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コンサルティングファームにおける働き方改革|長時間労働是正への取組み

Post Date2019-09-25 / Update-date2021-05-26 /
Categoryキャリア・働き方特集 

2019年4月より働き方改革関連法の施行が順次始まり、長時 間労働が法的に規制されるようになりました。コンサルタントと言えば、毎日資料作成や打ち合わせのために残業をしており、激務であるというイメージが強い かと思います。
大変な分やりがいがある仕事とはいえ、労働環境に不安を抱いている方も多くいるかと思いますので、本記事では「労働時間」にフォーカスして コンサルティングファームで実際に取り組まれている働き方改革を紹介していきます。

  1. コンサルティングファームにおける働き方改革の特徴
  2. コンサルティングファームの取り組み事例
  3. 入社年別の働き方
  4. 激務な企業をさけるための見極め方

コンサルティングファームにおける働き方改革の特徴

コンサルティングファームは”明確な答えのない仕事”を請け負っているため、時に情報収集、分析に長い時間を費やし、その結果をクライアントに伝える資料の細部にまで拘って作成するため、一般的な事業会社と比較し、労働時間は長いと言えます。また、プロジェクトが佳境の際やク ライアントから早急な作業を求められた際には、徹夜に近い働き方を避けられない場合もあるでしょう。なお、ファームや職位によりますが、残業代という形で の支給は少なく、その追加分も含めた報酬設計とされていることが殆どです。

一方で、コンサルティングファームは、そこで働く‟人”によって利益を生み出しているため、社員のリテンションは非常に重要 になります。常に過酷な労働を強いるようなファームでは採用・優秀な社員の定着が難しくなりますし、過労で心身に支障が生じるようであれば、本来のパ フォーマンスを発揮出来なくなるでしょう。特にグローバルファームでは、労働時間や社員のモチベーションを国別に比較した際に日本の結果が非常に悪く、問 題視されておりました。そのため、コンサルティングファームでは数年前より働き方改革が進み始め、その目標を働く人の健康やモチベーションを高めることと する傾向があります。

具体的な取組みを見てみると、各個人が自分の働き方をライフスタイルやライフステージに応じて選択できるような職場を作るという事を掲げているファームが多いようです。働き方の選択肢として、フレックスタイム制度や在宅勤務制度、リモートワークなどを取り入れています。

また、「健康経営」を掲げているファームも多く、心身共に健康に、活き活きと働けるような環境、制度作りを各ファームが行っています。
次の章で詳細を紹介していきます。

コンサルティングファームの取り組み事例

アクセンチュア

アクセンチュアには、クライアントに高い価値を提供するために必要な組織文化を定義した”コア・バリュー”というものがあります。その中でも、多様な人材がそれぞれの強みを活かせる環境づくりについては、特に細かく規定されているとのことです。

“多様性を尊重した魅力的な職場”や“優秀なグローバル人材の獲得”に向けた意識・文化の風土改革である「Project PRIDE」という考え方を掲げ、働き方改革に取り組んでいます。

具体的な取り組みとしては、18時以降の会議の原則禁止や残業の適用ルール厳格化、フレックスタイム制度、短日短時間制度、在宅勤務制度の導入などがあります。残業時間を短縮し、自身で働く時間を選択できるようにする制度が導入されています。

「Project PRIDE」の成果として、残業時間が1人あたり1日平均1時間に減少、離職率を実施前の半分に、有給取得率を70%から85%に上昇などが挙げられています。より詳細な情報は引用元のサイトをご覧ください。

(引用元:https://www.accenture.com/jp-ja/company-pride-project

PwCコンサルティング

PwC Japanグループでは“どのようなライフステージでもプロフェショナルとして成果をあげられるよう、柔軟に働ける制度や施策でサポートしています。
具体的な取り組みとしては、以下を挙げています。

  • リモートワーク
  • コアなしフレックスタイム
  • 時短勤務(一日あたりの勤務時間の短縮)・短日勤務(一週間あたりの勤務日数の短縮)
  • ペーパーレスの推進
  • 長時間労働を予防する諸施策(夜間・休日のメールや電話を制限するコミュニケーションルール/残業時間のモニタリング/管理職向け労務管理研修)

また、休暇制度も多数取り入れており、以下があります。

  • 有給休暇
  • リフレッシュ休暇
  • 傷病休暇
  • 介護特別休暇
  • 特別試験休暇
  • 結婚特別休暇(同性婚の場合にも取得できます)
  • 育児特別休暇

