【徹底解説】製造業出身のコンサルタントとは？仕事内容やメリット、必要なスキルなどを紹介！！

製造業から転職を考える理由としては、以下のような理由が挙げられます。

キャリアの見通せることによるやりがいの低下

製造業の業界では、メーカーによっては年功序列の文化などがあるメーカーも多く存在するため、キャリアの見通しが良くも悪くも立ちやすくなっています。スキルを高めていきたい、あるいは成果に対して横並びであるが故に正当な評価を受けれていないと感じる人などは、制度面でのやりがいの低下が転職の理由となることがあります。

身につくスキルの汎用性の低さ

製造業で働く場合、配属に応じて専門的なスキルが身に付きますが、スキルによっては汎用性が低いと捉えられるものもあり、そのことによる今後のキャリアへの不安から転職を検討するケースもあります。また、身につくスキルが自分の望んだものでないというケースも考えられるでしょう。より応用のきくスキルを身につけようと転職を考える場合もあります。

就業環境の厳しさ

どの業界でもあり得ることですが、就業時間や労働環境も製造業においての転職理由として当てはまります。もちろんメーカーによって差はありますが、ハードに働いたからといって必ずしも収入面に結びつかない場合も少なくありません。

企業体制への疑問

メーカーの場合、歴史のある企業が多く、悪くいうと旧態依然とした企業風土である場合も少なくありません。そういった風土を変えようと奮闘するも、個人が影響を及ぼせる範囲に限界を感じ、活躍の場を移すこともあります。

メーカーからの転職として、まず選択肢として挙げられるのが他のメーカーへの転職でしょう。この選択肢はどうなのでしょうか。結論から述べると、必ずしもうまくいくとは限らないようです。メーカーでは専門性の高いスキルが求められる場合が多く、そのため転職をしたとしても、これまでの経験を活かした、同じような業務につく場合が多いからです。その場での収入を改善したい、あるいは人間関係に問題を抱えて転職するような場合には改善がみられる場合がありますが、高いスキルを身に付けたい、成果が認められる環境で働きたい、古い組織風土から抜け出したいといった理由から転職した場合にはメーカーへの転職は必ずしも良い選択肢ではありません。
そこで、後者のような理由での転職先としてお勧めなのが、製造業コンサルタントです。メーカーから転職して製造業コンサルタントになることで、前職での経験を活かして、新たなキャリアに挑戦することができます。

製造業コンサルタントとは、製造企業に対してコンサルティングを行うコンサルタントのことです。製造企業の製造効率の改善や管理状況の改善などによる業務効率化を始めとし、製造企業が抱える様々な課題の解決を、コンサルティングを通じて行います。

ここでは、より具体的な製造業コンサルタントのサービス内容を見ていきます。製造業コンサルタントのサービス内容は、大きく現場に対する働きかけと経営に対する働きかけに分かれます。現場に対しては、製造効率の改善や管理状況の改善などによる業務効率化のために、ITの導入やオペレーションのシステムの変更を検討します。経営に対しては、市場の分析を行い、国内での消費や海外への輸出量などに関する検討や、製品のラインナップに関する検討などを行います。
また、これらのサービスを行う製造業コンサルタントの一日がどのようであるかについては参考に記載のリンク先に、実際に製造業から転職してコンサルタントになった方の事例を用いて紹介しておりますので、参考にしてみてください。

《参考》
▶コンサルタントの1日

製造業では役割分担がはっきりとしていることが多く、業務内容としてはメーカーの業務全体の一部を担うことがほとんどです。一方で、製造業コンサルタントの場合は、その業務内容からもわかるように、業務全体、ないしある程度大きな括りに対して働きかけを行います。このことから、業務体制の変更といった一メーカー社員ではできないようなことが実現可能な一方で、実施したコンサルティングに対する成果も強く求められるといえます。

1.製造業での勤務経験を活かして働くことができる

製造業コンサルタントとしてメーカーにコンサルティングを行うにあたって、現場目線に立つことができることや、メーカーの業務の流れを理解していることは有利に働きます。そのため、クライアントからの信頼も製造業での勤務経験者のコンサルタントの方が得やすくなっており、製造業コンサルファームとしてもメーカー出身者を多く採用する傾向にあります。

2.給与水準が高い

メーカーと比較した際の製造業コンサルタントの給与水準の高さもメリットといえます。
製造業コンサルタントを含むコンサルティング業界は、その求められる能力の高さ、そして業界の性質上、大きな設備投資が不要であり、社員の人件費に多くを投資できることから、給与水準が高くなっています。
ただし、コンサルティング業界では実力に基づいて給与が確定することが多く、メーカー勤務より給与が不安定とも捉えられます。そのため必ず収入が高くなる言い切れません。

