コンサルタントのマネージャーとは?各職位の仕事内容や役割、必要スキルなどを解説
Role of Each Job
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コンサルティングファーム内での
各職位の仕事内容・役割
コンサルティングファーム内での職位については
以下の通りです。
呼び方については各ファームによって異なりますので、
あくまでご参考までにご理解ください。
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アナリスト
- 作業担当者として、各種リサーチや資料作成を行う
プロジェクトメンバーとして、プロジェクトに参画し、担当する業務・作業の遂行を行い、リサーチや分析などを行います。主に新卒、第2新卒メンバーが入社後、本職位からスタートしする。リサーチ業務、議事録作成など膨大な地道な業務を通じて、コンサルタントに必要な基礎的なスキルを身につけます。
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コンサルタント
- マネジャーの指揮下において、自ら情報を収集・分析・提言を行う
- 一定領域の作業責任者としてアナリストを管理し成果物を作成する
プロジェクトにて一定の範囲に置いて責任を持ち、自分のチームのアウトプットに責任を持つ職位。新卒について入社後3〜5年程度の経験、中途採用の場合は5年程度の経験を有するものを想定。クライアントの折衝、プロジェクトにおけるリード等の経験を徐々に積んでいくことでマネージャーへの昇進に進むことを想定されます。クライアント担当者との信頼構築に加え、後輩やアナリストの指導も求められます。
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マネージャー
- プロジェクトの指揮監督、予算管理とクライアントとの折衝を行う
- 人材の育成や採用、全社的な取り組みを任される
プロジェクトリーダーとして、プロジェクトをマネージメントし、プロジェクト全体のアウトプットに責任を持ちます。クライアント担当者と信頼関係を築き、後輩の指導にも当たります。また、ファームによっては一定の売上の獲得を求められるケースもあります。
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シニア・マネージャー
- プロジェクトの指揮監督、予算管理とクライアントとの折衝を行う
- 人材の育成や採用、全社的な取り組みを任される
- 顧客リレーションシップに責任を持ち、売上責任を持つ
大規模プロジェクトのリーダーを務め、所属組織をリードする職位。組織のバジェットを立て、レベニューに対し責任を持ちます。
顧客とのリレーションシップマネジメントを行い、新規ビジネスのチャンスの開拓も期待されます。また、組織の人材育成にも責任を持ちます。 -
パートナー
- ファームの顔としてクライアントとのリレーションを拡大する
- 共同経営者、出資者として会社の経営に関与する
- プロジェクトの最終的責任者
- 知財開発、人材の採用・教育・評価等、内部管理における主導的役割
複数プロジェクトの責任者として、新規クライアントの開拓やチームマネジメント、ファームの経営の一翼を担う職位。専門領域において、社内のみならず業界全体を牽引する存在となることが期待されます。
ファーム職位一覧表
Farm Position List
戦略コンサルティングファーム
企業名 | アナリスト (新卒/第2新卒) |
コンサルタント (入社3年〜10年程度) |
マネージャー (課長・部長職 相当) |
パートナー (経営層 相当) |
---|---|---|---|---|
マッキンゼー・アンド・カンパニー | ビジネスアナリスト | アソシエイト | エンゲージメントマネージャー | アソシエイトプリンシパル プリンシパル ディレクター |
ボストンコンサルティンググループ | アソシエイト | コンサルタント | プロジェクトリーダー プリンシパル |
パートナー マネージングディレクター |
ローランド・ベルガー | ジュニアコンサルタント | コンサルタント シニアコンサルタント |
プロジェクトリーダー プリンシパル |
パートナー マネージングディレクター |
ベイン・アンド・カンパニー | アソシエイトコンサルタント シニアアソシエイトコンサルタント |
コンサルタント ケースチームリーダー |
マネージャー | パートナー |
アーサー・D・リトル | リサーチアナリスト | コンサルタント | マネージャー シニアマネージャー |
アソシエイトディレクター ディレクター |
※ 横スクロールで全役職をご覧いただけます。
