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ITコンサルティングの代表的なテーマ紹介

Post Date2020-04-10 / Update-date2021-05-26 /
CategoryIT・デジタルコンサル特集

今やIT技術は社会になくてはならないものとなっており、ITコンサルティングが必要とされる場面も広がっています。ただし、ひとことでITコンサルティングと言ってもその役割には多様なものがあります。

ここでは、ITコンサルティングの中でも具体的にどのようなテーマ分類があるのかを取り上げ、それぞれの特徴をご紹介していきます。

  1. IT戦略コンサルティング
  2. パッケージ導入コンサルティング(ERP、CRM、SCM)
  3. デジタルコンサルティング
  4. その他ITコンサルティング(インフラコンサル、セキュリティコンサルなど)
  5. まとめ

IT戦略コンサルティング

IT戦略策定支援

IT戦略コンサルタントの役割は、クライアント企業の経営層に対して、ITに関する戦略策定やコンサルティングを行うことです。昨今ではIT技術の重要性自体は広く認知されていますが、一方でIT技術を駆使して何ができるのか、どのように経営に生かすことができるのか、という点を課題としている企業も多くあります。特にIT技術は業務フローの自動化や改善のみに使われる場合が多く、事業戦略や経営戦略レベルでのIT導入となると、知見のあるIT戦略コンサルタントの存在が必須となります。

具体的には、クライアント企業のIT活用に関する経営課題を調査し、それらを解決することが役割となります。IT戦略コンサルタントの役割はあくまで経営課題を解決することであり、そのために現在のIT活用の見直しや新たなシステムの導入や開発を提案します。既存の事業に対しての解決策を提案するだけでなく、AIやIoTといった技術を駆使した新規事業創出や、IT投資に関する支援も行います。

ITデューデリジェンス

IT戦略コンサルタントの役割の一つとしてITデューデリジェンスがあります。デューデリジェンスとはM&Aや投資取引の際に、対象となる企業について調査することです。その中でもITデューデリジェンスとは、対象の企業が所持(導入)しているシステムの有用性や重要度を見極め、統合の際のメリットやかかるコスト、リスクについて調査することを言います。

パッケージ導入コンサルティング(ERP、CRM、SCM)

パッケージソフトウェアを導入し、企業の様々な経営課題を解決します。課題解決する領域や使用するパッケージによって呼び方が変わりますが、これらのコンサルタントに共通しているのはシステム導入プロジェクトのPMO(Project Management Office)を行うということです。PMOとは組織内のそれぞれの部門や領域を横断的にサポートする構造・システムのことです。

CRM(Customer Relationship Management)コンサルティング

日本語では「顧客関係管理」などと呼ばれますが、名前の通り顧客のさまざまな情報を統合・管理する役割を果たします。情報管理の際には、CRMパッケージと呼ばれるパッケージソフトウェアをクライアント企業に導入します。CRMコンサルタントといっても領域も広く、一概に定義することは難しいですが、一番の目的は「ITを駆使して顧客から得られる利益を最大化させ、企業の競争力向上やマーケティングの最適化を図る」ということです。

そのため、ITを導入して営業の業務フローを改善することだけがCRMコンサルタントの仕事ではありません。効率的な顧客情報管理のためのシステム導入や支援ももちろん行いますが、それだけでなく顧客情報のビッグデータを分析し事業戦略を最適化させるような高次な仕事もあります。

ERP(EnterPrise Resource Planning)コンサルティング

ERPパッケージと呼ばれる社内基幹業務統合化のためのパッケージソフトウェアをクライアント企業に導入し、社内全体のアセット運用を効率化することが目的となります。

ERPパッケージとして有名なのは、ドイツのSAP社が出しているものなどです。そのため、SAP社のパッケージを用いたERPコンサルタントのことを特に、SAPコンサルタントと呼ぶこともあります。

企業ごとに組織形態は様々であるため、どういった業務フローで会社が動いているのかを分析し、ERPパッケージを企業に上手く適用させることがERPコンサルタントの役割となります。単純な業務の効率化だけでなく、クライアント企業の経営課題を理解し、その解決のために適切にERP導入をすることが重要となります。

