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MECE(ミーシー)とは?ーロジカルシンキングのフレームワーク

Post Date2021-03-24 /
Category選考対策特集

  1. 1. MECE(ミーシー)とは?
  2. 2. ロジカルシンキングの基本概念となるMECE
  3. 3. MECEの具体的な活用例(ケース面接にも有効)
  4. 4. MECEに考えるためのアプローチ
  5. 5. MECEに分析するためのフレームワーク
  6. 6. MECEに考える際の注意点
  7. 7. まとめ

1. MECE(ミーシー)とは?

MECEとは、Mutually Exclusive(互いに排他的で), Collectively Exhaustive(集合的に完全な)の頭文字を取ったものです。
わかりやすく言い換えると「モレなく、ダブりなく」という意味になります。

MECEかどうかは集合で考えるとイメージしやすいです。以下の4パターンのうち左下の場合がMECEに該当します。


図1 集合の4つのパターン

2. ロジカルシンキングの基本概念となるMECE

MECEという考え方は、ロジカルシンキング(論理的思考)において非常に重要です。
ロジカルシンキングとは、着目している物事を要素ごとに分類し、論理立てて整理していく思考法のことです。矛盾が生じないように筋道を立てて考えることで複雑な物事もわかりやすくなり、理解・推論しやすくなります。
ビジネスにおいて考えなければならない課題というのは様々な要素が複雑に組み合わさっている場合がほとんどですので、何となくの感覚で整理してしまうと、大きな見落としが発生したりつじつまが合わなくなってしまいます。そこで分類する際にMECEを意識することで、各要素が独立しつつ全体像も捉えられるので、矛盾なく論理を組み立てることができるようになります。

3. MECEの具体的な活用例(ケース面接にも有効)

MECEはビジネスにおいて非常に多くの場面で重要な考えになります。以下にいくつかの例を挙げます。
・戦略立案
・市場調査/マーケティング施策
・商品企画
・業務改善
・組織/制度の見直し など

例えば「テニスボールの市場規模は?」という課題を考えるとしましょう。
みなさんであればどのように考えるでしょうか。ここではMECEを意識して、少しずつ分解していくことにします。
――――――――――

《例題》テニスボールの市場規模は?

テニスボールを所有しているのは、次の2パターンが考えられます。
・部活やサークルなどの団体での所有
・個人での所有
それぞれで買い替え頻度や所持数が大きく異なってくると思われるため、以下の方法で算出します。

〇団体として所有するテニスボールに関して
「①テニスを行う団体に属する人数×②人数一人当たりのテニスボールの数/③テニスボールの交換頻度×④テニスボールの平均単価」
ここで、テニスを行う団体にはa.中学・高校のテニス部、b.大学のテニスサークル、c.会社のテニス部、d.一般のテニスサークル、e.テニススクールの大きく5つがあります。それぞれについて式を用いて計算し合計することで、団体として所有するテニスボールの市場規模が計算できます。

〇個人として所有するテニスボールに関して
「⑤テニス人口×⑥テニスボールを所有している割合×⑦一人当たりのテニスボールの保有数/⑧テニスボールの交換頻度×⑨テニスボールの平均単価」
ここで、テニス人口には、団体に加入している層と、団体には加入していないもののテニスを行っている層がありますので、それぞれについて式を使って計算し、最後に団体として所有するテニスボールの市場と合計します。
――――――――――
こうして分解して考えることで、何を調べれば市場規模が計算できるか明らかになりました。このように論理に基づいた分解を行えるのがMECEの強みです。

ここで紹介した例題は、戦略コンサルティングファームの選考でよく出題される「ケース面接」の1つであるフェルミ推定の例題と捉えることもできます。つまりMECEはケース面接においても重要な考えなのです。フェルミ推定の場合は、ここからさらに自分自身の持つ知識のみで計算を進め、具体的な結果まで出します。以下の記事で例題の計算の続きをご紹介していますので、気になる方はご覧になってみてください。
戦略コンサルティングファームを目指すケース面接対策