総合系コンサルティングファーム
企業名 | アナリスト (新卒/第2新卒) |
コンサルタント (入社3年〜10年程度) |
マネージャー (課長・部長職 相当) |
パートナー (経営層 相当) |
---|---|---|---|---|
アクセンチュア | ビジネスアナリスト | コンサルタント | マネジャー シニアマネジャー |
マネージングディレクター |
アビームコンサルティング | アナリスト | コンサルタント シニアコンサルタント |
マネージャー シニアマネージャー |
ディレクター プリンシパル |
デロイトトーマツコンサルティング | アナリスト | コンサルタント シニアコンサルタント |
マネージャー シニアマネージャー |
ディレクター パートナー |
PWCコンサルティング | アソシエイト | シニアアソシエイト | マネージャー シニアマネージャー |
ディレクター パートナー |
KPMGコンサルティング | アナリスト | コンサルタント シニアコンサルタント |
マネージャー シニアマネージャー |
ディレクター パートナー |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング | アナリスト | コンサルタント シニアコンサルタント |
マネージャー シニアマネージャー |
アソシエイトディレクター アソシエイトパートナー |
ベイカレントコンサルティング | アソシエイト | シニアアソシエイト | マネージャー シニアマネージャー |
パートナー |
※ 横スクロールで全役職をご覧いただけます。
監査法人
企業名 | アナリスト (新卒/第2新卒) |
コンサルタント (入社3年〜10年程度) |
マネージャー (課長・部長職 相当) |
パートナー (経営層 相当) |
---|---|---|---|---|
監査法人トーマツ | ジュニアスタッフ スタッフ |
シニアスタッフ | マネージャー シニアマネージャー |
パートナー |
PwCあらた監査法人 | アソシエイト | シニアアソシエイト | マネージャー シニアマネージャー |
パートナー |
有限責任あずさ監査法人 | スタッフ エクスペリエンスド・スタッフ |
シニアスタッフ | アシスタントマネジャー マネジャー シニアマネジャー |
パートナー |
EY新日本有限責任監査法人 | スタッフ | シニアスタッフ | マネージャー シニアマネージャー |
パートナー |
※ 横スクロールで全役職をご覧いただけます。
コンサルタントのマネージャー以上に
昇格すると起きる変化
コンサルティングファームにおいてマネージャーに昇格することで、以下のような変化が生じます。
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営業目標の責任
コンサルティングファームによって異なりますが、通常、マネージャーに昇格したコンサルタントには営業目標に関する責任が生まれます。昇格前はデリバリーで成果をあげることが求められましたが、マネージャーになると営業においても一定の成果をあげることが求められるようになります。既存のクライアントとの関係を維持しながら、新規のクライアントを獲得していく必要があるため、昇格前とはまったく違った動き方をするようになります。営業の目標達成が難しいようであれば、営業のスキルを高める努力をしなければいけません。
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年収アップ
マネージャーに昇格したコンサルタントは年収が上がります。コンサルティングファームによって増加率は異なります。総合系コンサルティングファームの場合、マネージャーに昇格することで年収が1,500万円を超えるケースも多くあります。戦略系コンサルティングファームの場合、マネージャーに昇格することで年収が2,000万円を超えくることが多いです。昇格すれば責任も重くなりますが、年収が上がることでより高いモチベーションで仕事に打ち込めるようになるでしょう。
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業務比率の増加
マネージャーに昇格したコンサルタントは、デリバリーに加えて営業やチームのマネジメントなど、より幅広い業務を担うようになるため、昇格前に比べて業務量が大幅に増加する傾向にあります。膨大な業務をこなしていくためには、より効率的な時間管理をおこない、より高い生産性を発揮することが求められます。業務負荷が増えることでワークライフバランスが犠牲になったり、ストレスが増加したりすることも考えられるため、セルフメンタルケアも重要になってきます。
何歳までに昇格すると良いのか?