3.高いスキルと貴重な経験を得ることができる

コンサルティングを実施していくうえで、ロジカルシンキング、コミュニケーションスキルなどの基礎的なスキルは必要不可欠です。そのため、コンサルティング業界で働く過程にて、このような汎用性の高いスキルを身に着けることができます。
また、製造業コンサルタントとして製造業に関わる際には、メーカーの経営陣に対してコンサルティングを実施することとなるため、経営者の思考に触れることができます。そして、扱うプロジェクトの規模もクライアントにとっては数年に一度の大改革であることも珍しくなく、大規模なプロジェクトに参画する貴重な機会が得られます。

やりがい

先述の通り、製造業コンサルタントは一メーカー社員では難しいような変革をメーカーにもたらすことができます。その変革が機能し、業務効率化等が達成された際には大きなやりがいを感じることができるでしょう。場合によってはその変革がニュース等で取り上げられる事もあるでしょう。そして、達成したことでクライアントから感謝される瞬間やその過程で得られる知識や経験もやりがいへと繋がります。
また、メーカー社員のやりがいとしては、一般的には自社製品を通じた社会貢献が多くあげられる一方で、製造業コンサルタントはメーカーの業務体制や経営に対してアプローチすることで、社会貢献をすることにやりがいを感じているとも言えます。

大変さ

製造業コンサルタントは扱うプロジェクトの内容によって、他のコンサルタント同様激務を強いられることもあります。特にプロジェクトの初期の時期はインプットに追われ、終盤はまとめの作業に追われ激務となることが多いです。
コンサルタントが激務となってしまう理由としては、必ず成果をあげクライアントの期待に応えなければいけないという事があげられます。このためには資料作成やミーティング、クライアント企業についての勉強など、人の知的労働力を必要とする作業が多く必然的にコンサルタントの活動量は多くなります。ただし、それに見合う高額な給与をクライアントから支払われているのも事実であり、プロフェッショナルとしての仕事ともいえるでしょう。また、激務が強調されることの多いコンサル業界においても働き方改革は進んでおり、一昔前に比べると激務度は下がっているといわれます。

製造業コンサルタントになることは、今後のキャリアの幅を広げることにも繋がります。ここでは、製造業コンサルタントのキャリアパスを３つ紹介します。

1.コンサルタントとしてキャリアアップを目指す

コンサルティング業界にもアナリスト、コンサルタント、マネージャー、パートナーといった職位が存在します。パートナーはコンサルティングファームの経営を担っており、実際になれるのはほんの一部のコンサルタントのみですが、そこを目指してファームに残り続けることが一つのキャリアパスとして挙げられます。また、コンサルティングファーム間で転職し、別のコンサルティングファームにてキャリアアップを目指すのも一つのキャリアパスとして挙げられるでしょう。

2.メーカーに再就職する

メーカーに戻り、再就職することも一つのキャリアパスとして挙げられます。もちろん再び技術職に戻ることも選択肢として挙げられますが、この際にはコンサルタントとして得た経験を活かして、経営に関する部署へと転職する人も多く見受けられます。
製造業コンサルタントとして得たスキルと経験はこのような形でも発揮される可能性があり、一度製造業コンサルタントになることは製造業内においても新たなキャリアパスを生むことにつながるといえます。

3.起業する

コンサルタントとして培ったスキルを活かして起業することも一つの選択肢です。コンサルタントとして働く過程では、コミュニケーションスキル、ロジカルシンキング、仮説思考といった基礎スキルを得ることにより、経営者としての能力が備わる場合もあります。大企業とベンチャーの経営課題は異なることなどには注意する必要がありますが、コンサルタントとしての経験は起業した先においても有利に働くといえるでしょう。
また、フリーのコンサルタントとして独立するのも一つの手です。多くのコンサルタントがフリーランスとして活躍しています。

ここでは、製造業コンサルタントへ転職する際のキャリアパスについて、具体的な事例を紹介していきたいと思います。

事例１：

Before 自動車部品メーカー 生産技術職
After 株式会社経営共創基盤 製造業向け戦略コンサルタント
前職では、自動車部品メーカーで生産設備の仕様策定から設計や業務プロセスの改善に携わっていました。ただし、製造業の課題解決に対して戦略立案から実行まで一気通貫で携わりたいと思ったのをきっかけに、転職を志し、製造業向け戦略コンサルタントへの転職に成功しました。
（参考：生産技術職から株式会社経営共創基盤 製造業向け戦略コンサルタントへ）