中でもPwCあらた有限責任監査法人、PwCコンサルティング合同会社、PwCアドバイザリー合同会社の3社では育児特別休暇として男女問わず、育児のための休暇を連続15営業日の休暇(有給)を取得することができます。

(引用元:https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/diversity-and-inclusion/work-style-transformation.htmlhttps://www.pwc.com/jp/ja/about-us/diversity-and-inclusion/work-style-transformation/work-life-balance.html

アビームコンサルティング

アビームコンサルティングでは実現すべき「働き方改革」を”社員一人ひとりがプロフェッショナルとして自律し、より自由に、より知的に、より活き活きと働くこと”と定め、働き方改革に取り組んでいます。

中でも労働時間に関しては、「1つのYESと2つのNO」に取り組んでいます。YESは「YES!EARLY DAY」と銘打ち、各社員が週に一度予め決めた”Early Day”に早帰りするというものです。一方、2つのNOのうちの1つは「MEETING ROOM NO USE」であり、18時以降の会議室の利用を控えるように呼びかけています。もう1つのNOとして「FROM THE BOSS NO CONTACT」を掲げ、平日の深夜(22時~5時)と休日の上司から部下へのメール・電話を原則禁止しています。

その他にも、11:00~14:00をコアタイムとしたフレックスタイム制度や、有給取得奨励日の設定など、働く環境の改善に取り組んでいます。

(引用元:https://www.abeam.com/ja/about/workstyle_innovation/smart_workhttps://www.abeam.com/jp/ja/about/workstyle_innovation/smart_work/1yes2nohttps://www.abeam.com/jp/ja/about/workstyle_innovation/smart_work/flex_timehttps://www.abeam.com/jp/ja/about/workstyle_innovation/smart_work/paid_holidays

NTTデータ経営研究所

NTTデータ経営研究所では

  1. 自律的に働ける
    ベストな時間や空間を個々人が自由に選択できることにより業務効率の向上を実現
  2. 創造的な絆
    人とのつながりを強化することで個々人の成長を促すとともに社員の信頼に基づいた知識創造を実現
  3. 快適に・持続的に働ける
    出産・育児、介護等、さまざまなライフイベントとの両立を可能とする働き方の実現

の3つをワークスタイル変革の目指す姿として掲げています。
具体的な取り組みとしては、在宅・リモート・サテライトなどの選択可能なテレワーク制度を導入しています。会員制レンタルオ フィス(サテライトオフィス)を契約することで自宅近くや、お客様先の近辺で業務が可能になっています。サテライトオフィスはサービス提供会社2社と契約 しており、首都圏及びその周辺で150か所以上(2019年6月現在)を利用可能です。また、有給休暇の計画取得を展開しており、メリハリのある働き方を 促進しています。

(引用元:https://www.nttdata-strategy.com/aboutus/newsrelease/170427/index.htmlhttps://www.nttdata-strategy.com/recruit/#nm_03)

日立コンサルティング

日立コンサルティングでは「最大限の能力を発揮し、活躍できる環境づくり」の実現に向けて、「ワークスタイル(=働き方)」 の改革に取り組んでいます。結婚・出産・介護などのライフイベントによって個々のキャリア構築に影響が出ることがないよう、育児休暇・介護休暇や短時間勤 務制度で支援。同時に業務の効率化をめざし、場所や時間にとらわれない働き方ができるように「タイム&ロケーションフリーワーク」の整備を進めています。日立コンサルティングは日立グループの一員として、個性豊かな人財がいきいきと働ける環境づくりを進めていきます。

1.女性の働きやすい職場づくり

日立コンサルティングでは、これまで以上に女性の視点や柔軟な考え方を事業展開に反映させていくことが大切だと考え、女性が やりがいを持って長く働ける職場づくりを進めています。結婚・出産・介護のライフイベントによって、それまで構築してきたキャリアが途絶えてしまうような ことがないように、育児休暇・介護休暇や短縮時間勤務制度の整備を進めています。また、日立グループの一員として、グループ社員を対象としたキャリア形成 のためのセミナーやカウンセリングへの参加も支援しています。