4. MECEに考えるためのアプローチ

MECEに分析すると言っても具体的に「何について」「どのような切り口で」分類すれば良いのか、いざ考えてみるとなかなか難しいものです。そこでMECEに考えるためのアプローチ方法についてこの4章では基本的な概念をいくつかご説明し、5章では具体的な考え方の枠組み(フレームワーク)をご紹介します。

4.1 トップダウンアプローチ/ボトムアップアプローチ

トップダウンアプローチ:全体像から要素に分解する方法
ボトムアップアプローチ:要素を集めて全体像を捉える方法

それぞれの特徴は以下です。

・トップダウンアプローチ
トップダウンアプローチは大きな括りから細かく分解していく方法であるため「モレなく」分けることに適しています。そのためMECEを意識して分類するのであれば、基本的にはトップダウンで分解していく方が確実です。ロジックツリーなどはトップダウンアプローチの良い例です。

・ボトムアップアプローチ
ボトムアップとは、下から上へ、つまり要素側から全体像をイメージするということです。要素をいくら集めてもそれがすべてとは限らないため、一見MECEには向いていないようにも感じます。しかし全体像がまだ存在していない新たな領域について考えるときなどでは、全体像から出発するトップダウンで考えるのは困難であり、ボトムアップによって全体像を形成していくということが有効になります。
※当然モレは発生しやすいので、トップダウンによる再確認と組み合わせて使うと良いでしょう。

4.2 因数分解

ここでいう因数分解とは、計算式の形で分解していく方法のことです。掛け算だけでなく、割り算や足し算、引き算の形でも構いません(数学の因数分解とは意味合いが異なります)。例えば

・粗利=売上-原価
・売上=営業訪問件数×成約率×取引価格

といった具合です。計算式の形にすることで、実際のデータの計算も容易に行えます。

4.3 対称概念

対称概念とは、相反する概念のことです。具体的には以下の例などが挙げられます。

・国内/海外
・拡大/縮小
・多様化/画一化
・新規事業/既存事業 など

このように物事を2つにMECEに分けて考える際に対称概念は有効です。

5. MECEに分析するためのフレームワーク

4章ではMECEに分解するにあたっての基本的な考えについてご説明しました。この5章では、MECEに分解する際に活用できるフレームワークをご紹介します。要素で分類するものと時系列で分解するものに分けてご説明していきます。

5.1. 要素で分類するフレームワーク

5.1.1. 事業を3つのプレイヤーで分類する「3C分析」

3C分析とは、ビジネス(事業)において主要なプレイヤーである、

・Customer:市場・顧客
・Competitor:競合
・Company:自社

に着目して分析するフレームワークです。この3者についてそれぞれ分析することで、事業の成功の要因をMECEに分析することができます。
具体的には、
①市場の動向や顧客のニーズの変化、その要因を分析し
➁競合他社の事業結果と、その結果をもたらした要因を分析し
③自社事業の強み・弱み、どういった戦略が考えられるかを分析する
という手順になります。

5.1.2. マーケティングを4つの視点で分類する「4P分析」

4P分析とは、マーケティングにおける4つの視点

・Place:物流
・Promotion:プロモーション
・Price:価格
・Product:製品

に基づいて分析するフレームワークです。マーケティング戦略を考えるにあたってどれも欠けてはいけない要素になります。
これを意識せずに事業を進めてしまうと、良い製品を作っているにもかかわらず世の中に認知されずじまいになったり、製造・輸送コストが高く顧客の求める価格帯に設定するのが困難な状況になったりといったリスクが生じてしまいます。4P分析を行うことで、そういった見落としを防ぎ、マーケティングに影響する要因を漏れなく考えることができます。

5.1.3. 企業を7つの構成要素で分類する「7S分析」

大手コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱した、企業を7つの構成要素に分けて考える方法です。

