株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー|コンサルティング本部 公共・公益ユニット|代表取締役社長 坂本 俊輔 様、ユニット長 渡辺 恵士朗 様 インタビュー
Post Date:
2025-02-05 /
Category:
IT・デジタル, 日系,

株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー(以下、GPTech)の代表取締役社長 坂本 俊輔 様、公共公益ユニット ユニット長 渡辺 恵士朗 様にインタビューの機会を頂戴し、GPTechにおける特徴、ビジョン、求める人物像についてお話いただきました。(※法人名、組織名、役職、インタビューの内容等は取材当時のものです。)
ご経歴について
EL
これまでのご経歴と、貴社への入社の決め手についてお伺いできますでしょうか。
渡辺様
新卒で製造業界にて管理会計業務を経験後、独立系のITコンサルティングファームへ転職し、その後、大手コンサルファームも含め数社を経験しました。公共機関向けの支援をメインで担当しており、中央省庁、独立行政法人、地方自治体向けのITコンサルタントとして、ITの調達の支援や発注側の要求定義、要件定義、RFIやRFPの作成、予算要求の支援などに従事しておりました。発注担当者と一緒に作り上げていく支援をしていたことから、より発注側の支援に特化したいと思い、発注支援を主事業としているGPTechに入社しました。
コンサルファームはクライアントファーストと言いつつ、利益重視な側面もあり、そこに疑問を持っていたのですが、GPTechは自社の利益を重視するのではなく、発注者の支援をすることで公共組織を良くしていく、さらにはその先にいる国民や住民まで見据えて活動していると感じられ、そういった理念に大きく共感したことも入社の決め手でした。
経営理念について
EL
貴社の経営理念について教えてください。
渡辺様
「この国の、システム発注の常識を変える。」を経営理念に掲げております。公共組織においてはITガバナンスの一環として、調達、システム調達、システム発注のプロセスがあり、IT調達組織のガバナンスを向上することによって、システム発注の常識も変わっていきます。「システム発注の常識を変える」という弊社の経営理念を、公共組織でのITガバナンスの向上を図り、公共サービスの変革を実現していくことで実現していきたいと思っております。
坂本様
経営理念で「常識を変える」と謳っているからには、相当な影響力を持たなければいけないと思っています。ITガバナンスの支援というものは、その組織にある全調達に関わるので、1法人としか取引をしてなくても、そこに100システムあれば100件以上の調達を変えることができ、私たちの考える調達モデルを浸透させていくということができます。言い換えると、1人のコンサルタントが関われる調達の件数が圧倒的に違うということです。
公共公益ユニットについて
EL
公共公益ユニットの組織規模や、中期目標について教えてください。
渡辺様
組織人数は現在11名です(2025年1月時点)。当ユニットでは、公共団体のIT調達組織全体のガバナンスを向上することによって、個別システムのプロジェクトの成功確率も上がると思いますし、その先にある公共サービス自体も変革を実現していこうということをビジョンに掲げております。個別のプロジェクトをより良くしていくことも大事だと思いますが、組織全体としてのガバナンスが最も大事だと思っております。
中期目標としては、公共機関、特に独立行政法人でのPMO(ポートフォリオ・マネジメント・オフィス:全体管理組織)領域でナンバーワンを目指しています。独立行政法人は現在87法人しかありませんので、シェアではすでにナンバーワンだと思いますが、それを一時的なものではなく、継続していくことが大切だと思っています。我々の提供するサービスの質を向上させるとともに、支援させていただく組織数も増やして、3年後には量・質共にナンバーワンの実績を目指して活動しております。
ガバナンスが弱いために個別プロジェクトが上手くいかない組織がまだまだ多くありますので、組織全体のDXを含めガバナンスを推進していくことで、その先の公共サービスを向上させ、社会を変革していきたいという思いがあります。
EL
案件の特徴について教えてください。
渡辺様
