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企業インタビュー 詳細

Special Interview

PwCアドバイザリー合同会社|BRS(事業再生)チーム|森野 智博 様、堤 久範 様

Post Date2020-12-24 /
Category外資系,

本日はPwCアドバイザリー合同会社 BRS(事業再生)チームの森野様(写真:左)、堤様(写真:右)にインタビューの機会を設けていただきました。BRSチームの概要、プロジェクト事例、今後のビジョン、求める人材像などについてお話しいただきました。

ご経歴について

EL

ご経歴について教えてください。

森野様

私は新卒で都市銀行に入行し、審査や営業、経営企画などの部署で10年ほど勤めました。当時、銀行業界には再編の波が押し寄せており、それを肌で感じる中で、このような業界変革の動きを導く側に回りたいという気持ちが高まりました。また、当時の金融業界は外資系が存在感を増してきていました。海外のビジネススタイルに触れたいという想いもあり、外資の戦略コンサルティングファームに転職いたしました。
戦略コンサルティングファームでは、金融業界や商社、製造業など幅広い業界の経営戦略策定に携わりました。非常に楽しく学びも多かったですが、10年ほど経験をすると、実行フェーズまで関与し結果を求められるようなコンサルタントになりたい、特定テーマではなく、臨機応変にテーマを考えたいというより具体的な目標ができました。そこで、事業再生の領域を志し、2社を経て4年前にPwCアドバイザリーにジョインし現在に至ります。

堤様

私は新卒で外資の大手コンサルティングファームに入社し、事業・営業戦略策定、組織再編等のプロジェクトへ4年半ほど携わりました。その後、出身地である関西で働きたかったことから、経営企画部の課長として通販事業を展開する中堅企業へ転職しました。1年半ほど経ったところで、もう一度コンサルティングの仕事に戻りたくなり、ご縁があってPwCアドバイザリーのDeals Westという大阪の部門で事業再生に携わることになりました。約3年半が経過して現在に至ります。
事業再生を選択した理由は、仕事を通じて人を助けることに魅力を感じていたこともあり、緊急救命と言われるような、経営上の緊急性が高い案件へ関与したかったためです。トップマネジメントマターの案件が多く、知的好奇心をそそられたことも理由の一つです。

EL

コンサルティング経験者が実行フェーズへ軸足を移す場合、事業会社へ転職する方も多いですが、森野様が事業再生を選ばれた理由をお聞かせいただけますか。

森野様

事業再生の領域は、まさしく変革の局面を迎えた会社に寄り添うことが特徴となるかと思います。多種多様なバックグラウンドの専門家をオーガナイズし、緊急性が高く、かつ非常に幅広いテーマの経営課題を解決します。難易度は高いですが、会社の問題解決のために自分が役立っていると実感を得られる、非常にチャレンジングで魅力のある仕事に思えました。それがこの道を選んだ理由です。

堤様

私たちのようなアドバイザーのステークホルダーには株主・債権者等も含まれ、これらステークホルダーとの調整が求められる場面が多々あります。損益計算書(PL)のみならず貸借対照表(BS)の右側に書かれた負債や純資産にも配慮しながらステークホルダー全体にとっての最適解を探すわけです。コンサルティング業務ではなかなかここまで関与できません。私自身は、そこがチャレンジングかつエキサイティングと感じています。

BRS(事業再生)チームの概要について

EL

BRSチームの概要(業務内容・在籍者等)について教えていただけますでしょうか。

森野様

BRSでは、会社を建て直すための戦略立案、戦略を実現するためのオペレーション構築、財務面の問題解決・計画立案等非常に広範にわたる業務を行っています。
在籍者は120名程度(インタビュー時点)で、バックグラウンドはコンサルティングファーム・事業会社・監査法人・ファンド・銀行等多岐にわたります。

堤様

在籍者数は事業再生業界の中でも比較的大規模と考えてよいのではないかと思います。森野がお伝えした通り、メンバーのバックグラウンドの多様性は、BRSの特徴の1つです。

森野様

BRSチームは、銀行の不良債権問題が起こっていた1990年代に、PwCアドバイザリーの前身企業で立上げられた「再生チーム」からスタートしています。そのため、チームとして長い歴史があります。

EL

案件の特徴を教えていただけますか?