近年は、ビジネス課題がより複雑化・高度化しており、あらゆる企業がコンサルティングを求める時代になっています。このような時代のなかで、コンサルティングファームは慢性的な人材不足に陥っており、常時コンサルタントの募集をおこなっている企業も少なくありません。コンサルタントの数が増えると、彼ら・彼女らを管理するマネージャーの数も必要になってきます。そのため、ファームによって差はありますが、以前に比べるとマネージャーに昇格させるタイミングが早くなっている傾向があります。
マネージャーへの昇格は、経験年数や実績、スキルや人物像など複合的な要素によって判断されますが、年齢という観点で見ると、30代前半から30代後半でマネージャーに昇格するのが一つの目安になるでしょう。30代前半でマネージャーに昇格できれば、一般に「早い」という評価を受けます。もちろん、昇格するまでに要する期間には個人差があり、4〜6年程度の経験が必要だとされています。
コンサルタントのキャリアパスについては、以下の記事で詳しく解説しています。
コンサルタントのキャリアパスとは?4つの選択肢とポイントを解説
コンサルタントの昇格後に
よくある悩み予防方法と解決策
マネージャーに昇格したコンサルタントが抱えがちな悩みと、その予防策・解決策についてご説明します。
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メンバーとの関係性に関する悩み
マネージャーに昇格すると、プロジェクトを管理する立場になります。そこで生じやすいのが、プロジェクトメンバーとの関係性に関する悩みです。メンバーとの関係性はプロジェクトの成否に直接影響を与えるため、放置することはできません。関係性がこじれてしまうと修復が不可能になるケースもあるので、早めに適切な対処をすることが重要です。
人間関係が悪くなる原因は多くの場合、コミュニケーション不足にあります。人間関係に悩んでいるマネージャーは、メンバーとのコミュニケーションの量を増やしたり、こまめにコミュニケーションを取るようにしたりして、メンバーの感情や考えていることを理解するように努めましょう。
メンバーはそれぞれ性格が異なるため、一人ひとりに合わせたコミュニケーションスタイルをとることも重要です。チームミーティングでコミュニケーションを図るのが効果的なメンバーもいれば、個別の面談を好むメンバーもいます。ランチなど、フランクな場所のほうが本音を話しやすいというメンバーもいるでしょう。いずれにしても、コミュニケーションの機会を通してお互いの信頼関係を高めていくことが重要です。 -
業務量に関する悩み
マネージャーに昇格したコンサルタントは、業務量が大幅に増加します。自らプロジェクトを担当するとともにチームのマネジメントもおこない、さらに新入社員の育成もおこなうなど多忙になります。このような新任マネージャーにありがちなのが、「部下が未熟なので自分でやったほうが早い」と考え、部下に託すべき仕事を全部抱え込んでしまうケースです。しかし、これをすると自分の業務が圧迫され、マネジメントがおろそかになり、部下も育たないという悪循環に陥ります。
マネージャーとして成果をあげるためには、いかに部下に任せられるかがポイントになってきます。当然、部下によってスキルや成長度合いは異なるため、マネージャーは普段から各メンバーの業務レベルや仕事の進め方をよく観察し、相手によって任せる業務や指示の出し方を変えることが重要です。メンバーごと、業務ごとに適切な采配ができれば、自分の業務負荷を軽減しながら全体の生産性を高めることができるでしょう。 -
マネージャーとしての力量に関する悩み
特に、若くしてマネージャーに昇格した人は、マネージャーとしてのスキル不足を痛感し、自信をなくしてしまうことがあります。マネージャーとしての力量不足に直面したのであれば、まずは自己分析をして、具体的にどのようなスキルが不足しているのかを見つめ直してみましょう。足りないスキルが明確になったら、そのスキルを磨くために必要な取り組みを考え、実践していきます。スキルアップに取り組むのは自分ですが、一人で頑張ろうと考えず、周囲のサポートを受けることも重要です。上司や同僚、また自分と同じマネージャーに相談してアドバイスをもらうのも良いでしょう。また、会社に研修制度やメンター制度があるなら、そのような制度を積極的に活用して自己成長につなげていきましょう。
将来のキャリアプランを明確にすることも重要です。今後のキャリアに関して具体的な目標を設定し、目標に向かってスキルアップの取り組みを継続することで、徐々にマネージャーとして自信を持てるようになるはずです。
コンサルタントのマネージャー以上に
求められるスキル・条件
マネージャー以上のコンサルタントに求められるスキルを、基本的なスキルと実践的なスキルに分けてご説明します。