公共組織全般では、主にITガバナンスやITマネジメント領域の支援を行っております。例えばITガバナンス領域では、某独立行政法人で、CIO補佐官・CISOアドバイザーをさせていただいておりまして、発注プロセスの改善や、各部署調達仕様書のチェック、あとはコストが妥当かどうかのチェックなどを行っております。
また組織全体のITガバナンス向上の取り組みとして、各部署がITの発注をするにあたって、組織全体の調達仕様書のひな型を作ることの支援や、情報システム台帳整備の支援、調達情報や予算情報の管理をするにあたってのルールやプロセスの策定も行っています。そのほか、個別研修、職員向けセキュリティー研修、IT調達の調達仕様書の作り方に関する研修、IT調達に関する研修、最近ではクラウドに関する研修などを行うこともありますね。
公共領域のおけるGPTechの強みについて
EL
公共機関向けの支援において、貴社ならではの強みについて教えて下さい。
渡辺様
代表の坂本が政府CIO補佐官の経験があり、坂本のノウハウを活用し、活動や成果物のレビューを坂本に直接受けて、クライアントに提供できることが最大の強みですね。IT調達に関する政府の標準ガイドラインは坂本が作成に携わっており、詳細や背景まで分かるのでクライアントを支援する際に大きな強みになっています。
坂本様
標準ガイドラインに何故こういった記載があるのかといった背景や作成に至った裏話まで含めて知っているので、それを踏まえてレクチャーできるのは他社には無い環境だと思っています。特に公共機関への支援においては、私の知見が圧倒的な強みになっていると思っています。
渡辺様
キャリア形成という観点でも、坂本の直下でノウハウを得たり、レビューを得たりができることは自身のスキルアップという面でも大きなメリットだと思っています。
今後案件拡大をしていく領域、提案活動について
EL
公共公益ユニットで今後案件拡大していく領域について教えてください。
渡辺様
大きく二つあります。一つは、支援先の法人数の拡大ですね。地方自治体に関しては、「PMOの設置やガバナンスってそもそも何?」というようなところがまだ多いだろうと思っていますので、まずは地方自治体向けにガバナンスの重要性を理解していただいて、価値に共感していただけるお客さん先を探していこうと考えております。
もう一つは、既にお取引のある公益法人や公共団体に対して、そのガバナンスのレベルを上げていきたいと考えています。弊社はサービスの一つとしてITガバナンスの成熟度診断を実施しておりまして、その中に現状のガバナンスレベルの把握と、次のステップとして何を実行していくかというアドバイスやその計画の立案も含めて支援をさせていただいています。
EL
どのように営業活動をされているのか教えていただけますでしょうか。
渡辺様
独立行政法人と地方自治体で大きく異なります。独立行政法人の場合は、中央省庁で仕事をしていた坂本の存在の認知により参画しているケースが多いですね。坂本が外部のセミナー講演等で情報発信をしており、そこから直接ご相談をいただくこともあります。ご相談が増えている背景としては、今まで主要な中央省庁だけがPMOを設置していたものを、独立行政法人もPMOを設置するように、という国からの通達が出たことがあります。「PMOを設置するにしても何から手を付けていいのか」と困っている独立行政法人からご相談をいただきます。実績を積み上げて評価いただいたことで、他の法人からもご相談も増えています。
自治体については、支援実績を積みながら、弊社の知名度を上げる取り組みをしている段階です。これまでの自治体への支援実績を持って、既存のお客様やお付き合いのあるベンダー経由で紹介していただくなどして、自身で新規開拓し、クライアントを増やしていっております。今後はこれまで独立行政法人に対して行ってきたような情報発信をしていき、知名度向上と自治体側からご相談いただける形も作っていきたいと動いています。
求める人材、面接選考での確認ポイントについて
EL
求める人材について教えてください。
渡辺様
独立行政法人、中央省庁、地方自治体などの公共組織において、何かしら情報システムの調達やシステム刷新に関わった経験をお持ちの方が弊社の業務に一番スムーズに入ってこられると思います。
坂本様
我々には現在活躍されている方を引き抜きたいという思いはありません。情シス業務を経験して身に着けたスキルをもっと磨いていきたいけれども、定期的な異動があって今の組織の中ではどうしてもそれが叶わないという方に来ていただけたらと思っています。実際、入社いただいた自治体出身の社員は100%がそのような方です。
