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自動車インダストリー

Post Date2017-12-03 /
Categoryインダストリー別特集

業界トピックス

自動車業界のグローバルトレンド

2019年のKPMGグローバル自動車業界調査によると、2030年までの自動車業界の主要トレンドは「コネクティッドカー技術」、「パワートレーン技術」で、マーケットでは、「MaaS」や「モビリティエコシステム」についての重要性は唱えられているものの、相対的には上位には上がっていない。

(参照: KPMG Global Automotive Executive Survey 2019

特にモビリティサービスに関しては、グローバルと日本とのエグゼクティブの関心に差があり、「コネクティッドカー技術」、「MaaS」、「モビリティエコシステムの理解」について、約20%の開きがある。

(参照: KPMG Global Automotive Executive Survey 2019

将来の市場シェア予測

今後5年間でトヨタ自動車が、世界的シェアが増加すると予測されているメーカーとして考えられている。2位にBMW、3位以下でテスラモーターズ、フォルクスワーゲングループ、ダイムラー・メルセデスベンツと続いている。
10位以内の自動車メーカーの顔ぶれに変わりはないが、コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化などの技術革新によってクルマの概念が大きく変わり、競争相手もルールも変化しているため、今後の自動車メーカーの構図が大きく変わる可能性もある。

トヨタ自動車は、「従来のクルマをつくる会社からモビリティ・カンパニーにモデルチェンジする」ことを宣言し、CASE* を意識した事業展開を進めている。

(CASE* :Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語。2016年のパリモーターショーで、ダイムラーAG・CEO/メルセデス・ベンツの会長を務めるディエター・チェッチェ氏が発表した中長期戦略の中で用いたのが始まり。
同社は、2018年9月にソフトバンクとの共同出資会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」を設立。2019年3月に本田技研工業、日野自動車と資本・業務提携。)

トヨタ自動車のインターネットにつながるコネクティッドカーの情報基盤「モビリティサービスプラットフォーム」と、ソフトバンクのスマートフォンやセンサーデバイスなどからのデータを収集・分析する「IoTプラットフォーム」を連携させている。人流データと車両データを掛け合わせ、需給を最適化させるシステムを構築し、移動、物流、医療、飲食、空間提供等のサービス事業者との連携し、社会課題の解決や新たな価値創造を目指している。

クルマのデジタル化

Connected(コネクテッド)

ICT端末としての機能を有するコネクテッドカーは、車両の状態や周囲の道路状況などの様々なデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析することで、新たな価値を生み出す「つながるクルマ」を指している。通信機能を生かすことで、エンターテインメントをはじめ、様々なサービス展開が予想されている。

デジタル変革に伴い、コネクティッドカーに代表されるモノのインターネット化(IoT)が進み、都市、物理インフラ、小売業、保険など幅広い分野と連動した新たな世界が広がりを見せている。ビックデータやアナリティクス、センサー、クラウド・コンピューティングなどの主要なIoTの技術トレンドは、「車両の所有」「車両データ」「車内エクスペリエンス」の3つのカテゴリにおいて変革をもたらしている。
例えば、車両データを活用した事例としては、走行履歴に応じた自動車保険料の設定や、車両診断および予測・予防保守に関するデジタルサービスが挙げられる。また、車内セクスペリエンスでは、「Apple CarPlay」や「Android Auto」などのインフォテインメント、コマースサービスではAmazonのバーチャルアシスタント「Alexa」など、アップデート可能なシステムが搭載されるようになり、利用者のプロフィールに合わせて、好みの設定やアプリが自動で提供される時代がきている。