堤様

クライアントの規模はさまざまですが、中期経営計画の策定やその後のモニタリングをご支援するプロジェクトが多い傾向にあります。加えて、事業ポートフォリオの見直しや再生に伴う事業売却などの個別テーマにも対応しています。
また、最近はグローバル案件も多く、PwC英国やPwCドイツなど海外のPwCメンバーファームとの協働も増えています。さらに、デジタルに関わるテーマも増加中です。

森野様

日本を代表するような大企業の再生案件であれば、経営陣や従業員だけでなく、金融機関も含むさまざまなステークホルダーが国内・海外問わず存在するでしょう。そのような場合、各国の法務・税務等も考慮する必要があるため、PwCの海外拠点はもちろんのこと、現地の法律事務所・税理士法人等とチームを組むことも必要です。このような、グローバルでリストラクチャリングができる体制が整っている点は、PwCの強みと言えます。
また、私たちのモットーとして「オーケストラの指揮者たれ」というものがあります。それぞれのプレイヤーがどう動いているかを理解しながら、全体の方向をオーガナイズし、プロジェクトを成功に導いています。

EL

大型の案件が獲得できるのはなぜでしょうか?

森野様

過去に数多くの大型案件を手掛けた実績とそこで得た信頼が大きいと思います。最近では、お客さまから私たちのリソースが空いているかを心配していただくほどの状況になっています。

プロジェクト事例について

EL

どんなプロジェクトがあるかご紹介いただけますか?

森野様

さまざまなプロジェクトがありますが、海外拠点を持っている企業の事業再生であれば、PwCネットワークの海外チームと連携して海外拠点の売上比率等も材料に、課題を特定し解決策を考えます。
1つのプロジェクトに2年くらいかかることもあります。再生の方向性は始めの数カ月で決まりますが、実行フェーズでは、金融機関等多くのステークホルダーとの交渉のみならず、時間を要する事業売却・拠点閉鎖等も含まれます。最近では、このようなグローバルでの実行支援を行う事例が多くなっています。

堤様

再生を進める一方、今後の成長戦略も同時に考えるプロジェクトも多く、特にグローバル案件では、海外での新規事業立ち上げなども視野に検討が進んだりします。その場合、クライアントの作成した事業計画の妥当性評価と共に、税務上の観点も踏まえた最も望ましい参入オプションを探るため、各国の税務専門家チームと連携をとりながらの検証が必要です。
事業再生部門に在籍しながら、新規事業の立ち上げにも関与できる。さらに、税務の専門家など、他の専門性を持った人たちと連携しながらプロジェクトを進めていくことができるので非常にやりがいを感じます。

大規模案件だけでなく、もっと手触り感のある案件もあります。自分が初めてマネージャーの役割を務めてリードした案件などは、お客さまの問題解決に向けて、寄り添うようにご支援でき、思い出深いものとなりました。

EL

スタッフの育成(サポート体制・アサイン方法等)について教えてください。

森野様

PwCにはコーチ制度があり、一人のスタッフに対して一人のシニアメンバーがコーチとして付きます。コーチは、日常の相談事のみならず、中長期的な成長のためにスタッフがどのようなステップを踏むべきか・今何を学ぶべきかの指南役や、業務に関する相談役としても機能していますし、プロジェクトへのアサインも配慮しています。数カ月ごとに面談を行い、コーチが全力でスタッフの成長を支援しています。

なお、入社当初は、ご自身の強みを活かせるアサインが多いです。例えばコンサルティングファームや事業会社出身の方は事業戦略・施策立案等を得意とされる場合が多く、会計事務所出身の方は会計・財務関連の深い知見を有しています。まずはこのような強みを活かせる業務を担当いただき、プロジェクトの進め方を習得いただいた上で、新たな領域へのアサインを行っています。