独立行政法人の場合は、法人規模によっては情報システムの専用職員として雇われていて、異動がない方も多いかと思うので、異動がある独立行政法人におられて、前述同様にスキルを磨いていきたい方が向いておられると思います。また、中央省庁で、民間から任期付きで情報システム専用職員として採用された方で、任期満了し、次の職はどうしようかと考えているような方も歓迎です。
EL
マインド面や、ソフトスキルの面ではいかがでしょうか。
渡辺様
今いる組織に対して、自分なりに何かしらの課題や問題意識を持って、そこを変えていきたいという思いを持っている方を求めていますね。弊社はその課題を解決できる環境であると思っておりますので、そういった課題解決、課題感を持って、なおかつ弊社と課題意識の方向性が合うという方がマッチすると思います。
コンサル未経験の方は、その課題感をきちんと自分の言葉で語れるかという点も大切にしています。ネット検索をすれば、自治体や政府が抱える課題を調べることはできますが、そういった情報や第三者の意見ではなく、自分で感じたことを自分の言葉で「こういう課題があって、それをこう変えていきたい」と語れる方が当社のコンサルタントに向いていると思います。
EL
面接選考の中で確認しているポイントを教えて下さい。
渡辺様
「10年後にどうなっていたいか」ということをお聞きしています。その10年後のビジョンのために、GPTechで積むキャリアが役に立ちそうか、一緒に成長していけるかという点をすり合わせたいと思っています。
坂本様
私は面接の中で、これまで経験したプロセスに加えて「今の貴方だったらどうやりますか?」ということもお聞きしています。「当時は未熟だったけれど、今の成長した自分であればこの部分をこういう風に変えて上手くいくはずだ」ということや、あるいは、「この部分はできるけれど、ここは今でもできるか分からない」など。普段から自分なりに考えてる方であれば、仕事をする度に、自分なりにPDCAを回してる人だと思っており、そういう人がコンサルタントに向いていると思っています。
得られる知識・スキル、コンサル未経験者向けのサポートについて
EL
公共公益ユニットでは、どのような知識、スキルを得られるのでしょうか。
渡辺様
自治体出身の方については、IT調達に関する国の標準ガイドライン、弊社が持っているIT調達のプロセスに関するノウハウもありますので、そういったルールやプロセスを体系的に学ぶことができます。
またITのマネジメントで培った経験を活かして、組織全体のITガバナンスの経験を積んでいただきます。そうしていきますと、組織全体としてのシステムの方向性や戦略も見えてくるかと思います。その後、上段のCIO補佐官やアドバイザーなどの経験を積んでいただき、ゆくゆくは独立して個人でCIO補佐官やアドバイザーというキャリアも見えてくると思っております。そういったITガバナンスの領域に沿ってスキルアップしながら、個人のキャリアとしてもステップアップができるかと思います。
坂本様
補足になりますが、私は会社を極端に大きくするつもりはないです。地力が付いて一定のセルフブランディングもできたら自治体でも民間の事業会社でも、その組織を強くするために飛び出していってもらっても構わないと思っています。社会貢献を理念として強く持っており、中途採用したCIO予備人材をCIO人材として社会へ還元することも貢献の1つだと考えています。ですので、セルフブランディングや将来独立したいという方にとっても、弊社は良い環境だと思っています。
EL
コンサル未経験でご入社される方に対して、どのような支援体制がありますか。
渡辺様
自分自身がコンサル未経験でしたので、未経験で入社した際に苦労する点は分かっているつもりですし、適切なアドバイスができると思っています。中途で入社されて間もない方の場合、毎週1回以上1on1の機会を設けています。数カ月経ったメンバーでも、ほぼ毎週1on1の機会が継続する場合もあります。私が北海道におりますので、直接会うことはなかなか難しいのですが、オンラインで出来るだけコミュニケーションを取るように意識をしています。
対面で同じ事務所にいても相手が忙しそうで、なかなか話し掛けづらい場合もあると思いますが、オンラインであることの利点を生かして、強制的に時間区切って「その時間を自由に使っていいよ」という形にするなど、私に対して話しやすい環境も作るようにしてますね。