2.仕事と家庭の両立

お客さまに「ワークスタイル変革」に関するイノベーションを提案する日立コンサルティングだからこそ、社員自身が働きやす く、能力が発揮できるような環境を作りたいと考えています。特に重視しているのが、仕事と家庭の両立への支援です。たとえばファミリーサポート休暇など、 社員だけでなくその家族の幸せな暮らしのための休暇制度を充実させました。また、家族の事情で出勤できないような事態になった場合にも、在宅やサテライト オフィスでの業務に取り組めます。

3.「場所と時間」ではない人への着目

日立コンサルティングは、業務プロセスそのものの効率化を模索しています。そのひとつが、タイム&ロケーションフリーワーク です。モバイルPCの貸与などIT環境基盤を整備することで、在宅勤務やサテライトオフィスでの勤務を可能にしています。決まった時間と場所で仕事するこ とにとらわれるのではなく、自分の生活や、家庭の事情などに合わせた柔軟なワークスタイルを選択することで、個性が発揮でき、仕事の幅もより一層広がります。

整備されている制度は以下になります。(※取得には一定の条件が設けられております)
出産休暇、育児休暇、介護休暇、配偶者出産休暇、配偶者転勤休暇、家族看護休暇、慶弔休暇、自己啓発休暇、ボランティア休暇、短時間勤務制度、在宅勤務制度

(引用元:https://www.hitachiconsulting.co.jp/company/workstyle.html

入社年別の働き方

入社して最初の1~2年間

未経験からの転職の場合、入社後1~2年はコンサルタントとしての地盤を固める期間です。新卒や第二新卒の場合、多くがアナリストポジションからのスタートとなります。このポジションではコンサルタントからの指示を受けつつ、

・コンサルタントに同伴してのインタビュー調査、アンケート調査による情報収集
・書籍やインターネット等による、業界や事例のリサーチ
・データ分析や、スライドなどの資料作成

などコンサルタントに必須のスキルを身に着けていく期間となります。

入社して1~2年間はかなり大変・タフな働き方になる、という内容の記事を目にしたことのある方もいらっしゃるかと思います。実際、最初の1~2年は、上記のようなコンサルタントに必須のスキルをどんどんと身に着けていかなければならないうえ、慣れるまでは仕事の効率が悪く、どうしても勤務時間も長くなります。

また、わからないことばかりの中でがむしゃらに頑張って学んでいく、という部分も大きいため、多くの人にとっては体力的にも精神的にもタフな期間ではあります。

入社後にぶつかる壁と対策

入社後1~2年は大変、という話はしましたが、その具体的な事例をいくつかご紹介し、その対策もご紹介していきます。

事例1 自分が思っていたコンサルと違う・作業ばかりでつまらない

コンサルタントに転職(就職)する人の多くは、上流工程に携わって自身の力でプロジェクトを進めたい、大手企業の経営層をクライアントとして大規模案件を扱いたい、といった希望でコンサル業界を選びます。

しかしながら、入社直後のポジションであるアナリストは、先輩コンサルタントからの指示を受けて情報収集やデータ分析、資料作成を行うことが主な業務です。ここで入社前とのギャップに面喰らってしまう人もいます。
とはいえ、この入社後の数年はコンサルタントとしての地力を積むための非常に重要な期間です。単純作業に見えても頭の使いどころは多々あります。

例えばミーティングに参加する際も、入社したてだからとただ話を聞くだけで終わるのではなく、自分なりに事前調査して意見を出してみる(もちろん事前にコンサルタントへの相談も踏まえて)といったことも重要です。先輩コンサルタントやマネージャーも、まとまった正確な意見よりも、若手だからこそのフレッシュな意見を重要視します。

また当然ですが、先輩コンサルタントの仕事をよく学ぶことも意識的にすべきです。自分がコンサルタントになったときのことを想定して、どういった理由で今のプロセスを採っているのか、自分がどのような役割を果たしているのかを把握し、わからないときは積極的に確認しましょう。

事例2 ダメ出しが多すぎて全く進捗が生まれない

これもよくある例です。ダメ出しが多いのはある意味仕方のないことです。どの仕事も初めは初心者ですし、コンサルタントは特に、独自の考え方や資料の作り方など学ばなければどうしようもないこともあります。

