経営共創基盤|ものづくり戦略カンパニー(マネジャー 三井様)
Post Date:
2019-04-10 /
Category:
日系, 独立系, 戦略, 製造・通信・メディア,
「過去の自分を振り返って、悶々としているのであれば一緒にやりましょう」と申し上げます。今の会社にご不満を持たれている方もいらっしゃると思いますが、そこで悶々としていても解決はしません。それを変える仕事をし、一緒に楽しみたいということをお伝えしたいです。
もちろん苦労もありますが、私自身、ものづくり戦略カンパニーに入社して本当に良かったと実感しています。迷っていらっしゃるのであれば、一緒にやっていきましょう。
ご経歴について
EL
ものづくり戦略カンパニーへご転職された経緯をお聞かせいただけますか?
三井様
事業会社で設計業務に従事していました。お客様のニーズを図面に落とし込み、それを量産ラインで立ち上げるという一連の流れを担当しておりましたが、その仕事の中で「なぜ今、この図面を描いているのか」ということに疑問を持つようになりました。どのようなことかと言いますと、お客様と接点がある営業の方はお客様のニーズを伝えてくる一方で、「それをどう売るか」という議論になると「自分の会社の看板で売ればいい」という話をします。そのため、お客様へより満足度の高い商品を提供するためには、どんなニーズを優先し、どんなニーズは諦めるのかというメリハリをつけた商品企画を行うことができない状況だったのです。
一方で、量産ラインを立ち上げようとすると、設備投資が必要となるなど、工場の事情もあり「やるべきか、やらないべきか」という判断がなされないまま、「とにかくやっては駄目」という理論が先行するような状態でした。結果として「お客様の求めるもの」も「実際に作れるかどうか」も全く分からない状況でした。
そのような状況を設計という立場で変えようとしても、営業と工場との関係性もあり難しく、「設計という立場にいると、できることに限りがある」と考えるようになりました。それならば、このような問題点を是正する仕事に就きたいと考えたとき、コンサルタントであれば解決できるのではと思ったことが、コンサルティング業界への転職を決めた経緯です。とは言え、これまで設計者として図面を描いてきた自分が、P/L・BSを元に仕事をしていくということにイメージが湧かずにいたのですが、色々とコンサルティング会社を探していく中で、製造業に特化した専門組織である経営共創基盤(IGPI)ものづくり戦略カンパニーに出会いました。
弊社の特徴は、ものづくり現場の改革を重視する一方、ものづくり改革論点を如何に経営課題とリンクさせるか、ということを徹底的に考えることにあります。ものづくりの現場というのは、正に先ほど申し上げた、お客様のニーズを製品という形で、工場でどう具現化し、それをどう売るかという一連の流れそのものです。お客様と工場を繋ぐ真ん中に立つ仕事である、設計業務をバックグラウンドとする私であれば、両方の事情が分かるため、これまでの経験を活かした貢献ができるのではと思い、ものづくり戦略カンパニーに転職をしました。
プロジェクト事例について
EL
ご入社された後は、どのようなプロジェクトに関わられたのでしょうか?
三井様
これまでに三つのプロジェクトに関わってきました。 一つ目は、材料費削減を通じたコスト競争力強化プロジェクトです。二つ目は、製造現場の生産性向上プロジェクト、三つ目は、商品ラインナップ戦略策定プロジェクトです。三つのプロジェクトを通じ、商品企画~開発・設計~製造~調達という、ものづくりを構成するバリューチェーンを網羅した経験が出来ました。
複数のプロジェクトを通じ、バリューチェーン全体を俯瞰して経営を捉える視座が身に付いたと思います。このものづくりを俯瞰した視座を身に付けられるということが、弊社で働く醍醐味なのではと考えております。
EL
一つ目のコスト競争力強化プロジェクトについて詳細をお話いただけますか。
三井様
当時リーマンショックからの立ち直り時期で、クライアント企業の売り上げが順調に回復しない状況の中、どのように利益を確保していくかという経営課題がありました。
売り上げが伸びないので、利益を確保するためには原価を下げる必要がありました。そのような中で、原価で大きな割合を占めているものが何かというと「材料費」で、その割合を下げ、その分を利益に変えましょうというのがポイントでした。原価低減と言いましても、単純なやり方ですとサプライヤーに対し、「いいから下げろ」と机を叩くというように力を使うのが一番簡単です。しかし、それには限度がありますし、サプライヤーとの関係を崩してしまいます。本プロジェクトでは、そうではないやり方で、しかも中長期的にコスト競争力を維持できる原価低減とは何か?ということを追求しました。
加えて、原価低減の方向性が定まったとしても、それを実際に実行できないと全く意味がないため、実行体制の構築も同時に行いました。
EL
原価低減に関して、具体的にどのようなことをされていらっしゃるのでしょうか?