事例２：

Before 自動車部品メーカー
After PwCコンサルティング合同会社 製造業向け経営コンサルタント
前職では、大手自動車部品メーカーにてプロジェクトマネジメント・生産管理をしていました。より広い視野にてモノづくり全体に携わりたいと考えたときに、前職より製造業コンサルタントのほうが、キャリアプランが立つと判断し、転職を志し、製造業向け経営コンサルタントへの転職に成功しました。
（参考：自動車部品メーカーからPwCコンサルティング合同会社の製造業向け経営コンサルタントへ）

事例３：

Before 大手ハイテクメーカー
After 株式会社クニエの製造業向けコンサルタント
前職では、大手ハイテクメーカーにて、新製品の設計開発に従事しておりました。自分の関わる領域を広げていきたいという考えのもと、前職業務の区切りが良いタイミングで、次に取り組みたい仕事を社内・社外含めて検討していました。課題を発見・解決していく点に魅力を感じ、関わる領域を広げるという観点からもマッチすることからコンサルティングファームでの仕事をしたいと志し、メーカーから製造業コンサルタントへの転職に成功しました。
（参考：大手ハイテクメーカーから株式会社クニエの製造業コンサルタントへ）

事例４：

Before 素材メーカー 経理・財務職
After PwCコンサルティング合同会社 製造業向け経営コンサルタント
前職では、素材メーカーにて、設備投資・事業投資の企画と採算性評価の仕事をしていました。採算性評価・実行判断を通じて変革を推進してきた経験を活かして、より活躍できる業界としてコンサルティング業界に興味を持つようになり、転職を志すようになりました。そして、給与水準としても向上を図ることができるPwCコンサルティング合同会社 製造業向け経営コンサルタントへの転職に成功しました。
（参考：素材メーカーの経理・財務職からPwCコンサルティング合同会社の製造業向け経営コンサルタントへ）

結論から述べますと、製造業コンサルタントの需要は高く、今後も高まることが予想されます。
そもそもコンサルティング業界全体が、Withコロナ、Afterコロナを反映したDXやSDGs関連の案件のニーズの高まりによって需要が高まっています。これは製造業コンサルタントのニーズにも影響を与えており、DX推進等をふまえて、メーカーの業務改善や市場の分析などにおける製造業コンサルティングの重要性は高まっています。

需要の増加を踏まえ、転職市場としても高い求人水準となることが予想されます。転職市場として、何らかの活かすことができる専門的な経験を持った人材を高く評価する傾向にあるため、製造業に勤務経験のある人材の価値は高いでしょう。
また、製造業に勤務経験がなくとも、DX推進の経験や、別種のコンサルタントとしての経験がある人材の採用数も多いと言えます。製造業の業界においてもDX推進を始めとしたコンサルタントのニーズの高まりによって、ますますコンサルティングファームのメーカー出身者の採用熱は高まることになりそうです。

他の業界と比較して、コンサルティング業界は年収が高くなる傾向にあります。

コンサルティング業界は実力主義であることが多くなっています。そのため年齢に関係なく役職に就くことが可能であり、評価に応じて年収が上がっていきます。

そういったことから製造業出身の方が正当な評価を求めてコンサルティング業界への転職を決意する方が多くいらっしゃいます。製造業コンサルタントの年収を紹介することは難しいですが、製造業チームを有する総合コンサルティングファームを一例にして年収を紹介すると、パートナーの役職にまで就くことになると年収2000万円以上になる可能性も夢ではありません。

このように、より高い年収を求めて自動車業界や化学業界などの製造業からコンサルティング業界へと転職をしようとする方々が多いといった印象です。

製造業に関する知識や経験

先述の通り、製造業コンサルタントにはメーカーにコンサルティングを行うにあたって、現場目線に立つことができることや、メーカーの業務の流れを理解していることが求められます。クライアントからの信頼も製造業での勤務経験者のコンサルタントの方が得やすくなっているため、製造業コンサルファームとしてもコンサル出身者よりもメーカー出身者を求めるケースも珍しくありません。そのため、製造業に関する知識や経験を有していることが望ましいといえるでしょう。

コンサルタントとして必要な基礎スキル

コンサルタントは知的労働力への依存度が高い産業であるため、下記のような基礎的なスキルが前提として求められます。

1.論理的思考力（ロジカルシンキング）

コンサルタントにとって非常に重要なスキルの1つです。論理的思考力とは、言い換えれば複雑な問題を簡単な要素に分解・分析して考える能力です。
コンサルタントに論理的思考力が求められる理由は、未知の課題に対して解決策を模索していく仕事であるためです。未知の課題である以上、決まりきったやり方があるわけではありません。そうした中でもコンサルタントは安定して成果を出すことが求められるため、常に客観的なデータを根拠に進めていくことが求められます。客観的なデータを根拠にするためには、複雑に絡み合った無数のデータから必要なものを抽出し、それらを整理・分析して因果関係を正しく導く必要があり、このプロセス全体に必要なのが論理的思考力になります。勘や経験に頼らず誰でも理解できる客観的な根拠を示すことで、クライアント側も安心し、納得感をもって課題に取り組むことができます。

