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機械学習エンジニアとは?需要や将来性、キャリアパスを紹介!

Post Date2021-03-10 / Update-date2021-05-26 /
CategoryIT・デジタルコンサル特集

急速なAI技術の発展や企業のDX推進の動きの中で機械学習エンジニアへの注目も高まっています。一方で近年誕生した業種であることもあり具体的な業務内容やキャリアパス、将来性について正確な認識が伝わっていない場合もあります。そこで今回は機械学習エンジニアの業務内容や必要なスキルや知識などの概要についてご紹介します。

  1. 1. 機械学習エンジニアの概要
  2. 2. 機械学習エンジニアに必要なスキルや資格
  3. 3. 未経験から機械学習エンジニアになるには?
  4. 4. 機械学習エンジニアの需要と将来性
  5. 5. 機械学習エンジニアのキャリアパス
  6. 6. まとめ

1. 機械学習エンジニアの概要

機械学習とは、コンピュータプログラムにデータや条件を与えて反復して学習させることで、新たな法則を導き出したり(分類したり)、未来予測を行ったりする技術のことです。手作業では扱えない膨大な量のデータ(ビッグデータ)を高速で学習させることによって、人間の力では気が付かなかった法則なども明らかにできるというメリットがあります。

AIと似ているため混同されがちですが、機械学習はビッグデータから特徴を抽出する技術のことで、AIは人間の知能を機械で再現する取り組み全般を指します。そのため、AIを構成する技術の1つとして機械学習がある、と言うことになります。日本ではまだ聞き慣れない職種ですが、海外では「Machine Learning Engineer」としてITエンジニアの一分野として定着しており、機械学習エンジニアという名前も英名の直訳です。

機械学習にも「自然言語処理」「時系列データ解析」「画像認識」などいくつもの領域が存在します。たとえば
・「自然言語処理」を活用した例:文章の翻訳
・「時系列データ解析」を活用した例:客の動線情報から理想的な店内レイアウトを設計
などが挙げられます。

また学習はデータの与えられ方によって「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」という3種類に分かれています。

・「教師あり学習」は事前に入力と出力(答え)のデータが与えられており、それを用いて入力と出力の関係について法則性を導き出すアルゴリズムです。その法則性に基づいて任意の入力に対して予想される出力を回答します。既に決まっている出力(答え)を学ぶことから教師あり学習と言われています。
・「教師なし学習」は事前に入力のみが与えられ出力(答え)のデータは与えられておらず、自ら入力データから共通項や法則を導き出します。自ら答えを導きだすことから教師なし学習と言われています。
・「強化学習」とは既存の固定データだけではなく、自ら環境を観測し必要なデータを収集し自ら学習を進めます。

この3つのうち「教師あり学習」「教師なし学習」に関しては事前にデータを必要とします。そのため、機械学習エンジニアは事前準備としてデータ収集やデータの加工作業を行う必要があります。

機械学習エンジニアの業務内容

機械学習エンジニアは企業、クライアントの求めに応じて機械学習アルゴリズムの開発業務、実装業務を行います。
アルゴリズムの開発の段階としては
1.課題の特定
2.データの入手、蓄積
3.データを学習に適した形に加工
4.モデル選定、最適化
に分かれます。

まず企業、クライアントが抱える課題に対して、どのような解析や予測を行えば解決に導けるかという全体設計を行います。
次にアルゴリズムに必要なデータの収集を行います。使用されるデータは業界によって大きく異なっており、またアルゴリズムに必要なデータが分散して存在している場合があります。そのため形式のバラバラなデータを学習に適した形に加工する必要があり、データ収集環境構築を行う必要があります。その中にはAPI開発やバッチプログラム開発、データプレパレーション開発・運用などが含まれています。
データの収集を完了した後、試行錯誤しながら複数のモデルの中から1つに絞り込み改良を行っていきます。モデルとはデータから共通項や法則を導き、また新たな入力から答えを出す方法のことを言います。

機械学習エンジニアの案件の具体例

大手小売チェーンA社
業務内容-近年の機械開発の動向について調査分析を行い、自社販売システムを効率化するためのアルゴリズムの開発を行います。
年収 800万円〜1,400万円

インターネットサービス開発B社
業務内容-サービス、プロダクトの改善のための調査のための分析基盤の構築から、調査を元にしたアルゴリズムの実装、運用業務を行っています。
年収 500万円〜1,000万円

