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コンサルタントの評価とプロモーション制度

Post Date2020-02-27 /
Categoryキャリア・働き方特集 

成果への重きが置かれるコンサルティングファームにおける評価方法は、一般的な企業のものとは異なります。パフォーマンスを正しく評価し、適切なポジションを割り振るために、コンサルティングファームならではの評価制度がとられています。
本記事ではコンサルタントの評価制度とプロモーション(昇進)制度についてご紹介していきます。

コンサルティングファームでプロモーションが増えた背景

一言でいうとコンサル市場の拡大、コンサルティングファームで働く従業員の増加になります。
現在、国内コンサルティングサービス市場は拡大の一途をたどっています。IT専門調査会社IDC Japan 株式会社によると、2019年の同市場規模は前年比7.3%増の8,217億円になったとみられ、2024年に1兆円に達すると予測しています。(国内コンサルティングサービス市場予測を発表

このような市場拡大の理由としては、デジタル関連ビジネスコンサルティング市場の大幅な成長が考えられます。具体的には、クラウド、アナリティクス、モビリティ、ソーシャルといった第3のプラットフォームの導入/活用、あるいは、同プラットフォームを通じて提供されるIoTやコグニティブ/AIシステム、サイバーセキュリティの導入/活用に関わる市場のことです。
加えて、社会のグローバル化も大きな要因のひとつです。様々な領域の法人企業が、新規事業開発や海外進出を積極的に進めており、グローバル関連プロジェクトや、海外M&A、海外グループ会社を含めた全体的な業務改革・改善プロジェクトが進められています。

市場拡大により、新しいインダストリーチームの発足といった横の広がりが盛んになり、マネジメント層が慢性的に不足しやすくなっています。特に、AIなどといった近年急速に発達してきた分野に関しては人手不足がまだまだ深刻な問題です。よって、シニアコンサルタントのプロモーションを早めてマネージャーを確保するケースがあるようです。

コンサルタントの評価制度

基本的な評価

コンサルタントの仕事がプロジェクト単位で動いていくという特性上、評価もプロジェクト単位で行われます。プロジェクトの多くが3ヶ月単位で進むということもあり、おおよそ3ヶ月に1回、プロジェクトでのパフォーマンスを評価されます。プロジェクトが長期の場合はおおよそ3ヶ月から6か月程度を1単位として評価が行われます。なお、評価はマネージャー中心に行いますが、パートナーやチームメンバーの意見も反映されます。評価内容はマネージャーとの1対1の場を設けて本人に細かくフィードバックされます。

また、プロジェクトの評価とは別に、半年に1回ファームとしても評価を行います。こちらは各ポジションでの在籍期間を踏まえ、それまでのパフォーマンスの総括、強みや弱みの把握、次のステップ(昇進)に向けてのアクション/チャレンジ等がメンターを通じて行われます。

メンター制度

多くのコンサルティングファームではプロジェクト直属の上長とは別に中堅コンサルタントがキャリアの相談役としてつく「メンター制度」を採用しています。
メンターは担当する若手コンサルタントの評価に対して提言することができ、より正当な評価がされるように客観的な立場から見る、評価結果に応じた成長のためのアクションプランを考えるという役割を持っています。また、若手コンサルタントの中長期的な目標について相談に乗り、その達成に必要な力を身に着けるサポートも行います。

Up or Out

成果報酬型の評価制度を語る時によく聞く言葉で、「昇進するか、去るか」という意味合いを持っています。つまり、ある基準の年数で昇進できなければ会社に残ることができないということです。これだけ聞くととても厳しい制度のように聞こえるかと思います。実際、多くの文脈で社員の成果に対するインセンティブを上げ、競争させることで企業の成長を促すための制度として説明されています。また、向き不向きがある中で無理に会社に残ることは双方にとって不幸であるという考え方に基づいております。
一方で、自らのキャリア選択の過程でOutを選ぶ場合も多く、数年で退社している場合でも必ずしもマイナスな意味とは限らず、最近では「コンサルを続けるか、他の道を選ぶか」というStay or Outという言葉が使われる場合もあります。