SCM(Supply Chain Management)コンサルティング

サプライチェーン・マネジメント(Supply Chain Management)とは、企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるマネジメント手法のことを指します。原料の調達から製造、流通販売、サポートに至るまで、全体を通しての効率化を図ります。

SCMコンサルタントはSCM戦略の策定や、SCM領域におけるIT化推進などを行います。企業の抱えるサプライチェーンの課題発見やその解決のための方法を、システム導入を踏まえたあらゆる面から検討していきます。

SCMに関するより詳しい情報は以下の記事をご参照ください。
サプライチェーン・マネジメント(SCM)

デジタルコンサルティング

デジタルコンサルティングとは、デジタル化によって企業の業務改善・コスト削減や新規事業創出を推進するコンサルタントです。デジタル化とは、それまでアナログだったものや領域にデジタル技術を持ち込もうという考え方です。扱う領域によって、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションの3種類に分かれますが、まとめるとデジタルデバイスやIoT(Internet of Things)技術を駆使してこれまでの業務・事業を見直し、社内業務の自動化、リモート化や、新規事業創出などを行うことと言えます。

デジタル化についてより詳しくは以下の記事をご覧ください。
デジタルトランスフォーメーション特集① コンサルティング業界から見たデジタルトランスフォーメーションとは

ここではデジタルコンサルティングの具体的な例として2つご紹介いたします。

BCGの行うデジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーションとは、ビジネス全体がデジタル化した結果、新たなビジネスモデルが生まれるなどの大きな変革がもたらされることを言います。BCGではこれを顧客、業務プロセス、システムの3つの視点に分け、ロードマップ上に並べるというアプローチによって実現します。具体的な方法としては、ITコストの削減やIT基板の強化と言ったIT視点での変革を下支えとして、ビジネスモデル変革や顧客体験高度化と言ったビジネス視点での変革を推し進めます。

詳しくは以下の記事をご参照ください。
BCGの行うデジタルトランスフォーメーションとその人材_デジタルBCGとBCGデジタルベンチャーズ

マッキンゼーの行うデジタルトランスフォーメーション(デジタル・マッキンゼー)

マッキンゼーのデジタル特化チーム「デジタル・マッキンゼー」では、他のコンサルタントと同様に、経営層の抱える課題を洗い出し、戦略立案や既存事業の見直し・デジタル技術による新規事業創出を行います。マッキンゼーが特に大事していることは「デジタル技術によって企業全体を変革する」ということです。そのため、IT技術を活用した業務改革やコスト削減といった領域に留まらず、既存の事業、ビジネスモデルを見直し全く新しいものにする、といったディスラプティブな改革も行います。

詳しくは以下の記事をご参照ください。
マッキンゼーの行うデジタルトランスフォーメーションと担う人材(デジタル・マッキンゼー) 

 

以下ではこれらのデジタルコンサルティングに関係することがらをご紹介いたします。

データドリブンマーケティング

デジタルコンサルティングの手法のひとつとしてデジタルドリブンマーケティングというものがあります。顧客から得られる詳細な情報を基に、マーケティングや製品戦略を考えていこうというものです。デジタルデバイスが普及し顧客の詳細なデータを得る機会が増えた現在では、顧客の嗜好を理解して製品開発や戦略を考える必要があります。またライフスタイルや嗜好性も多様化しており、ターゲットとなる顧客の層を細かく切り取ってマーケティングしていくことも重要となります。

具体的な手順としては、達成すべき目標・戦略を考え、そのために必要なデータを収集・分析するという流れになります。事業会社の陥りがちなケースに社内データをデジタルに繋ぐことを優先的に行ってしまうというものがありますが、それではコストに対し成果が出にくくなってしまいます。データドリブンマーケティングにおいては、ビジネス/データの両面から事業やマーケティングを考えてアジャイルに回していくことが重要となります。