コネクティッドに関わる取り組みとしては、国内では下記のように各社動きをみせている。

  • トヨタ自動車:2018年6月の新車発売を機にコネクテッドサービス「T‐Connect」を本格スタート。今後国内で発売するほぼ全ての乗用車にDCM(車載通信機)を搭載してコネクテッド化を加速させる方針。
  • 日産自動車:米マイクロソフトとの提携のもと「Nissan Connect」サービスを展開。スマートフォンとの連動機能などが特徴。
  • スバル:コネクトサービス「STARLINK(スターリンク)」について、日本や北米などの主要市場で2022年までに8割以上の新車をコネクテッドカーにする目標を据えている。
  • マツダ:「安心・安全」「ドライビングインテリジェンス」「アミューズメント」をコンセプトに据えたコネクテッドサービス「G-BOOK ALPHA」を提供しており、トヨタとのアライアンスを最大限活用していく方針。
  • ホンダ:ソフトバンクとの提携のもと研究開発強化を図っており、2018年度からコネクテッドサービスの展開に向けた体制の構築をはじめとする部署の新設や再編を行う方向。
  • 通信事業者:ソフトバンクのほか、通信プラットフォームの構築をはじめとした技術開発や標準化に向け、NTTやKDDIもトヨタと協業。NTTドコモは部品サプライヤーの仏ヴァレオグループとコネクテッドカービジネスのサービス開発や展開において協業することを2018年4月に発表。

一方、海外でも独BMWとダイムラー、アウディの3社が、通信機器メーカーや半導体メーカーなどと5Gを使ったコネクテッドカー関連サービスの開発で提携するなどさまざまな動きを見せている。

Autonomous(自動運転)

自動車メーカー各社が自動運転レベル2かそれに近い技術をすでに導入済みで、独アウディ、米ゼネラル・モーターズ(GM)の上位車種では自動運転レベル3(条件付き運転自動化)相当の技術が搭載されている。しかし、法整備などの環境が整わず実質的にレベル2(部分運転自動化)技術の運用に留まっているのが現象。国内では、トヨタ・日産が自動運転レベル3の実現時期を2020年に設定している状況だ。

  • 自動運転レベル4(高度運転自動化):移動サービスの分野で2020年までに限定地域における無人自動運転サービスの実現、2025年を目処に高速道路におけるレベル4の実現を目指している。
  • 自動運転レベル5(完全運転自動化):本格的な運用は2030年代に入ってからとの見方が強い。

乗用車だけではなく、トラック業界でも自動運転化の流れは強く、まず高速道路における完全自動運転の実現を目指しており、長距離輸送が多いトラック業界で自動運転の導入が進めば、長時間労働や人手不足の問題が大きく改善が見込める。日本国内では日野自動車や三菱ふそう、いすゞなど大手が軒並み自動運転技術の開発に取り組んでいる。

また、自動車メーカーだけでなく、Googleをはじめ、海外ではApple、Microsoft、IntelなどのIT企業、Amazon、百度(バイドゥ)などのEC企業、配車サービスのUberやLyft、国内では、DeNA、SoftBankなどのICT企業の自動運転車開発に関わる取り組みが活発化している。

Microsoftはトヨタコネクティッドへ出資、Googleはフィアット・クライスラー・オートモービルズ、Amazonはフォード、IntelはBMWと提携を進めている。また、百度は自動運転の開発連合「アポロ計画」を始動し、フォード、ダイムラー、MicrosoftやIntelなど自動車やITの世界の大手企業約50社がプロジェクトに参画している。同プロジェクトでは2020年までに完全自動走行を目指し、人工知能(AI)を活用した世界規模での取り組みを行っている。
一方で米テスラとイスラエルのモービルアイが2016年に決裂した例もあり、今後しばらくは業界の構図が変わり続けると同時に、一定のグループ・アライアンス化による再編も進むものと思われる。

(参考:BCG:自動運転市場の将来予測

部分自動運転は 2017年、完全自動運転は 2025年に市場への導入が開始され、条件が整えば、2025年の自動運転車の販売台数は世界で1,400万台超になると見込んでいる。また、コストが順調に低減すれば、2035年には自動運転車のシェアは世界の新車販売台数の25%に達すると予測されている。

Shared & Services(カーシェアリングとサービス)