プロモーションの制度

コンサルタントには主に4つの職位があり、それぞれで求められる能力は異なります。加えて、具体的な能力や成績の基準が設けられているわけでもありません。そのためただ普段の業務にあたるだけではプロモーション(昇進)することは難しいと言えます。

Ⅰ.アナリストからコンサルタント

アナリストとしての業務をこなしていき、一定の能力が身についたと判断されれば徐々に責任の重い業務を任されるようになります。それなりの実績を残していれば概ね3~4年(新卒)、2~3年(中途)でコンサルタントに昇進することができます。

Ⅱ.コンサルタントからマネージャー

コンサルタントとして幅広い知識や経験を身に着け、加えて顧客との折衝能力、アナリストへのマネジメント能力を評価されるとマネージャーへ昇進することができます。マネージャーはプロジェクトのクオリティ管理、スケジュール管理、予算管理を一手に引き受けるため、マネージャーに昇進するのが一つの大きな関門と言えるでしょう。
加えて、ファームによってはマネージャーに採用活動、対外レポート作成、広報等、社内の業務が求められることもあります。
また、ファームによってマネージャーに求める能力が異なる場合もあり、現職でマネージャーになれない場合ファームtoファームで転職することでマネージャーとして採用されることもありますし、当然逆の場合もあります。

Ⅲ.マネージャーからパートナー

パートナーとはコンサルティングファームの「共同経営者」であり、マネージャー以下のコンサルタントとは一線を画しています。仕事としては大きくクライアントへの営業活動とファームの経営に分けられます。営業活動では大手企業の経営層を相手にするため、経験の豊富さが求められます。加えて、コンサルタントは実態のないものを商品としているため、案件を受注するにはクライアントにとって信頼に足る人物でないといけません。また、ファームの経営にも携わるため、会社経営や専門とする業界の知識も当然高いレベルで求められます。こうした厳しい能力の選定を潜り抜けて初めてパートナーになることができます。

各職位の役割やファーム毎の職位一覧はこちらにも纏めております。

コンサルタントからマネージャープロモーション候補に挙がる人の共通点

では、どの様な人がプロモーションしていくのでしょうか。ここでは、実際に昇進していく人の特徴を紹介していきます。

次のタイトル(役職)を担える実力

現在の役職で求められている業績のみならず、次のタイトルで求められている業績を既に出せている、というのは非常に大きなポイントになります。優秀な人材が集まるコンサルティングファームでは、このくらいとび抜けた実力がないと上を目指し続けることは難しくなります。ファームとしても、昇進にはコストが掛かるので、確実に活躍できる人材を上のタイトルに就かせようと考えます。

常に学び続ける謙虚さ

常に変化していく社会の中、企業のニーズも様々な形を成していきます。そういったものに対応し続けるために、学びの姿勢を持ち続けることが大切です。単純ですが、非常に難易度の高いことだと思います。肩書などに左右されずに、貪欲に学び、謙虚な姿勢を崩さなければ、自然と周囲から好感を持たれ、チャンスが増えていきます。

高いコミュニケーションスキル

一言でコミュニケーションスキルといっても、様々な種類が存在しますが、ここでは、相手企業、もしくはファーム内経営陣に信頼されるような高いコミュニケーションスキルを指します。コンサルティングファームのような優秀な人材が集まる場所では、業績を出せるというのは大前提です。ですが、それだけでは周りと差をつけることはできません。そこで、上の役職に方に信頼されるコミュニケーションスキルが必要となってきます。当たり前の事ですが、評価を下すのは人間です。その他の能力が同等であっても、信頼度の高い方の人間に仕事を任せるのは想像に容易いでしょう。

 

 

参考著書:神川貴実彦(2008年)『コンサルティングの基本』日本実業出版社.
ジョブウェブ コンサルティングファーム研究会(2017年)『コンサルティング業界大研究』産学社.

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