Consulting Industry Information
コンサル業界情報
コンサル業界情報について、市場規模やこれまでの歴史、
ファームごとの特徴について詳しく解説しております。
各ファームの代表的な企業情報も合わせてご覧ください。
Classification
コンサル会社 業界分類
今では戦略、IT、人事、ファインナンスなどのテーマから、製造、小売、医療など業種に特化したものまで多種多様な コンサルティングファームが存在します。特徴別に業界を分類しましたので、活躍するファームと合わせてご覧ください。
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戦略系ファーム
大手のグローバルカンパニーの経営層に対して、CEOが抱えるCEOアジェンダに対し、戦略面等でコンサルティングを行う。インダストリーやテーマについては全社経営戦略、M&A戦略、M&A後の統合戦略、新興国進出戦略などプロジェクトテーマについても幅が広いことが特徴です。
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業務・IT系ファーム
企業の業務プロセス、オペレーション等に対し業務改善を行うことで経営改善を行っていくのが特徴。業務改善に紐づくかたちで、ERP導入、SI、BPOなどの実行までを一貫して場合もある。コンサルティングテーマは、戦略策定、M&A、会計支援、CRM、SCM等幅が広く、一定以上のキャリアについては、特定の領域ごとのチームに所属することが多く、キャリアとしては特定領域の専門性を身につけることができます。
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シンクタンク
民間企業に対してのマネージメントコンサルティングやITコンサルティングを行うとともに、官公庁向けのリサーチ業務、政策提言、エコノミスト等の幅広い業務領域をカバーしています。
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組織・人事コンサル
クライアント企業に対して人事制度設計、評価制度、役員報酬などの人事領域におけるコンサルティングを行います。近年では、M&Aに伴う合併に関わる制度統合などのプロジェクトも多い状況。また、組織風土改革や人材開発・教育開発、チェンジマネジメントなどの人・組織に関わる制度以外のソフト面でコンサルティングの提供も行っている。
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FAS
M&A(合併・買収)に関わる経営戦略の決定から相手企業との契約締結までの複雑なプロセスにおいて、各種コンサルティングを提供します。コンサルタントとしてのキャリアとしてはコーポレートファイナンスにおける知見を高め、M&Aにおける戦略策定、バリエーション、モデリング等特定領域における専門性を高めていくことが可能です。
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事業再生・
ハンズオン型支援経営戦略の策定から実行までを一貫して行い、また実行の際は自ら組織内部に入り込んでいくことで、企業価値を高めていくことを目的としていることが特徴。状況に応じて、デッドの保有、エクイティ投資を行い、支援先の支配権・経営権を保持し、マネージメントとして参画し、経営を行なう場合もあります。支援先についてはファームごとに特徴があり、ベンチャー投資や新規事業開発、企業再生などファームの経営陣の特性によってデーマが異なります。
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監査法人
監査法人での監査業務を行うとともに、監査クライアント以外の企業に対してはビジネス、システムなど多岐にわたるアドバイザリー業務を行います。
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ミドルマーケット
ミドルマーケット(中堅・中小企業)が抱える様々な経営課題を解決することを目的に、経営計画立案支援や事業再生、事業承継、M&A、IPO支援、組織改革、人材育成、情報セキュリティ関連など非常に幅広い領域を支援しています。大手企業をクライアントとするコンサルファームと比べ若手コンサルタントの裁量権が非常に大きく、自ら営業活動を行うことで、自身の手掛けたい案件を自らの力で獲得していくことも可能です。また、直接クライアント企業の社長と話す機会も多く、経営者と深いリレーションを築区ことが出来るので、長期的に企業を支援して行きたい方にはフィットしているコンサル領域といえます。
