマネジメントイシューそのものとなっているのは周知の通りです。数多くの企業のトップマネジメントに対し、経営課題の解決をサポートしてきたBCGは、デジタル化を成功させる上で特に日本の企業に欠けている“ミッシングパーツ”を理解しています。

だからこそ、われわれは先端的で幅広い知見を持つメンバーを揃え、BCGが有する、幅広い産業やテーマに対するインサイト、そしてグローバルネットワークを活用し、デジタル化の構想を構想のままで終わらせず、ビジネスインパクトの実現にこだわったサービスを提供します。

(Digital BCGホームページより引用:https://digitalbcgjapan.com/)

業務内容

主にはBCGの大企業向けプロジェクトとCo-workする形で、専門的なモデリング、データ分析などを担当したり、エキスパートとしてプロジェクトチームに対する提言などを実施する形態。

職種毎のバックグラウンドの違い(Digital BCGとBCG TA(Technology Adgantage))

  • Digital BCG:
    採用の窓口が従来の戦略コンサルタントとは異なり、大きくはDeep Tech系、Design&Growthに大別。DeepTech系はAI/機械学習、Big Dataのデータアナリティクス経験、オペレーションズリサーチ等の経験を持つ方々、Design&GrowthではUI/UXデザイナー、Webデザイナー、フロントエンドエンジニアの経験を持つ方々が活躍されている。
  • BCG TA(Technology Adgantage):
    従来のBCGの戦略コンサルタントだが、バックグラウンド(SierやIT/総合コンサルティングファーム出身)やBCG内でのプロジェクト経験により、特にIT/テクノロジーの専門性が強いメンバーを指す。特に組織として存在しているわけではないが、社内でチームとして活動し、共同勉強会等を実施。デジタルトランスフォーメーション等のデジタルがメインテーマのプロジェクトの中心人材となることが多く、従来のコンサルティングとDigital BCGメンバーとの繋ぎの役割を負うこともある。

(ご参考)BCG Digital Venturesとは?

ここまで、BCGが行うデジタルトランスフォーメーションについて解説してきましたが、BCGは別に独立組織としてBCG Digital Venturesを抱えています。デジタルBCGとの違いとしては、以下の通りです。

  • デジタルBCG:
    主にデジタルトランスフォーメーションの中でAI/機械学習やデータ分析の領域を担う。
  • BCG Digital Ventures:
    主にデジタルを活用した新規事業の立ち上げを行う。

具体的には以下の記事で活動内容を解説しております。そちらも是非ご参考下さい。

(参考書籍)

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