EL
リモートワーク環境の中で、社内コミュニケーションや、クライアント対応をどのようにされていますか。
渡辺様
目的に応じて、チャットを活用したり、オンライン会議を実施したりコミュニケーションのやり方も変えるようにしています。例えば、具体的な文章や成果物のレビューの場合には直接資料上でやりとりをしています。一方、コンサルタントとしての振る舞いやアピアランス関連の話であれば会話をしています。目的やどのように育成が必要かに応じて、コミュニケーションの仕方を変えていっています。
対クライアント向けは、プロジェクトの状況や必要に応じて、現地訪問とオンラインを併用しています。独立行政法人のお客様はオンラインの場合が多いですし、自治体のお客様の場合では最初は対面の場合が多いですけれども、慣れてきたらオンラインの回数を増やす場合もあります。また、基本的に複数人でプロジェクトに入りますので、その中でも連携を取りながら進めています。
GPTechで働く事の魅力について
EL
改めて貴社で働く事の魅力について教えて下さい。
渡辺様
コンサルっぽくない、というのが魅力だと思っています。私自身がGPTechに転職してきた理由も、大手コンサルファームなど様々なファームを経験した中で、他のコンサル会社よりコンサルっぽくないところに惹かれたところがあります。先ほどお話したことと重複しますが、利益重視では無く、ユーザ側や発注者側の立場に立った支援ができ、その先の社会貢献まで見据えて実践していることが一番の魅力だと思っています。加えて、スキル面も磨けますし、パッションを持った社員と共に働くことができる環境も魅力の1つです。
坂本様
当社の雰囲気としては、事業会社のような連帯感と、コンサル会社的なロジカル思考や合理的な判断といった要素が両立している感じですね。社員が渡辺のように当社の経営理念に皆共感してくれているので、共通言語、共通の価値観があって、強い連帯感があるんですよね。皆同じ方向を向いているので、メンバー間の軋轢なども無いですし、経営理念を実現するためには、どういう動きをしていくのが良いかといった議論を日々しています。
候補者の方へのメッセージ
EL
最後に、転職を考えられている皆さまへ一言お願いします。
渡辺様
転職を検討されている方は、何か今の状態に満足がいかなかったり、やりたいことが叶えられない障壁があったりするのだと思います。それを原動力にして、現状を変えていきたいというモチベーションで入社し、政府や自治体が抱えている課題解決に取り組んでいるメンバーが当社にはたくさんいます。同様に今ご自身で持っている課題感を原動力にして、社会を変えていきたいという思う方にはぜひ来ていただきたいです。
坂本様
当社には元々コンサルに全く興味なかった方も入社されています。他のコンサル会社へは興味を持たなかったけど、当社のコンサルであればやってみたいと入社された方も多いです。システム発注の常識を変える、という当社の理念に共感していただける方はぜひ一度話を聞きに来てください。
EL
本日は貴重なお話有難うございました。
企業プロフィール
Profile
株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー
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坂本 俊輔 様
代表取締役社長
2002年に大手SIerに入社。小規模ITコンサルティングファームを経て、2010年にGPTechを創業。以来、一貫してIT発注体制強化の支援に取り組んでいる。2017年に政府CIO補佐官に就任し、現在は農林水産省のITアドバイザーを務めている。
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渡辺 恵士朗 様
公共・公益ユニット ユニット長 マネージャー
2008年に新卒で大手メーカーに入社。その後にITコンサルティング会社へ転職し、大手ファームやブティック系ファームにてパブリックセクター案件を多数経験。2022年にGPTechへ入社し、現在は公共機関(地方自治体、独立行政法人等)向けのITガバナンス支援、PMO、CIO補佐官、CISOアドバイザー、システム調達支援、プロジェクトマネジメント、DX支援等に従事。