日系通信大手C社
業務内容-社内の既存、新規事業において機械学習を利用した製品の開発。大学研究組織やスタートアップ、ベンチャーとのコミュニケーションを担当します。
年収 600万円〜1,700万円

転職サービスD社
業務内容-Webログ、事業データの分析をもとに、転職サービスを最適化するシステムアルゴリズム開発、実装担当します。
年収 1,000万円

機械学習エンジニアの平均年収

機械学習エンジニアの年収は各案件のレベル感やポジションによって異なるため一概に言うことは出来ません。しかし企業のDX推進の動きの中で機械学習エンジニアの需要は高くなっています。そのため年収のレベル感としては他のITエンジニアに比べ比較的高い水準になっています。例えばpythonを使用した案件の平均年収はプログラミング言語の中で第3位と良い成績を誇っています。
イメージとしては年収600万円程度から始まり習熟度が高くなってくると年収1000万円を超えてくると言うことが出来ます。

機械学習エンジニア、AIエンジニア、データサイエンティストの違いは?

冒頭でAIと機械学習の違いについてご説明しましたが、ここで一度、機械学習エンジニア、AIエンジニア、データサイエンティストの違いを整理しましょう。
データサイエンティストは機械学習アルゴリズムを駆使してビジネス課題解決のための仮説提案、検証を行います。そのため機械学習を使用するユーザーの側になります。
それに対して機械学習エンジニアはシステム開発、プログラミングといったITスキルを用いて機械学習アルゴリズムを開発するエンジニア側の立場となっています。
また前述の通り機械学習はAIの中の一要素であるため、AIエンジニアの中の一職種が機械学習エンジニアだと言えます。

2. 機械学習エンジニアに必要なスキルや資格

技術的スキル

プログラミング言語に関する知識

機械学習アルゴリズム構築運用においてpython、R、SQLなどを使用します。特にpythonは機械学習アルゴリズムにおいて使用頻度が高くなっています。またデータ取得などのアルゴリズム運用段階においてデータの取得や統合に使用されるSQLへの知識も必要とします。

機械学習ライブラリ フレームワークに関する知識

機械学習は独自のライブラリやフレームワークが用いられることが多くなります。代表的なものとしては機械学習の処理を行う「TensorFlow」やデータ分析や描画の処理が含まれている「scikit-learn」などが存在しています。それぞれのフレームワークによって書き方が若干異なっているため複数のフレームワークを理解しておく必要があります。

数学や理論に関する知識

機械学習エンジニアは、アルゴリズムを開発・運用を行なっていく上で高度数学や統計学といった数学的知識や論理的思考力を必要とします。一部、サンプルコードやオープンソースを使用したアルゴリズムの場合は数学の知識は必要としませんが、自分でネットワークを構築したりパラメーター調整を行うなどのスキルを身につけるならば数学の知識は必須と言えます。

システム開発の経験

機械学習エンジニアと言っても機械開発やAIだけの知識、経験だけではなくシステム全体に関する知見が必要とされます。そのため転職の際にはこれまでのシステム開発の経験も重要視されます。

データプレパレーション等に関する知識

機械学習エンジニアの重要な業務の1つにデータの収集や加工があります。そのためAPI、バッチプログラム、データプレパレーションといったツールに関する知見も求められます。

ビジネススキル

機械学習エンジニアにはエンジニアとして機械学習への知見が求められるのは当然ですが、プロジェクトを潤滑に進めていくために様々なビジネススキルが必要とされます。専門的な知識を持たない発注者に正確に情報を伝えるためのコミュニケーション能力やプレゼンテーションの能力、またポジションによってはプロジェクトを管理するためのマネジメントスキルや経験が求められる場合があります。

機械学習エンジニアに役立つ資格

機械学習エンジニアには具体的な定義はなく、また転職にあたってこの資格を持っていることが必須である、ということもありません。とはいえ機械学習エンジニアにはAIや統計といった様々な分野の知見が必要とされるため、資格を取得することで知識の証明になります。

G検定
G検定は日本ディープラーニング協会が主催し、ディープラーニングの知識を有し、適切な活用を行う能力や知識を有しているかを検定する試験です。G検定の名前はジェネラリストの頭文字Gから取り機械学習を事業活用する人材向けです。試験範囲としてはAI、機械学習の概要からディープラーニングの応用までを幅広く扱っています。