ライドシェア分野では、ソフトバンクが米ウーバー・テクノロジーズ、中国ディディ、シンガポールのグラブ、インドのオラなど大手のライドシェア各社に出資して筆頭株主になっており、世界戦略を進めており、カーシェア、ライドシェア、配車サービス、ロボットタクシーなどの「モビリティサービス」の新市場が堅調な伸びをみせている。2025年にはモビリティサービスの総移動距離は1.4兆人キロに達すると言われており、世界の総移動距離の6%に相当し、市場として大きなポテンシャルを秘めている。

ライドシェアに慎重な日本国内においては、タクシーの配車サービス事業が熱を帯びている。ソフトバンクとディディ、ウーバーが配車アプリを展開しているほか、DeNA(ディーエヌエー)もAI(人工知能)を活用したタクシー配車アプリの拡大を図っている。

自動車メーカーでは、GMなどが無人タクシーの開発を進めており、2019年にもサービス開始する予定。米Waymoや日本のZMPなども同様に無人タクシーの開発を進めているほか、自動運転による移動コンビニやホテル、レンタルルームなどといったさまざまなコンセプトも出現しており、自動運転車両を用いたサービス事業の展開が今後次々と誕生するものと思われる。
トヨタ自動車は配車サービスのUberと提携・出資、ゼネラルモーターズ(GM)はライドシェアのLyftへ提携・出資、カーシェアリングのSidecarを買収、フォルクスワーゲンはライドシェアのGett(UK)へ出資するなど、大手自動車メーカーとベンチャー企業によるモビリティサービスの実現が進められている。

Electric(電気自動車)

欧州を筆頭にEV(電気自動車)熱が高まっており、ノルウェーが2025年以降はEVとハイブリッド車のみ販売を許可する方針、フランスが2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出すなど、国家レベルでEV化を促進している。
欧州以外でもEV化がトレンドとなっており、大半の自動車メーカーがEV開発・実用化を2020年代にかけて大幅に拡大していくことが予想される。

上記の流れを受け、米テスラに電池を供給しているパナソニックなど燃料電池供給企業にとっては大きな商機となり、現在主流となっているリチウムイオンに代わる高容量、小型化、安全性を備えた新電池の開発が業績を向上させる鍵となっている。

EVや燃料電池開発では、中国勢の台頭も著しく、車載電池中国最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は、独BMWから数千億円分の発注を受けるなど車載電池分野でパナソニックと肩を並べる位置まで急成長を遂げている。

M&A・業務提携の活発化

自動運転や環境対応など新技術の開発負担の増加や競争の激化により、日本の自動車メーカーに再編、業務提携の波が押し寄せている。

リーマンショック後にクライスラー、GMの経営破綻をきっかけに、新たな合従連衡の動きが出ている。日産とルノーの提携を筆頭に、BMWがロールスロイスとミニを傘下に収め、フォルクスワーゲンはポルシェ、アウディ、ベントレー、ランボルギーニなどをグループに加え、クロスボーダーのM&Aが後を立たない。次世代自動車技術の研究開発の加速はもちろん、知的財産の共有により新車開発のスピードアップや新興市場の確保、またプラットフォームの共通化によるコストダウンを目的に買収や業務提携が進められている。

国内では、2016年日産自動車が三菱自動車を傘下に加え、日産・ルノー連合に三菱自を合わせると計959万台となり、トップのトヨタ自動車(1015万台)や2位のフォルクスワーゲン(993万台)、3位のゼネラル・モーターズ(984万台)に迫る規模となる。今後、自動車業界の生き残りをかけた競争は、トヨタ、GM、フォルクスワーゲン、日産・ルノーグループの4強を軸に再編が進む可能性が高い。

一方、次世代自動車分野では、テスラモーターズのようなベンチャーの台頭や、グーグルによる自動運転システムの開発など業界の枠を超えた動きが加速しており、新技術の開発分野で大手IT企業と自動車メーカーとの提携が進んでいる。次世代自動車分野においては、今後も予想外の資本提携やM&Aが起きる可能性も高く、10年先の自動車業界の構図は大きく変貌を遂げるかもしれない。