加えて、研修制度も非常に充実しています。コンサルティングファームで一般的に行われるロジカルシンキング等は当然として、事業計画・資金繰り表の作成方法や、交渉・意思決定プロセス等もケース形式で学べるよう研修を行っています。集合研修だけではなく、Eラーニングでいつでも学べるようになっており、成長意欲の高い方が自ら学ぶ上で最適な環境が整っていると自負しています。OJTももちろん行っていますが、育成が属人的にならないよう研修もしっかりと行う-これもPwCの強みの一つだと言えます。

堤様

私は4年半コンサルタントを経験していましたが、PwCアドバイザリーに入社してすぐに財務の知見を強化しなければならないと痛感しました。事業再生は、戦略のみならず財務等を含む幅広いテーマを扱うことになります。会計士・税理士や銀行出身者等と連携してプロジェクトを進めるため、全ての分野を深く把握している必要はありませんが、コアの部分はしっかり押さえておくべきです。例えば、入社後1年目で受講した財務モデル作成の研修等は、その道のプロから教えてもらえるため非常に有用であったと感じています。

EL

BRSでの働き方とコロナ禍の影響をお聞かせいただけますか。

堤様

4月の緊急事態宣言以降、ほとんどリモートワークになりました。私個人で申し上げますと、出勤の必要がある時は週1日程度オフィスに行くこともありますが、それ以外はリモートワークです。
経営陣へのプレゼンテーションの為の出張や、クライアントに出向いて業務を行うケースも稀にありますが、グローバル案件も含めリモートで仕事ができています。
今までグローバル案件は、現地に行かないといけないと思い込んでいたところがありましたが、コロナ禍によりそれができなくなったことで海外とのコミュニケーションが増え、結果的に前よりも仕事がしやすくなりました。
出社の時間も不要となり、むしろ生産性は上がったようにも感じております。

森野様

実は、私たちはコロナ禍が始まる前から働き方改革に取り組んでおり、リモートワークを推奨していました。そのため、インフラ関係の対応は他社に比べて早かったと思っています。

そんな中、最も対応を急いだのは、新たに入社したメンバーのネットワーク構築です。どのような場面で誰に相談すれば良いか分からなければ、業務に支障が出ます。この点も、リモートでの交流の場を設営したり、小グループのチャットルームを立ち上げたり、また、プロジェクトや職務歴情報の充実等を図ることで、know who(誰がどのような知識を持っているのかを知る)の仕組みづくりに力を入れています。遠隔でも誰かに頼れる環境づくりが今も進んでいるところです。

EL

事業再生=ハードワークというイメージを持たれている方もいらっしゃいますが、実際のところいかがでしょうか。

堤様

労働時間は他の部門やコンサルティングファームと同程度ではないでしょうか。ハードワークというよりも、事業再生という業務の性質上、その重みを感じることはあります。クライアントから直接電話を頂き、プロフェッショナルとして瞬時にアドバイスをしなければならない場面も多々ありました。入社当初は事業再生という案件の性質上、会社が明日にもなくなるかもしれない窮境状況を抱える企業もあると思い、責任の重さという意味で強いプレッシャーを感じていました。今も責任の重さという意味では変わりませんが、3年半前の入社時と今とを比べると、プロジェクトメンバーの支え、またクライアントとのコミュニケーションの積み重ねが経験値となり、間違いなく動じなくなれているかと思います。

EL

労働時間はどのように管理していますか?