〇「ハード」の3S
・Strategy(戦略):事業の方向性、優先順位
・Structure(構造):会社の組織体制
・System(システム・制度):管理システム、評価制度など

〇「ソフト」の4S
・Shared Value(共通の価値観):経営理念、企業理念
・Staff(人材):新規人材獲得、人材育成、モチベーションの維持など
・Skill(スキル):蓄積された知識や技術、ノウハウなど
・Style(経営スタイル):社風や働き方のスタイルなど

ハードの3Sとは、組織の仕組みに関する要素です。ソフトの4Sとは、会社に所属する人に関する要素です。
ハードの3Sは、計画性を持って取り組めば変更することが比較的容易な要素であり、短期的な改善が図りやすいものと言えます。一方のソフトの4Sは、人の習慣や価値観、能力に関する要素であるため、改善には長期的な取り組みを要します。
社内改革においてはハードの3Sが率先して進められがちですが、実際にはハードとソフトの両面から補い合って進めていくことが望ましいです。

5.1.4. 事業戦略を4つの側面で分類する「SWOT分析」

事業戦略を考える際に、

・Strengths:強み
・Weaknesses:弱み
・Opportunities:機会
・Threats:脅威

の4つの視点に分けて分析する方法です。内部環境(自社に関すること)と外部環境(市場や競合、社会情勢など)に分け、さらにそれをプラス面とマイナス面に分けることでSWOTの4つの視点に分けられます。以下の図を見るとわかりやすいでしょう。


図2 SWOT分析を図で表した場合

5.2. 時系列で分類するフレームワーク

5.2.1. 顧客の購買までを5つのプロセスで考える「AIDMA(アイドマ)・AISAS(アイサス)」

AIDMAは人がモノを購入するまでのプロセスを示したモデルで、以下の頭文字を取っています。

《AIDMA》
1. Attention:商品に注意を向け、認知する
2. Interest:興味を持つ
3. Desire:手に入れたいという欲求を持つ
4. Memory:商品を記憶する
5. Action:購買行動に移る

2000年代に入ってインターネットが普及してからは、新たにSearchとShareが組み込まれたAISASも提唱されています。

《AISAS》
1. Attention
2. Interest
3. Search:商品について検索する
4. Action
5. Share:購買した後、共有する

どちらも、プロセスごとに着目して戦略を立てることによって、効果的なマーケティングを行うことが期待できます。AIDMAとAISASのどちらのモデルが有効であるかは、扱う商品やターゲットにしている顧客層などによって変わります。インターネットやSNSが普及した現代ではAISASの方が有効であるように思われますが、大量生産する商品や安価な商品などの場合はAIDMAで考えた方が良いといったこともあるため、適切に使い分けていくことが求められます。

5.2.2. 市場の移り変わりを4つの時期に分けて考える「製品ライフサイクル」

製品ライフサイクルとはマーケティング用語の1種で、製品が市場に現れてから撤退するまでの期間を指します。製品ライフサイクルは一般に「導入期」・「成長期」・「成熟期」・「衰退期」の4つの期間に分けて考えることができます。


