三菱UFJリサーチ&コンサルティング|コンサルティング人材開発室(室長 名藤様)
Post Date:
2018-04-11 /
Category:
シンクタンク, 日系,
本日は、 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、MURC)コンサルティング人材開発室 室長の名藤様にインタビューの機会を設けていただきました。
MURC全体の組織構成から、コンサルタント育成の仕組みや働き方についてお話しいただきました。
MURC全体の組織について
EL
まず始めにMURCの組織概要についてお伺いできますか。
名藤様
当社は三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)のシンクタンク・コンサルティングファームとして、コンサルティング、グローバル経営サポート、政策研究・提言、経済調査、人材育成支援など様々なサービスを展開しています。
社員数は約800名で、コンサルティング事業本部が約300名、シンクタンク(政策研究事業本部)が約200名と社内の二大部門となっています。コンサルタントとシンクタンクの研究員は官民連携のプロジェクト等で一緒に仕事をすることもあり、これはシンクタンク・コンサルティングファームならではの特徴のひとつです。シンクタンク部門があり、様々な専門家を抱えていることで他社と比較して提供できるサービスが多様になります。
EL
名藤様が担当されていらっしゃるコンサルティング事業本部の組織構成について教えてください。
名藤様
コンサルティング事業本部は7つのビジネスユニットに分かれており、東京に5つ、名古屋と大阪に1つずつが配置されています。各ビジネスユニットのサイズは40~50名程度です。当社はキャリア採用を積極的に進めており、約300名のコンサルタントのうち3分の2程度はキャリア採用の方で構成されています。各ビジネスユニットはインダストリー別ではなくソリューション、専門性で分かれており、さまざまな業界のお客さまに対してサービスを提供しています。
この組織体制になったのは2017年4月で、その狙いはお客さまにより高い付加価値をお届けするためにファームとしての総合力、チーム力が発揮できるような体制を作ることです。私は「個人戦から団体戦へ」という説明をよくするのですが、約300名のファームがシナジーを発揮するよう運営して、お客さまの抱える複雑で大きなニーズにも応えていきたいと思っています。
EL
御社の社風や社員の方々の特徴を教えてください。
名藤様
一人ひとりが専門的な知識やノウハウに基づいてしっかりと質の高いアウトプットを出すということにこだわりを持っており、若手も含めてすべてのコンサルタントが真にお客さまにとっての価値を追求することにプライドを持っていると日頃から感じています。
また人物面・キャラクター面で申しますと、自分中心主義のガツガツした人が少ない、「いい人」が多い、ということはよく社内外で言われます。やはり「信頼・信用」を掲げるMUFGに属していることで、お客さまとの長期的な関係構築や、それに伴う品質への責任は重要な価値観として共有されているのだと思います。もちろんコンサルティングもビジネスの側面がありますのでそれだけではだめなのですが、ここに共感できる人がフィットしやすい社風だと思います。
ちなみに、コンサルタント経験をもつ中途入社社員が多いためコンサルティングファームらしいカルチャーが根付いていて、「安心してコンサルティング業務に取り組める」との声もよく聞いています。
採用と育成について
EL
特に採用を強化しているポジションがあれば教えていただけますか?
名藤様
旺盛なコンサルティングニーズを受けてどのチームも採用を強化中なのですが、特に注力している分野としては「先進技術×オープンイノベーション」「経営承継コンサルティング(長期支援型)」「業務・ICTコンサルティング」「大企業人事コンサルティング」「国内海外連携コンサルティング」の5つがあります。
EL
コンサルティング人材開発室として、今後どういった方に御社に参画して欲しいとお考えでしょうか?
名藤様
日本企業の経営者としっかり向き合って品質の高いコンサルティングを提供したいと努力できる人、これに尽きます。「問題解決を支援する」という点で、提供するサービスの中身に高い意識を持って仕事をしていきたい方の参画を期待しています。 加えて、「経営そのもの」に対して興味を持っていて欲しい、という事を強く期待しています。せっかく全体感をもったコンサルティングが出来る環境があるので、ある特定の部分の専門性だけをひたすらに追いかけています、という目線だともったいない。
現在、細分化された知識では経営者の課題に応えることは難しくなってきています。経営全体に対する本質的な興味と、コンサルティングサービスの品質への意識を常に持つことが必要であり、それを当社は志向しています。そして、長期的な目線でお客さまと関係を築き、短期的な収益最大化ではなくて、お客さまのためになることをしっかりやっていきたい方がフィットすると思います。
EL
コンサルタントの育成についてはどの様に取り組んでいらっしゃいますか?
