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M&A×コンサルティング業界

Post Date2016-06-14 /
Categoryサービス別特集

現在、M&Aという言葉は身近になっており、企業成長の柱として非常に重要な選択肢として広く認知されております。ただし、M&Aにあらゆる形で関与をするコンサルティング会社は多数あることから、具体的な違いについては不明な点も多いことと思われます。本特集では、そんなM&Aを取り巻く業界、M&Aのプロセス、代表的なアドバイザリーの種類についてご説明いたします。

M&Aとは

M&Aとは、(Mergers:合併) &(Acquisitions:買収)の頭文字を取ったことをいいます。M&Aといっても「合併なのか買収なのか」でその後のスキームは多岐に渡りますが、基本的には、「買い手が売り手の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を取り込むこと」をさします。買い手は経営資源を獲得し、会社もしくは事業の持ち主が変わる事になります。
M&Aには以下2つのパターンがあり、どちらの場合もM&Aの最大の目的は買収後の「リターン」にあります。これについては、追って供述します。

  1. 事業会社が自己の事業の拡大のために当該企業を買収するパターン
  2. 投資ファンドが買収した値段以上で売却する事で利益を得るパターン

(※図1:M&Aの形態について(デロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリー社作成))

M&Aの目的

M&Aには、大きく3点の目的があります。

①時間の節約

本業の多角化や事業強化を速やかに行うことができます(「時間をカネで買う」と表現されることもあります)。

②買収される側の権利や資産

顧客資産(クライアント・調達先)、既存販売店や店舗網、ブランド価値、人的資源(経営者・従業員)、生産設備、知的財産権を取得することができます。

③付加価値向上(シナジー効果)

M&Aを行う上で最大の目的はこのシナジー効果です。このシナジーを可能な限り事前に定量化し具体的な数値等客観的にわかるようにまとめることがコンサルタントとしての腕の見せ所でもあります。

M&Aの歴史

日本では、1990年後半よりM&Aの案件数が急増しており、これはバブル崩壊後の銀行の不良債権処理の増加に伴い再生案件が増加したことや、税制や会計・法律等の変化により、M&Aの手法についても多岐に渡るようになったことによります。そして、2000年代に入ってもM&Aの件数は増加の一途をたどり、2005年には1年間に 2500件を超えるM&Aの件数になりました。

理由は、M&Aに対する理解の浸透や、企業も時間をカネで買う効率的経営によって必要な経営資源を入手し不必要な不採算事業から撤退をする「選択と集中」の経営にシフトし、グループ再編や業界再編が活発化されていったことによります。

2008年のリーマンショックにより一時的にM&Aの件数は低下しましたが、2013年の政権交代や経営者の高齢化などの観点から成長戦略としてのM&Aや事業継続としてのM&Aが増加していきました。

(※図2 :1985年以降のマーケット別M&A件数の推移(レコフ調べ))
  • IN-IN:日本企業同士のM&A
  • IN-OUT:日本企業による外国企業へのM&A
  • OUT-IN:外国企業による日本企業へのM&A

M&Aの一連の流れ

ここでは、具体的なM&Aの流れについて説明をします。①~⑤の5つのフェーズになります。

①M&A戦略

M&Aにおける戦略策定を行う段階です。M&Aに限らず経営戦略を策定する段階でもありあくまで手段としてM&Aが存在するため、基本的には企業の戦略立案を行うフェーズになりM&A自体が目的ではありません。 まずは自社のトレンドと外部環境と照らし合わせ、「将来目指すべき方向性の策定」をすることが大前提になります。その上で市場の成長スピードや参入スピード感等を考えてM&Aを実施するかどうか決定します。

②相手先の選定/基本合意

M&Aが必要と判断した場合、買収ターゲットとなるロングリストとショートリストを作成し、M&Aを専業としているコンサルティング会社などのアドバイザリーを選定してターゲット先にコンタクトを試みることとなります。買収ターゲットにコンタクト後、売り手に売却の意思があることを確認し、スケジュール等を策定し買収に向けた具体的スキーム作りをしていきます。ただ、この段階では具体的なM&Aができるか不明なため、情報開示については限定となるのが一般的です。