2.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力はコンサルタントにとって非常に重要です。コンサルタントは様々な職種、立場の人と共に仕事をするため、それぞれに性格が違うのはもちろんのこと、基本的な考え方や扱う言葉にもギャップがあります。そのため、単に他者と良好な関係を築けるかどうかだけでなく、勘違いやすれ違いが生まれないよう、相手の意図を正確に読み取りこちらの意図を正確に伝える能力が必要になります。
また、プレゼンテーション等で、場合によっては大企業の役員クラスを納得させるような力も必要で、コミュニケーション能力を駆使して合意形成しながらプロジェクトを確実に前に進めなければなりません。

3.身体的・精神的な強さ

コンサルタントには身体的な強さと精神的な強さの両方が必要です。
まず身体的な強さについて、コンサルティング業界にはクライアントファーストという言葉もあるように、コンサルタントは基本的にクライアントに合わせて動くことが求められます。そのため、プロジェクト稼働中は、いつでも仕事に臨めるように健康で快活な状態を維持し続けることが重要になります。つまり体調管理もコンサルタントの仕事の1つと言えます。もちろん誰しも体調を崩してしまうことはあるため、その際にはすばやく連絡を入れて適切な対応を取ることが重要です。
次に精神的な強さについて、コンサルタントは企業からの依頼になんとしても応えなければならない職業であり、大きなプレッシャーがかかる場面が何度もあります。そうした際に、プレッシャーに押し潰されることなく、自身の成長の機会であると前向きにとらえて積極的に取り組んでいける精神的な強さが必要になります。また、忙しさの中でも自身を律して安定したパフォーマンスを発揮できる精神力も重要です。

求人例

【世界最大級の外資系総合コンサルファーム】【自動車業界向け】ビジネスコンサルタント

【職務概要】

・グローバル自動車会社での新規事業戦略策定・実行支援

・グローバル自動車会社の業務/システム改革の計画策定・実行支援　等

【応募における必須要件】

・自動車会社での新規事業立ち上げ・業務上でのマネジメント経験

・グローバルコンサルティングファームでの経験

・自動車会社に関しての知見・経験

【勤務地】

・東京

【年収】

年収：500万～2000万円以上

【職位について】

・コンサルタント                 ：600～750万円

・シニアコンサルタント    ：750～1000万円

・マネージャー　　　　  ：1000～1300万円

・シニマネージャー　　   ：1300～1600万円

・パートナー　　　　　  ：1600万円～

採用選考では、まず、ここまで述べてきたような製造業に関する知識や経験、基礎スキルがみられます。書類選考や面接の段階で、それらのスキルや経験を論理的にわかりやすく伝えられるように準備しましょう。採用担当は、伝え方からもコミュニケーションスキルやロジカルシンキングの力を判断しています。
特にロジカルシンキングについては、ケース面接と呼ばれる面接によって試される場合があります。ケース面接については下記のリンクを参照下さい。
また、コンサルティングを仕事にしたい理由や当該企業の志望理由を、独自性をもって明示することも重要です。その際には、説得力の高い志望理由を示すことを意識しましょう。例えば、製造業での勤務経験を示す際には、それをどのように活かして当該企業に貢献するのかを抽象的にではなく具体的に示すことで、一段階説得力の高い志望理由となります。

《参考》
▶戦略コンサルティングファームを目指すケース面接対策
▶コンサルに転職する志望動機の書き方と例文〇選 NG例もご紹介

エグゼクティブリンクではこれまでに多くの方の製造業コンサルタントへの転職を支援させていただいております。コンサルティング業界に特化しているからこそできる、書類作成支援からファーム毎の面接対策まで、内定の可能性を最大限に高めるきめ細やかなサービスに自信を持っております。また、製造業コンサルタントを擁する多くのコンサルティングファームとコネクションを持っており、多くの非公開求人も有しております。こうした蓄積によって得られた転職ノウハウを活かして、皆様の転職を支援させていただきますので、製造業コンサルタントへの転職をお考えの方は、是非ご相談ください。
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今回は、製造業コンサルタントについて、その基本事項を説明し、製造業従事者からコンサルタントに転職するという観点から紹介していきました。製造業で働くこととの違いや、転職するにあたってのメリットやキャリアパスに対して理解が深まっていれば幸いです。
今後も製造業コンサルタントのニーズは高まっていくことが予想されています。是非今回紹介した内容を、製造業から転職してコンサルタントを目指す際の参考にしてみてください。

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