名藤様
もちろん、会社としても先述の様なコンサルタントを育てていくために教育体制を充実させていく方針です。入社時の研修の強化、先輩社員との個別カウンセリング、プロダクションスキルのトレーニングなどはすでに実際に行われている支援です。現場のOJTだけに頼るのではなく、一人ひとりに合ったサポートをカスタマイズして提供していきたいと思っています。
また、当社はシンクタンクでもあるので、特に最先端のトピック、例えば働き方改革やAI・ロボティクス等に関して、社内の有識者や外部の講師を招いて勉強会等のイベントを開くことが多くあります。更に自己研鑽を金銭的に支援する制度もあり、コンサルタントにとって学ぶ機会には恵まれた環境だと思います。
働き方について
EL
働き方改革などで取り組んでいらっしゃることを教えていただけますか?
名藤様
働き方改革には当社ももちろん取り組んでいます。各種の認証もとっているだけでなく、他社の「働き方改革」をお手伝いするような立場ですので、私たち自らも例えばデジタル対応の強化をする等して、新しいワークスタイルを取り入れるようにしています。
ただし、「仕事は仕事」と割り切っている社員は少ないようにも思います。そもそもコンサルティングは知的労働ですから、オンとオフを場所や時間できれいに分離することは難しい仕事です。オンとオフをうまくブレンドして、健康的に楽しんで生活できれば良いと思いますし、そうしている人は多いと思います。色々ユニークで深い趣味を持った社員が多いのですが、これは仕事の特徴と関係していると思います。
あと、意外と思われるかもしれませんが、当社はクラブ活動が割と盛んで、野球部、サッカー部、ヨガ部、フラクラブ等が活発に活動しています。これも、当社の一面です。
コンサルタントのキャリア形成支援について
EL
キャリア形成の考え方やサポート体制について教えていただけますか。
名藤様
私が考えているのは、男女関係なく中長期的にコンサルタントとして、幅広く活躍できる人を育てたいということです。そのためには質のいい経験を積んでいくことが重要かつ必須と考えます。
具体的には、10〜20年後により価値のあるコンサルタントになっているためには、本人が「苦手だからやりたくない」と感じていることにも取り組むことが必要な場合もあります。意図的にこの様な機会を与えることでもコンサルタント一人ひとりの中長期的なキャリア形成をサポートしていきたいと思っています。
EL
コンサルタントの方のキャリアを導くというイメージでしょうか。
名藤様
まだそこまではできていないかも知れませんが、プロジェクトアサインの仕方や、部署への配属を決める際にはこの様な目線で対応していきたいと思っています。当然、コンサルタントの個人的なライフイベントもあるでしょうから、柔軟かつ個別に、丁寧に対応することで中長期的に成長を手助けできればいいと思っています。
EL
「コンサルティングファームは修行の場」と捉え、一定の経験を積んだら次のステップへ、と考える方もいらっしゃるのではないですか?
名藤様
そうですね。実際にそういう方もいらっしゃいますし、当然ですがそういう方を否定することはありません。しかしながら、長くコンサルタントとして当社で活躍していただきたいという思いはもちろん持っていますので、その環境を整えることが私の仕事だと考えています。
候補者の方へのメッセージ
EL
ご応募を検討されていらっしゃる求職者の方へひと言いただけますか。
名藤様
かつて、当社には「総研」というわかりやすいラベルがありました。現在の当社の立ち位置は、その頃に比較すると分かりづらいかもしれません。しかしコンサルティング部門は、これから伸びていくポテンシャルをもった組織です。MUFGのケイパビリティーを考えると可能性は大きくあります。ぜひ一度、当社のポジションについて話を聞きにきてください。日系の本格的な総合コンサルティングファームは実はそう多くないと思います。
日本企業を支えることで世の中に貢献したい、また長期スパンで取り組みたいという方に是非来ていただけると嬉しいです。
EL
本日はありがとうございました。
企業プロフィール
Profile
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
この企業の詳細情報-
名藤 大樹 様
コンサルティング事業本部 コンサルティング人材開発室 室長 / チーフコンサルタント
大学卒業後、三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)に入社。以来、組織人事分野をベースに一貫してコンサルティング業務に従事。2017年4月、同社の組織改編に伴いコンサルティング人材開発室長となり、コンサルタントの採用・育成等、人材マネジメント業務に取り組んでいる。