より詳しくは以下の記事をご覧ください。
データドリブンマーケティングとコンサルティングファーム

データサイエンティスト

昨今ではデータサイエンティストという言葉を耳にする機会も多いと思います。データサイエンティストの役割は、データの分析とそれに基づいた経営視点での提言です。コンサルタントとともにプロジェクトにアサインされます。上記でご説明したようなデジタルコンサルティングの需要が高まるなか、複雑化するデータを分析して有効な戦略の立てられるデータサイエンティストの需要は非常に高まっています。

データの分析のみが役割だと考えられがちですが、ビジネス面の視点からも併せて考えることが求められます。具体的には、仮説を立て、データ収集・分析を行い、課題解決のための戦略を提言します。そのためエンジニアとしてのスキルだけでなく、クライアント企業の組織内部や業界に対する知見などのビジネススキルも重要となります。

詳細は以下の記事をご覧ください。
コンサルティングファームにおけるデータサイエンティストの役割

その他ITコンサルティング(インフラコンサル、セキュリティコンサルなど)

上記で紹介したほかにも様々なITコンサルティングが存在します。
例えばITの基盤となるインフラの整備について戦略や方針を考えるインフラコンサルティングや、ITシステムの保守・運用を外からサポートしつつ新たな利用方針についても提言するアウトソーシング(外部委託)コンサルティング、IT運用の情報管理をサポートするセキュリティコンサルティングなどがあります。

インフラコンサルティング

企業にアプリケーションを導入するためには、実現するためのインフラの整備が必要となります。具体的にはネットワーク環境の整備や多量のデータを扱えるサーバー、データを管理できるデータベースなどです。こうしたIT技術導入のためのインフラの整備を担当するのがインフラコンサルティングです。

近年では技術の進歩に伴い扱うデータ量が爆発的に増えたため、非常に大きな情報量に耐えうるインフラを用意する必要があります。インフラコンサルティングでは、導入するアプリやシステムを理解し、コストや要求性能と照らし合わせて目的を達成できるインフラを用意することが必要となります。

インフラ系SEのITコンサルタントへのキャリアパス

アウトソーシングコンサルティング

ITシステムを導入した企業が、その保守・運用を外部に委託することをアウトソーシングといいます。アウトソーシングコンサルティングは、システムの保守・運用を行う中でクライアント企業にとってさらによい運用方法を考えることが重要となります。業界の情勢や企業の経営状態によって適切なシステム運用の仕方は変わります。IT技術を導入して終わりではなく、長くサポートしていくというのがアウトソーシングコンサルティングの特徴といえます。

セキュリティコンサルティング

名前の通りITシステム導入に際してセキュリティ課題を解決します。企業によって扱う情報やアプリケーションは様々であり、目的に合った適切なセキュリティシステムを導入することが求められます。また、導入だけでなく運用に際して柔軟に対応していくことも重要となります。情報技術が日々進化し複雑化する中で、それらに合わせたセキュリティ戦略を考え、提案していくことが求められます。

その他ITコンサルティング

多様なITコンサルタントの種類がありますが、必ずしも全く異なった仕事内容というわけではありません。コンサルティングする領域や手法、クライアント企業のニーズに対する方法によって呼び方は異なってきます。各企業がどのようなプロジェクトを行っているのか、どのような点を強みとしているのかを見極めることも重要となります。

まとめ

ITコンサルティングの様々なプロジェクトテーマについてご紹介しました。なお、コンサルティングに携わるITコンサルタントはあくまでコンサルタントであり、システム導入を実際に実行するシステムエンジニア(SE)とは異なります。ITに関する知識と、経営戦略を考えるコンサルタントとしての思考力がともに要求される役職と言えます。

ITコンサルタントの具体的な仕事内容やSEとの違いなどについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
ITコンサルタントの仕事内容
SEからITコンサルタントへの道

またIT・デジタルコンサルに関するその他の特集記事に関しましても、以下よりぜひご覧ください。
IT・デジタルコンサル特集

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