Market Scale
コンサルティング業界の市場規模
日本におけるコンサルティング業界の市場規模ですがIDC Japanの調べによると 2016年は前年比4.8%増の6,792億円。ビジネスコンサルティングだけの市場規模ですと、前年比7.0%増の3,625億円で経営コンサルティング領域ではかなり伸びていることがわかります。
最近では各ファームの採用意欲も増し、増収増益を記録するファームも多いことから現在の市場規模はこれ以上だと推測されます。 年間平均成長率(CAGR)は3.9%で2021年には8,238億円に達する見込みとなっており、オリンピック需要などを鑑みますと、さらなる市場拡大が予想されます。
ちなみに、北米でのコンサルティング業界の市場規模は2017年で10兆円強で世界のコンサルティング業界の約40%を占めいていると言われており、北米での年間平均成長率も3~4%を前後しています。(北米のコンサルティング市場は英国とドイツのコンサルティング市場(ヨーロッパの強国)よりも5倍から10倍大きい世界最大の単一市場と言われております。)
History
コンサルティング業界の歴史
「コンサルティング」というビジネスは19世紀末アメリカで誕生しました。当時、技術者であったフレデリック・テイラー氏が工場での作業に「作業単位の分割」と「単位ごとの時間」に基づく「科学的管理」を取り入れ、見事工場を蘇らせました。その後、同氏がこの考え方を様々な工場に導入する支援を行ったことがコンサルティングの始まりだと言われています。
この時代は個人でコンサルティングを行う人がほとんどで、現在のようなコンサルティングファームはありませんでしたが、次第に個々が集まり共同事務所を開くようになり、徐々に「コンサルティング」というものが社会に浸透していくようになります。
世界最初のコンサルティングファームは1886年マサチューセッツ工科大学のアーサー・D・リトル博士により、大学内に設立された「アーサー・D・リトル」の前身である「グリフィン&リトル」です。初期のコンサルティングは「効率化」という観点のコンサルティングで、現在の業務改善・業務改革・BPRに近いスタイルのコンサルティングを行っていました。
次第に「経営戦略」という視点でCEOなど経営責任者が扱うテーマを助言する戦略コンサルティングファームも誕生してきます。 1914年、エドウィン・ブーズがシカゴにファームを設立(後のPWCストラテジー)、1926年、前身であるカーニー・アンド・マッキンゼーが分裂しジェームズ・マッキンゼーがニューヨークオフィスを率いてマッキンゼーを、アンドリュー・カーニーがシカゴオフィスを率いてA.T.カーニーをそれぞれ設立するなど、現在も業界をリードする外資系大手コンサルティングファームが誕生してきました。
19世紀後半は企業の大型化に伴い、役職の階層が生まれ管理職というポジションも生まれました。こうした流れを受けて、今でいうMBA、経営学を学ぶ学部が各大学に出来始めます。
一方で「経営コンサルティング」という言葉確立されたのはもう少し先の時代になります。現在では知る人ぞ知るトップファームであるマッキンゼーアンドカンパニーが「経営コンサルタント」という職業を確立していきます。当時中心的な役割を担っていたマービン・バウアーがコンサルタントの職業規範ともいえる「あるべき姿」を作り上げていきました。彼が経営コンサルティング産業の父と呼ばれる所以です。
また「コンサルティングスタイル」が変わったのもこの頃です。それまでは経験者しかコンサルティングができない、いわばその人の人生経験から提言するというスタイルから、新人でもファクトベースでデータや定量化された事実に基づいてコンサルティングを行う手法に方針転換します。論理的思考や経営理論からクライアントの課題と向き合っていく現在のコンサルティングが確立されました。
その後、コンサルティングファームとしては、1963年、アーサー・D・リトルからスピンアウトしたブルース・ヘンダーソンがボストンコンサルティンググループ(BCG)を、またそのBCGからローランドベルガーがスピンアウトし、ミュンヘンにローランド・ベルガーを設立。1973年にはBCGからスピンアウトしたビル・ベイン他4名によりボストンに、ベイン・アンド・カンパニーを設立するなど、20世紀後半はコンサルティングという職業が台頭していく時代となりました。