初期情報をもとに株式価値評価(バリュエーション)を実施し、買収価格の基礎検討をします。そして、基礎的条件が当事者間でそろった後、基本合意書で合意内容を書面化します。今後はより時間とコストをかけて、デューデリジェンスや条件交渉を行いM&Aを検討するフェーズに入っていきます。

※ロングリストとは、一定の基準を設けた買収可能性のある企業をピックアップしたリストのこと
。
※ショートリストとは、ロングリストを基にした具体的に買収を考えても良い企業のリストのこと。

③実行フェーズ

主な手続きとしては、デューデリジェンス(DD)になります。デューデリジェンス(DD)とは、買い手側が買収ターゲットについてM&Aの実施可否を含め、その後のプロセスに必要な情報収集及び問題点の検証を行うプロセスを指します。基本的には、買収元が専門家を通じてDDを実施します。

DDの目的
  1. 買収先のリスク情報の洗い出しとシナジー構造の洗い出し
    DDを通じて把握したリスクやシナジーは、M&A実行の是非、買収価格、契約条項等を決める際に非常に重要な情報となります。リスク情報の把握についても、買収後に莫大な負債保持や訴訟をいくつも抱えている可能性があった場合大きな損失となりDDを実施が必要となる。
  2. 利害関係者(株主等)への説明責任の遂行
    DDを実施することなくM&A後に損失が発生した場合、株主への説明責任が問われるためDDを実施することが重要でとなります。
    M&Aは結婚と似ており、結婚では相手のビジュアルや表面的に見えている性格のみから判断することなく、価値観、家族構成、趣味、学歴、金銭面、など様々な観点から相手の詳細状況を把握し失敗を防ぐことが可能となります。M&Aでも同様に、DDを実施することで取引先、生産設備、知的財産権、ブランド、ノウハウなどの有形無形の資産の有無、その価値等を把握することで失敗を防ぐことが可能となります。
DDの種類(大きく分けて3つ)
  1. ビジネスDD
    買収先のビジネス上の優位性や将来性について調査をします。
  2. 財務DD
    買収先の財務3表(BS/PL/CS)をくまなくチェックをします。
具体的に、BSの調査では、潜在的債務を含む資産負債の状況等を確認します。PLの調査では、収益構造の分析、特に将来の利益に影響を及ぼすような事象(大口得意先の喪失、同得意先との条件変更)の検証等を行い事業計画の判断材料とします。CSの調査では、売掛金・買掛金・棚卸資産の回転期間等の分析を行い、キャッシュフローに与える影響を調査します。主に会計士や税理士に委託されることが多い業務となります。
  3. 法務DD
    様々な取引における法律上の観点での問題の有無を調査します。
    主に、買収先の法令違反や各種紛争(従業員からの訴訟、企業訴訟)などの有無を確認します。

その他、環境や人事、ITの観点でDDを実施することもあります。

(図3:DDの種類(M&A実務のすべて:中央出版社参考))

④契約交渉・取引実行(クロージング)

クロージングとは、株式譲渡であれば株式の受渡日、合併であればその効力発生日をもって買い手企業の傘下に入ることを指します。
クロージングの大きなステップとしては、大きく3点になります。

  1. 交渉において決められた諸条件が法的な手続き等含め全て合意されている
  2. 最終契約書の価格調整条項に沿った形で受け渡しの金額を決定する
  3. 株式等の受け渡しを完了する

実際の現場やいわゆる交渉局面は、金額規模や経営上の重要な意思決定、売却される企業の従業員等の生活環境の大きな変化もあることから時として感情がぶつかり案件そのものが破談になることもある。そのため非常に慎重に事を進める必要があります。

⑤買収後(PMI)

PMIとは、(Post Merger Integration)とは、M&A後の統合活動全般をさします。M&Aで最も重要となる、買収価格以上のシナジーを生み出すためのフェーズがPMIとなります。PMIで実施される内容は以下3点になります。