三井様
原価低減、特に部品・材料費低減については、サプライヤーにおける固定費と変動費で分けてお話した方が分かり易いため、それぞれについて説明します。
変動費はサプライヤーが買っている材料費や部品費が挙げられますが、買い手であるクライアント企業の設計部門が指定する図面によってその内容が変わるため、いい材料、いい部品を使えば当然高くなります。
固定費はサプライヤーの設備投資や開発投資などが挙げられます。設備投資の例ですと、部品形状が変わり、既存プレス機の圧力能力では対応できなくなるような場合、設備改造や新規導入のための投資が発生します。
変動費、固定費どちらにおいても、部品の材料、形状といった設計内容が価格を左右します。そのため、買い手側の設計部隊に部品仕様の何を変化させると変動費と固定費の増加に繋がるのかを明確に提示できるかどうかがポイントとなります。
クライアント企業の調達部門もちろん日々の原価低減には取り組んでおられ、サプライヤーへの交渉や、相見積もりを取ることは実施しておられました。今回お話しした事例では部門の壁を越え、設計部門も巻き込むことでさらに原価低減を進めることができました。この事例のように我々としては、クライアント企業の既存の取り組みを超えた何かを提示しなければ、ご支援させて頂く意味がありませんし、経営課題も解決できません。クライアント企業の既存の取り組みを超えるため我々は、サプライヤーのものづくりを考慮した原価低減の方向性を考えるアプローチを取っております。
本プロジェクトにおいては取り組みが功を奏し、為替変動による売上減となる中、原価低減により増益を達成することができました。
EL
商品ラインナップ戦略策定のプロジェクトについても詳細を教えていただけますか?
三井様
お客様に対してどのような商品を提供すれば良いのかと、その商品に掛けるコストのバランスをどう取るべきかを検討するプロジェクトとなります。
良いものを作ればお客様に喜んで頂け、商品も売れるのですが、そこにコストがものすごく掛かっていると、売れたとしても結局儲かりません。一方で、コストを落とすため、お客様に提供する商品価値を下げると、今度はお客様に買っていただけず儲かりません。そのため、どれくらいの商品性のものを、どれくら いのコストをかけ実現するかというバランスを見える化して、中長期的な商品ラインナップの方向性を策定するというのがプロジェクトの内容です。
このプロジェクトのポイントは図面がない段階で費用を見積もることにあります。先ほどお話しした通り、コストは製品設計で決まります。しかし、この事例では中長期的な話ですのでどんな設計にするかまだ固まっていない段階で費用を見積もる難しさがありました。もちろん、魔法のように簡単に解決できることはありませんので、ものづくりの基本に基づいたアプローチをとりました。将来の商品ラインナップとそれらの商品性、つまり機能や性能を仮定したとき、費用がどう決まるのか解き明かすアプローチです。
具体的には商品の機能、性能をどのような構造体、部品構成で実現すると将来も競争力を持ち続けられるのか、どんな部品なら安く調達できるのか、それらを加工、組立てる工場はどんな体制であれば生産性が高くなるのか解き明かすということです。当然ながら我々には製品の専門知識はありませんので、クライアント企業の各部門から叡智を集結し、我々が持つものづくりの基本的な考え方に則り整理することで、プロジェクトを推進することができました。
このプロジェクトで苦労したのは、商品性とコストの天秤を作ることが非常に難しいことでした。「こういう商品性にしよう」と具体的に商品コンセプトを策定すると、その時、この商品はどのような部品構成になり、それぞれどのような素材や性能の部品を使うのか、どんな構造を取り、どんな形状を取るのかなどを整理していくことができるようになります。言葉で言うと簡単なのですが、顧客要求、スペック、部品構成、材料費を紐付けていく作業は一筋縄ではいきません。一つ一つの要素を整理、紐付けていくことで、結果、商品性とコストの天秤を作り上げることができました。