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基本的なスキル
コンサルティングファームのマネージャーに求められる基本スキルとしては、以下のようなスキルが挙げられます。
▼高度なコミュニケーションスキル
マネージャーはチームの部下、およびクライアントと円滑にコミュニケーションを図る必要があり、ときにはトラブルの迅速な解決が求められます。そのため、一段と高いコミュニケーションスキルが求められます。
▼プロジェクトマネジメント能力
マネージャーには、決められた期限内に成果を出すためにスコープやコスト、品質をバランス良くコントロールしてプロジェクトを前に進めていくプロジェクトマネジメント能力が求められます。
▼リーダーシップ
マネージャーには、チームのメンバーの能力を引き出し、モチベーションを高めながら、社内外のステークホルダーを巻き込んでプロジェクトを成功に導いていくリーダーシップが求められます。
コンサルタントに求められるスキルに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
コンサルタントに必要なスキルとは?得られるスキルや役割も解説 -
実践的なスキル
コンサルティングファームのマネージャーに求められる実践スキルとしては、以下のようなスキルが挙げられます。
▼マネジメントスキル
マネジメントするチームの規模は様々ですが、多い場合は30人を超えるメンバーを束ねるケースもあります。卓越したマネジメントスキルがなければ、チームをまとめることはできないでしょう。
▼営業に関するスキル
マネージャーに昇格すると営業の責任を負う立場になるため、営業を推進するスキルが求められます。新規のクライアントに対する提案力や、既存のクライアントから新たなニーズを引き出すスキルが必要になります。
▼デリバリーに関する高度なスキル
コンサルティングファームのマネージャーは、難易度の高いプロジェクトを完遂できなければいけません。そのためには、デリバリーに関するワンランク上のスキルが必要になります。特に、昨今の複雑化したビジネス課題を解決するためには、ITテクノロジーに関する知見・スキルを持っていることが重要になってきます。
コンサルタントのマネージャーへの
転職における注意点
コンサルタントがマネージャーとして転職する際の注意点をお伝えします。
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業界内の評判を意識する
コンサルティング業界は広いようで狭く、噂が広がりやすい業界です。業界内で評判の悪いコンサルティングファームに転職してしまうと、個人としてのキャリアに悪影響が及んでしまう可能性があります。逆に、業界内での評判が良いコンサルティングファームに転職できれば、その影響力を借りて、より多くのビジネスチャンスやキャリアアップの機会を得ることができるでしょう。コンサルティングファームにマネージャーとして転職する際は、業界内での評判を意識することが重要です。
また、個人のコンサルタントの噂も広がりやすく、「どのマネージャーがどのファームに転職した」といった情報はすぐに広がります。そのため、常日頃から真摯に仕事に取り組み、個人として悪評が立たないようにすることも重要です。 -
KPIのバランスを意識する
コンサルティングファームのマネージャーには、デリバリー業務と営業業務をバランス良くこなすことが求められますが、他のファームに転職することで、マネージャーに求められるKPIのバランスが大きく変わることがあります。ファームのなかには営業専門のチームがあり、マネージャーはデリバリーに集中するところもありますし、逆に営業業務の比率が高いところもあります。そのため、応募先ファームにおけるマネージャーの役割は面接などでしっかり確認しておきましょう。
とはいえ、転職して営業の比率が高くなった場合は、新たなスキルを身に付ける機会と捉えることもできます。逆に、デリバリーの比率が高くなった場合は、コンサルティングのスキルをより高めていくことができます。営業とデリバリーの比率が変わることをリスクと捉えるのではなく、成長のチャンスと捉えるのが良いでしょう。
まとめ
コンサルティングファームでマネージャーとして経験を積むことで、リーダーシップやチームマネジメント能力など、幅広いスキルを磨くことができます。このようなスキルは、将来的に経営幹部や役員になるためにも重要なスキルであり、キャリアアップに大きく貢献するものです。また、マネージャーとして実績を残すことによって、他のコンサルティングファームに転職する際にも大きな武器になります。有利な転職をするためにも、マネージャーとして日々研鑽に努めていきましょう。
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