  1. 経営の統合
  2. オペレーションの統合(業務プロセス、人事や組織、情報システムの統合など)
  3. 組織や風土の統合

PMIは、多くの場合以下ののスケジュールで実施されます。

  1. DD開始から契約締結日

    PMIの準備を行う。プロジェクトの人選、ガバナンス方針策定、統合形態、シナジー効果試算

  2. 契約締結日~クロージング日

    買い手企業と対象企業が合同でPMIを開始できるフェーズになる。プロジェクトの立ち上げがメインテーマとなる。

  3. クロージングから統合後100日後

    統合課題の洗い出しや急ぎの対応がメインとなる。

  4. 統合後100日後~1、2年後

    優先順位に従って課題解決を行っていく。統合後シナジー効果を図ることがメインテーマとなる。

M&Aの代表的なコンサルティング会社/どのアドバイザーを起用すればいいのか?

M&Aでは、フィナンシャルアドバイザリー(通称:FA)が案件のマネジメントから会議体の設定、DDの実施、会計士や弁護士との意見交換、代理人交渉、クロージング等の支援まで幅広くアドバイスします。

国内大手証券会社

多くの大手証券会社は、M&Aを専門とする部署があります。上場企業が実施する株式公開買い付け(TOB)の代理人を兼務することも可能です。

  • 野村證券株式会社
  • 株式会社大和証券
  • SMBC日興証券株式会社
  • みずほ証券株式会社
  • 三菱UFJモルガンスタンレー証券株式会社

大手銀行

メガバンクのようにM&Aの部門を持っている場合は相応の規模のFAが可能です。ただし、中堅系の銀行では、大型な案件や複雑な案件の実績に乏しい為、仲介業がメインとなることもあります。

  • 株式会社三菱東京UFJフィナンシャルグループ
  • 株式会社三井住友フィナンシャルグループ
  • 株式会社みずほフィナンシャルグループ
  • 株式会社新生銀行

外資系投資銀行

グローバルでの知名度があり、クロスボーダーのM&A、とりわけ大型案件の実績を有しています。報酬水準が高いため、大手企業同士のM&Aが中心となります。

  • ゴールドマン・サックス証券株式会社
  • UBS証券株式会社
  • JPモルガン証券株式会社
  • メリルリンチ日本証券株式会社
  • クレディスイス証券株式会社
  • ドイツ証券株式会社

大手コンサルティングファーム/財務系アドバイザリーファーム

FASとは、Financial Advisory Serviceの略称でDDについてもサービス提供ができます。あわせて会計や税務上のアドバイスや企業価値評価も可能で、幅広い領域に対応が可能です(ただし、独立性の立場から監査クライアントに対する提供サービスの制約があります)

  • PwCアドバイザリー合同会社
  • 株式会社KPMG FAS
  • デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社
  • EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社

独立系ファーム

FA(Financial Advisory)を専業としていることが多いため、独立した立場でアドバイスが提供できます。

  • フロンティア・マネジメント株式会社
  • GCA株式会社
  • 山田コンサルティンググループ株式会社
  • 株式会社AGSコンサルティング
  • 株式会社エスネットワークス

その他:仲介業者

M&Aの売り手と買い手の仲介を行うため、一般的には案件が成立した場合に、双方から一定の紹介手数料をも受領します。

(※図4案件タイプ別の起用例(M&A実務のすべて:中央出版社参考))

転職のチャンスはどこにある? キャリアチェンジ成功例

事例1:

大手専門商社 審査部門 → BIG4監査法人 FAS(28歳)

現職経験を活かした転職です。前職では、取引先の審査及び、自社の
企業買収予定リストアップ等をおこなっておりました。業務を行っていくうちに、
M&Aに注力した企業を考え、転職活動をいたしました。

事例2:

大手銀行 投資銀行部門 → BIG4 FAS系マネージャー(36歳)

前職は、大手銀行のM&A部門にいらっしゃいました。M&A業務に
特化したキャリアを積まれたいとのことで、FASを志望されPreM&A部門(M&Aにおける
戦略策定部門)のマネージャーにて採用されました。

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