上記トピックスのようなケースで求められるコンサルタントの主な役割

①業界構造変化の先読みと対応戦略

新興国市場の本格拡大、次世代自動車や燃費改善技術の進展、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転などの技術革新、燃費規制の厳格化、新興国の自動車産業政策のブロック化など、メガトレンドを踏まえ、自動車産業の持続的成長のためのコミットメントを行います。

中長期的な環境変化を見据えた、競争戦略、商品・技術戦略、地域戦略の策定など、自動車業界全体のトレンドを先読みし、各レイヤー企業のビジネス/オペレーションモデルに対する経験と理解が求められています。

②ビッグデータ活用戦略

デジタル化に対応すべく、「コネクテッドサービス」や「自動運転」などの新しいテーマに顧客やバリューチェーン上のデータをいかに商品・サービス開発に活用するかが重要となっています。
製品価値向上、顧客経験価値強化、業務効率化・コスト削減、生産革新、事業革新など、ビッグデータの活用用途を定義し、データ活用を下支えする『人・プロセス・テクノロジー・戦略/ガバナンス』の各領域における自社及び競合他社の成熟度の把握を行います。

これらを自社が取るべきビジネス上の差別化戦略と照らし合わせることにより、重点的に取り組むべき領域を的確に見極め、競争優位性を築く戦略立案を行います。

③Pre M&A、PMI(経営統合)

M&A戦略策定

経営戦略を実現する手段としてM&Aを採用する際に、自社の事業の強み・弱みや自社を取り巻く外部環境を分析し、事業のどの領域を補完・強化していくべきか、またどのようにその戦略を実行していくべきかを検討し、M&A戦略を立案することを支援します。さらにM&A対象会社に求める要件を洗い出し、今後のM&A実行計画を策定します。

ビジネス・デューデリジェンス

ビジネス・デューデリジェンスとは、M&A対象会社の経営状況や経営資源(人・もの・金・情報・ブランドなど)を調査し、事業統合に関するシナジー効果分析・リスク評価等を実施し、買収可否の判断や事業計画の修正に役立てるものです。
法務デューデリジェンス、財務デューデリジェンス、人事デューデリジェンスなどと並行して機密保持契約あるいは基本合意後に実施するケースが多いですが、その後の取引価格算定や最終契約締結に向けて、最も重要な判断根拠となると言っても過言ではありません。目的に応じて、調査の力点や報告内容が変わるため、実施前に目的とスコープをきっちり定めることが肝要です。

PMI(経営統合)

PMI(Post Merger Integration)とは、当初計画したM&A後のシナジーを獲得する為に、実質的な組織統合マネジメントを推進していくプロセスのことを指します。経営統合の基本合意が完了した企業に対して、統合後のシナジーをいち早く発揮することを狙いとして、新会社の経営戦略立案、経営管理制度の構築、業務管理体制構築の3つの側面から経営統合を支援します。
M&Aを成功に導くためには、このPMIをいかにしっかり実施していくかと統合前のディール遂行時からPMIに着手することが鍵となります。

自動車インダストリーの主なコンサルティング内容

競争力強化・業界構造転換

  • ブランディング戦略
  • アライアンス戦略
  • 中長期事業戦略・商品戦略・技術戦略
  • 次世代自動車戦略立案(政策・競合・技術・社会動向分析)

地域戦略/機能戦略

  • 市場環境分析・参入戦略(BRICs, ASEAN, Next BRICs)
  • 地域統括会社設立・機能/組織再編・強化
  • R&Dセンター設立構想(政策動向・他社ベンチマーク)
  • 地域リスクマネジメント、渉外戦略

新規事業/参入戦略

  • スマートグリッド
  • 都市交通
  • IT/テレマティクス
  • 異業種参入/アライアンス

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