E検定
E検定もG検定と同様に日本ディープラーニング協会が主催するエンジニア向けの資格になります。試験範囲もより専門的であり、応用数学、機械学習 深層学習の基礎、方法論等になります。

統計検定
統計検定は日本統計検定公認の統計についての知識や活用力を評価する検定です。
統計検定1級から4級まで、統計調査士、専門統計調査士、データサイエンティスト基礎など幅広い試験が存在します。機械学習エンジニアとしては統計検定ですと1級、あるいは準1級程度が評価される基準と言えます。

情報技術者試験
エンジニアとして必要なIT全般の知識を証明する情報処理者向けの国家試験検定です。基礎的な知識を必要とする基本情報技術者試験と応用的な知識を必要とする応用情報技術者試験が存在します。

3. 未経験から機械学習エンジニアになるには?

機械学習エンジニアは高度な知見を必要とするため、未経験から転職を目指す場合は前章でご説明した機械学習エンジニアに必要なスキルを獲得する必要があります。AIに関する知識については資格(あるいはそれと同等の知識)を持っていることが前提となり、プログラミングについては基礎知識について勉強した上で機械学習についての言語であるpythonなどを理解している必要があります。

機械学習の分野は他のIT職種に比べて専門的な知識が必要とされます。そのため機械学習の知識やプログラミングスキルを把握した上でデータ収集や加工のための知識やスキルも身につける必要があります。

機械学習エンジニアを目指す上での注意点

機械学習エンジニアは誕生してから比較的日が浅い業種であるため業務内容が統一されておらず、アルゴリズムの開発だけではなくデータ分析や提案といったリサーチャーやデータアナリスト分野の業務を行う場合があります。そのため転職活動の際には要件や業務内容に注意するなど情報収集をしっかりと行うことが大切です。

また機械学習の分野は現在進行系で技術革新が進んでいる分野でもあります。機械学習エンジニアとして高い知見を持っていたとしても、情報のキャッチアップを疎かにしてしまっていると最新の情報についていけなくなってしまいます。そのためビジネス、学術領域の最新情報を常に学び続けていくことが重要になってきます。

4. 機械学習エンジニアの需要と将来性

現在AI関連の業種は非常に需要が高く機械学習エンジニアも同様です。機械学習アルゴリズムは他のシステムに比べ普及率は低い状況にあり今後もその傾向は続くと考えられます。内閣府が発表している『AI技術戦略』によると2030年までにエンジニアは60万人程度が不足していくと見られています。

そのため先端IT人材が不足している状況は今後加速していき特に機械学習エンジニアの将来性は明るいという見方が存在します。一方で長期的な視点で考えるとAIが普及した後には機械学習のスキルが一般化してしまい機械学習エンジニア自体への需要は無くなってしまうという考えもあります。どちらの場合にしてもAI業界は技術発展の速い業界であり、最新のトレンドを追いかけスキルアップしていく必要があります。

5. 機械学習エンジニアのキャリアパス

現在AI人材の需要は各業界で高く、機械学習エンジニアには幅広いキャリアパスの選択肢があります。エンジニアとしての知識を活かし機械学習やAIの専門家として企業でキャリアアップしていくだけでなく、研究機関で学術研究を行い機械学習発展に貢献するというケースや、リサーチスキルやプレゼンスキルのノウハウを獲得していくことでリサーチャーやデータサイエンティストとして活躍していくという道も存在しています。

前述の通り企業の案件の中にはデータサイエンティストやリサーチャーに近い案件も存在していますので、業務の中でスキルを獲得しキャリアの幅を広げていくことも可能です。また日系企業の中だけでなく、より高い報酬の期待できる外資系企業に転職するケースや、フリーランスとして活躍したり、コンサルファームに転職してAI・機械学習コンサルタントとしてキャリアアップしていくという道も存在しています。

6. まとめ

今回は機械学習エンジニアについてご紹介しました。今後も企業のDX需要に応えるために同業種への期待は高まっていくと考えられます。ただし機械学習エンジニアの業務内容は案件によっても異なっており、各個人の能力が十分に活かせるか不確定要素が存在します。不確定要素を減らすためには、各案件内容だけでなく業務環境等も含めた様々な情報収集を行う必要があります。弊社では転職支援として無料の面談を行い、各案件の業務内容や個人ごとのキャリア設計についてもご説明を行っています。ご興味をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

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