図3 製品ライフサイクルの一般的なモデル

自社の製品がどの時期にあるのかによって、取るべき戦略も変わってきます。

・導入期:製品が開発され市場に投入されたばかりの時期で、まだ認知されていない状態であるため、この段階では売り上げはそこまで伸びません。この時期にとるべき戦略として、消費者に「欲しい!」と思ってもらえるようなわかりやすい特徴・メリットをアピールしていくことが挙げられます。
・成長期:成長期になると、市場が急速に拡大していき商品が次々と売れていきます。そのため商品の生産数を増やし、販売の領域を広げることが重要になってきます。
また、市場が拡大するにつれて競合も増えるため、市場の中で自社のポジションを獲得するために、他社との差別化を図る、自社の付加価値を向上させる、といった戦略をとることも重要です。
・成熟期:市場がある程度まで成長し切ってしまい、各企業の利益の伸びが鈍化して安定し始めると、市場が成熟期に入ったと考えることができます。参入企業も増え、商品が顧客に十分に行き渡っているため、競合との過当競争によって価格が引き下げられていきます。自社のシェアを維持するために、商品の多様化やブランディングといった戦略を取ることが重要となります。
・衰退期:製品の需要が下がり、市場が縮小していく時期になります。市場が縮小していく要因としては、より魅力的な新世代の商品が台頭する、年月の経過によって商品自体が顧客のニーズに合わなくなる、などが挙げられます。市場の衰退期を適切に見極め、維持コストがかからないように生産・流通・広告などの規模を小さくしていくことが求められます。

5.2.3. 事業を機能ごとの価値で考える「バリューチェーン」

バリューチェーンとは、自社や他社の事業を機能ごとに分け、どの部分でどれだけの付加価値が生まれているのかを分析することで、自社事業の他社との差別化や、課題の洗い出しなどができるフレームワークです。事業を価値(Value)の連鎖(Chain)として捉えることから、バリューチェーンという名前が付けられています。
以下の図のように、
・主活動:製品の製造から販売までの一連の流れに大きく関わる要素
・支援活動:主活動の支援のために行われる活動
の2つに分けられ、それぞれについてどの程度の付加価値が生まれているのかを明らかにしていきます。


図4 図式化したバリューチェーン

5.2.4. 生産技術改善において4つのプロセスで考える「PDCAサイクル・OODAループ」

生産技術において品質管理などを継続的に改善する手法で、
「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)」(※ActについてはActionと名詞で言われることも多い)
の4つのプロセスの頭文字を取ったものです。サイクルを1周して得られたAct(改善点)を次のPlan(計画)に反映させることで、サイクルを何度も回し、継続的に業務改善を進めていきます。

※OODAループについて
PDCAの代わりとしてOODAループというものも存在します。OODAとは、
「Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(行動)」
の4つのプロセスの頭文字を取ったものです。
PDCAサイクルのデメリットである、改善までに時間がかかる点、既存の計画に依存しやすい点を克服した業務改善の手法として、戦略立案などで用いられています。

6. MECEに考える際の注意点

すべてのことがらにおいてMECEに分解することが有効である、というわけではありません。以下のような注意点を意識してみてください。

6.1. MECEにこだわりすぎない

MECEにこだわりすぎて、全体への影響がごくごくわずかである小さな要素まですべて考えた結果、逆にわかりづらくなるといったケースがあります。要素として考えるべきかどうかの判断に迷った際は、どうして今MECEに分類しようとしているのか、その目的に立ち返って考えるとわかりやすいでしょう。
※ただし、MECEに分類していない場合、特に数値データで比較したい場合などで計算が合わなくなるため、注意が必要です。

6.2. 目的を持って分類する(やみくもに分類しない)

前章でご紹介したフレームワークを見てもわかるように、分類の仕方によって得られる結果は大きく変わってきます。要素で分類したいのか/時期で分類したいのか、要素で分類するのであれば人に着目して分類したいのか/お金に着目して分類したいのか、など目的に沿って考えるようにしましょう。

6.3. MECEな分類が難しそうであれば枠だけ設けておく

MECEに分類したいが要素としてわからない部分があるという場合は、その場所を「XXX」などとして枠だけ作っておく方法もあります。こうすることで見落としていることがある、ということには気づけていると確認することができます。

7. まとめ

MECEとは何か、そしてその活用方法についてご紹介してきました。概念として理解することは簡単ですが、実際に活用するのは思いのほか難しいものです。ご紹介したフレームワークを使ってみたり、それ以外にも様々なことがらでMECEに分類するというのを実践することで、MECEに考えるクセを身につけてみてはいかがでしょうか。

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