森野様

勤務時間は日々システム登録するようになっています。残業時間の多いメンバーがいると、部下の労働時間をしっかり管理するよう各プロジェクト担当パートナー、プロジェクトマネージャーに注意喚起が入る仕組みになっています。

堤様

また、私たちの部署では、深夜帯はPCにログインできなくなるという取り組みもスタートしています。時差の考慮が必要なグローバル案件に関与している場合などは申請による例外も認められますが、原則、深夜にPCを使った仕事はできなくなります。

今後のビジョンについて

EL

BRSの今後のビジョンをお聞かせください。

森野様

最近国際通貨基金(IMF)から、コロナ禍の見通しについて、「長く、不均等で、不確実な復興の道」との発表がありました。復興は好調な業種と不調な業種の差が鮮明になる「K字回復」になるであろうとも言われています。私たち自身、これまでにない厳しさを肌身で感じています。このような状況を踏まえると、個社単位ではなく、再編を含め産業レベルで物事を考えなくてはなりません。
私たちは事業再生に長く関与してきた経験値をもとに、時代の変化に対応し絶えず新しいテーマに取り組んできました。今後は、従来にも増して大きな絵を描き、多くのステークホルダーをオーガナイズしなければいけないと強く感じています。

堤様

私自身、大阪在住ということもあり地方を盛り上げたいと考えています。コロナ禍により「7割経済」と言われていますが、ただ費用削減を進めたとしても生活が楽しくなることはありません。いかに地方を活性化し企業が利益を出せるようにしていくかに、チャレンジしたいと思っています。

BRSで求める人物像

EL

どのような候補者に応募いただきたいですか。

森野様

スキルセットとマインドセットの2つを重視しています。スキルセットとしては、戦略やオペレーションや財務など、どこか1つ強い分野をお持ちの方です。一方、マインドセットも非常に重要です。
相当緊張感のある仕事ですし、ステークホルダーが多い分、交渉も難航し案件がなかなか進まないこともあります。これは精神的にも辛く、乗り越えるためには高い志が必要です。ですので、日本の経済を変えたい、困難を乗り越えて自分自身を成長させたい、という意欲と志が高い人にぜひ応募いただきたい。あとは、根が明るい人。「きっと明るい世界が待っているから、そこに向かって一緒に頑張りましょう!」と言える性格が重要だと思っています。

堤様

アドバイザーという仕事はステークホルダーが多いので、ただ頭が良いと言うだけでは足りません。この人に頼みたいと思われるためには、人間らしさがとても大事です。厳しさの中にも、実は気に掛けてくれているというような優しさが垣間見えるような方は、この仕事に向いていると思います。

EL

最後に、応募を検討している方に一言ずつメッセージをいただければと思います。

森野様

事業再生は、経営の根幹に携われる仕事です。幅広いテーマを扱い、かつ結果を求められる非常にチャレンジングな世界です。その分、成長することができます。私たちは成長のための最高の舞台を提供することができます。成長意欲の高い方にはぜひともその舞台に上がっていただき、チームと共に成長し、そして、日本経済再生の一翼を担いましょう。

堤様

繰り返しますが、アドバイザーの業務では1つの案件で複数のステークホルダーに関与できます。自分自身がドライバーズシートに座り、さまざまなネットワークを活かし、みんなで最適解を探しに行きたいという気概をお持ちの方は、ぜひ応募いただきたいと思います。

EL

ありがとうございました。

企業プロフィール

Profile

PwCアドバイザリー合同会社

この企業の詳細情報
  • 森野 智博 様

    パートナー

    メガバンク、米系戦略コンサルティングファームを経て、現在に至る。様々な業界において、中期経営計画の策定支援、事業ポートフォリオマネジメントの仕組み構築、個別事業の成長戦略・撤退・リストラ戦略の構築・実行支援などの経営イシューに関与。

  • 堤 久範 様

    マネージャー

    大手コンサルティングファームにおいて、総合電機業界・化学業界・人材メディア業界等に対する事業戦略立案、組織再編支援、ガバナンス構築、営業部門改革等に従事。その後、中堅規模の一般事業会社の経営企画部マネージャーを務め、2017年にPwCアドバイザリー合同会社に参画。Deals Westでは、コンサルティングキャリアを活かし、事業再生(私的・法的整理)のみならずPMIやまちづくりのグランドデザイン等にも従事。

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