クライアント企業においては、従来の商品ラインナップ策定は、過去からの暗黙前提、あるいは声の大きい役員の意思で方向性が決まっている節があり、必ずしもマーケット、コスト視点で最適化できているとは言い難い状況でした。本プロジェクトを通じて、商品性と費用の関係性を可視化できたことで初めて商品企画、設計、工場が同じ土俵で方向性を議論、意思決定できるようになりました。
本プロジェクトは私が転職をするに至った理由である、お客様のニーズ(今回は商品企画)と、工場(今回はコスト)を設計で繋ぎ、事業全体として最適化を図ることを体現できたプロジェクトになりました。
求める人物像について
EL
一緒に働きたい方の人物像をお伺い出来ますか。
三井様
一言で言うと、やり抜く気概を持った方です。というのも、立てた戦略を実行するというのは非常に難しいことです。そのため、苦しいことがあったとしても、それを乗り越える意志を持つ方と一緒に仕事をしたいと思っています。
また現場に入って仕事をしていると、地道な作業の積み重ねをする場面も出てきます。「コンサルタントはプレゼンをして、経営者に意思決定をさせていくものだ」、というような、華のあるような仕事を想像してしまいがちなのですが、実際は非常に泥臭く地道な作業の積み重ねとなります。積み重ねがあるからこそ良い提案ができると考えています。
泥臭い作業を積み重ねていく過程で「あれっ、これをやりに来たんじゃない」というように、ストレスを感じることもあるかも知れません。ただ一方で、この作業を乗り越えないと、本当にやりたいことには繋がらないと考えており、この積み重ねをやり抜ける方と一緒に働きたいと思っています。
ものづくり戦略カンパニーの魅力について
EL
御社で働くことの魅力について教えていただけますか?
三井様
一番は、お客様(会社)を変えたという実感を得られます。
最初に申し上げたように、設計者ではできないようなことが提案できます。かつ、それを実行し切る体制を作り、それが経営的なインパクト、例えば、利益率や売り上げという数字になって出てきます。そうすると戦略~実行~結果が出るという一連の流れを全て体感することができるため、「やり切る」ことで貢献できたという実感は湧きますね。最終的には経営の数字で自分が関わった仕事の成果が確認できるということは魅力です。
あとは、数字まで出てきたところで、「一緒にできて良かったです」とか、「ありがとうございます」と言っていただけると、自分の存在意義があったなと思えます。訳も分からず図面を描いて、判子を押していた過去より、よっぽど実感があり、社会に対して貢献できていると実感があります。
また、最初にも申し上げ繰り返しになりますが、複数のプロジェクトを通じ、ものづくりを構成するバリューチェーンを網羅する経験が積め、バリューチェーン全体を俯瞰して経営を捉える視座を身に付けることができます。このものづくりを俯瞰した視座を身に付けられるということが、弊社で働く醍醐味なのではと考えております。
候補者の方へのメッセージ
EL
最後に応募を検討している候補者の方に対して一言いただいてもよろしいでしょうか。
三井様
「過去の自分を振り返って、悶々としているのであれば一緒にやりましょう」と申し上げます。今の会社にご不満を持たれている方もいらっしゃると思いますが、そこで悶々としていても解決はしません。それを変える仕事をし、一緒に楽しみたいということをお伝えしたいです。
もちろん苦労もありますが、私自身、ものづくり戦略カンパニーに入社して本当に良かったと実感しています。迷っていらっしゃるのであれば、一緒にやっていきましょう。
企業プロフィール
Profile
株式会社 経営共創基盤
この企業の詳細情報-
三井 喬士 様
マネジャー
大手自動車部品メーカー・電子部品メーカーで製品の企画・設計・量産化など設計開発業務を経験。 その中で開発力強化のための組織体制構築プロジェクトやITシステムの企画、導入、定着化も担当。 IGPI参画後は調達戦略立案プロジェクト、製造現場の生産性改革及び、次世代アーキテクチャ戦略立案、アー キテクチャ戦略に基づく、商品/開発/生産戦略立案、実行支援に従事。 慶応義塾大学理工学部卒、同大学院理工学研究科修了