重要なことは2点、「まめな進捗報告」と「自分なりの論理的考察」です。

前者は初心者だからこそ重要なことです。何日もかけて自分なりに資料を完璧にしたところで、修正点が多すぎれば時間を浪費したのと変わりません。

それよりも、作成する資料の方針・傾向がわかる程度まで作った段階で、一度先輩コンサルタントに確認してもらいましょう。そうすることで、その後の作業効率もぐんと上がりますし、コンサルタント側としてもアドバイスしやすいです。何度も確認するのは迷惑だからと自力で無理やり進めてしまう方こそ、取返しのつかないミスやロスにつながるものです。

もう一方の「自分なりの論理的考察」というのは、なぜそうしたのかきちんと説明できることです。例えばある業界のリサーチを頼まれたときなど、「なぜその手段で」「なぜそのデータを」といったことを論理立てて説明できるようにしましょう(考えた段階で疑問があれば確認するのが良いです)。これによって、もし間違った考え・認識があっても、それが間違いだと気づくことができ、的確なアドバイスをもらうことができます。今後にもつながりやすいです。

先輩コンサルタントに質問や確認を依頼する際は、自分の中でよく整理したうえで「○○のxxについてご相談(ご質問)したいのですが、今お時間ありますか」と手短に要件を伝えれば、先輩コンサルタントも忙しければ「後で」といってくれますし、お互いにとって働きやすいでしょう。

事例3 何をやればいいのかわからない

コンサルタントという仕事がやり方の決まっているものでない以上、この悩みは特に最初は出てくるでしょう。ただし、これは事例1や事例2を踏まえれば、解決手段は同じだということがわかります。先輩コンサルタントの指示がどういった意図によるものか考え、そして自身で論理的にまとめてみて、それでもわからなければ、疑問点を明確にして確認する、という流れが良いでしょう。もちろんもらったアドバイスはきちんと吸収して反映するよう心がけましょう。

ひとつ注意しなければならないのは、マネージャーやコンサルタントも非常に忙しいため、出される指示も必ずしも具体的(あるいは正確)ではないということです。指示の一部が抜けていることもありますし、矛盾する点もあるかもしれません。よく考えたうえでそれでもおかしければ、一度確認することが重要です。

事例4 時間が足りない

正直、時間が足りないのは仕方ない部分も大きいです。上記3つの事例からもわかるように、入社後しばらくは吸収することが多すぎてある程度無茶することは仕方ありません。

それでも、どの業務にどれだけ時間を割いているかを管理することで、ある程度は作業の効率化を図れるかもしれません。特に、明らかに時間がかかっていると感じるものはやり方を間違えている可能性がありますので、一度見直してみる(または訊いてみる)のが良いでしょう。

入社後3年目以降

新卒であれば3~5年(中途であれば5年程度の経験)でコンサルタントポジションへと昇進します。コンサルタントになれば、マネージャーの管理はあるものの、

・実際にクライアントに対して提言を行う
・自身で考えて情報収集、リサーチを行う
・一定領域の作業責任者としてアナリストを管理し成果物(資料全体)を作成する

というように、自分自身で考えて仕事を進める場面が多くなります。
もちろんそれに伴って責任も増加しますが、自身が進めたプロジェクトが成功して社会に成果として現れた場合など、仕事のやりがいを感じる場面も増えてきます。

また各種の業務にもある程度慣れ、社内のコミュニケーションも取りやすくなることなどからも、仕事の能率は1~2年目に比べて大幅に上がっていく場合が多いです。

激務な企業をさけるための見極め方

多くのコンサルファームが働き方改革を行い、以前のような激務から改善はされつつあるものの、やはり多忙であることは事実です。自分のキャパや要望とズレなく入社できるようにするために、以下のことに留意してみてください。

企業説明会(セミナー)、OB訪問、エージェント

コンサルティングファームでは多くのセミナーを開催して企業説明を行っています。企業も意欲・理念が一致する社員を求めたいですし、これらに参加して事業内容や働き方、社風を知ることはまず第一歩かと思います。

また、OBからの意見は多様な情報を得る機会となるでしょう。非公式のOB訪問であれば、よりぶっちゃけたところまで話してくれる可能性は大きいです。つながりを増やすことが重要です。

また、もちろんエージェントは業界におけるそれぞれの企業の特色、違いについて詳しいため、エージェントを活用するのも手段の一つです。どれか一つの意見をうのみにするのではなく、多角的に観ることも重要です。

※企業の違いのみならず部署によっても雰囲気や働き方は大きく異なります。情報収集の際にはこの点に留意しましょう。

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