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Column特集記事

フリーランサーになる為の準備(個人事業主になるための手続き)

Post Date2020-04-03

昨今の働きかたの変化のなか、会社員との兼業・副業として、フリーコンサル・エンジニアとして働かれている方もいらっしゃいます。
しかし、フリーランスの働き方の主流は、個人事業主として登録して収入/支出を管理するという形です。
今回は、その個人事業主とはどのような形態なのか、個人事業主になるためにはどのような行政的な手続きがあるのかについて解説します。

  1. 個人事業主の概要
  2. 個人事業主になるための提出書類
  3. 年金と健康保険
  4. まとめ

個人事業主の概要

個人事業者の概要

個人事業主とは、会社に所属せずに(会社の設立もせず)個人で事業を行う形態のことを言います。特定の企業や組織と、雇用契約を結ばずに、案件毎に契約を結びます。
会社に所属しておらず、直接会社と契約を結べることから、同じ仕事量で会社員として働くより、多く収入を期待できます。さらに時間を契約次第で自由に使うことが出来る利点もあります。
その一方、自分の実力によって出来る仕事が大きく左右され、今まで会社が行なってくれていた税金の事務手続きを自ら行う、という不安要素もあります。

法人との違い

個人事業主になる準備をする点で、法人との違いを理解することも重要です。

設立方法の違い

法人の場合は、設立時に登記や定款の作成が必要となり、設立費用に30万円程度必要になります。一方、個人事業の場合は、税務署に「開業届」を提出すれば開業出来ます。設立費用はかかりません。

税金の違い

個人事業主の場合は、個人の所得と同様に収益に累進課税で税金がかかるため、所得が増えると多くの税金がかかります(所得税は最大45%)。一方、法人の場合は1人の会社であった場合も収益と、給与を分ける事が出来るので会社に留保する利益分は節税になります。

個人事業主になるための提出書類

ここからは、個人事業主として提出しなければならない書類について説明します。

開業届

個人事業主としてスタートするため最低限、提出する書類が開業届になります。

① 個人事業の開業廃業届出書
正式名称は「個人事業の開業廃業届出書」。これを開業から1ヶ月以内に税務署に提出しなければなりません。
マイナンバーの個人番号や銀行開設に使う予定の屋号の名前を記入する必要があります。
書類は、以下の税務署のホームページからダウンロードできます。
(参考:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

② 個人事業税の事業開始等申請書
都道府県税事務所に提出する届出書です。確定申告をすると自動的に都道府県に通知されるため①より重要度は低く、特に提出の必要性はありません。
(参考:個人事業税 | 税金の種類 | 東京都主税局

③ 開業届を出すメリット
開業届は提出が義務付けていますが罰則がないため、提出の必要はないというように誤解されています。ただし、提出に費用はかかりません。さらに、後述の青色申告承認申請書が提出できたり、3年間赤字の繰越が認められ、銀行口座を屋号で開設できる、等多くのメリットがあります。

 

税金関連の提出書類

次に、開業・開業後に個々に必要な書類を説明します。

① 青色申告承認申請書
確定申告の際に、青色申告ですと最高65万円の特別控除を受ける事ができます。提出の期限が開業後2ヶ月以内であるため、開業届を出すタイミングで「青色申告承認申請書」を提出するのが良いでしょう。この書類には、備付帳簿名を15個から選択する欄があります。
その中から、青色申告には最低「総勘定元帳」と「仕訳帳」が必要になります。それ以外は、それぞれのビジネスの特徴によって選びます。

・現金出納簿 現金勘定を行う場合
・売掛簿 売掛金勘定を行う場合
・買掛簿 商品の仕入れや、買掛金勘定がある場合
・経費簿 消耗品や電気代がある場合
・固定資産台帳 減価償却資産等がある場合
・預金出納帳 事業用口座がある場合
・手形記入帳 受取手形や支払手帳勘定の場合
・債権債務記入帳 借入金が発生する場合
・入金伝票 入金時に入金伝票を使う場合
・出金伝票 出金時に出金伝票を使う場合
・振替伝票 振替伝票を使う場合
・現金式簡易帳簿 「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出」を出した場合
(参考:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁

② 青色事業専従者給与に関する届出書
個人事業者は、原則として配偶者や家族への給与を必要経費とする事が出来ません。しかし、以下のポイントを満たす場合は例外となり「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出出来ます。
(1)個人事業主が青色申告者である事
(2)家族、配偶者が6ヶ月以上従事している事

③ 給与支払い事務所等の開設届出
従業員を雇って給料を支払う場合には、「給与支払い事務所等の開設届」の提出が必要になります。記入には、個人番号(マイナンバー)が必要になります。
(参考:[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁

④ 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
個人事業主で、給与を支払う人数が最大9人である場合に提出できます。
源泉所得税の納期は、毎月なのですが、それを年2回にまとめられるというものです。簡単な書類の提出だけで、不納付加算税や延滞税 の支払のリスクがなくなります。

(参考:[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請|国税庁

年金と健康保険

会社員から個人事業主になる場合、個人の年金と健康保険の制度が変わることにも気をつけなくてはなりません。
個人事業主は、国民年金と国民健康保険への切り替えが必要になります。
退職日より14日以内に居住する市町村役場に行き、手続きをする必要があります。
(参考:フリーランスの方々の収入について

 

《参考》青色申告と白色申告の違い

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。この2つの違いについて参考として説明します。
原則的に、特別な申請をしなければ白色申告になります。
青色申告をすると、
・最大65万円の「青色申告特別控除」を受けられる。
・家族への給与を経費として計上出来る。
・赤字の繰越ができる
といったメリットがあります。

ただし、青色申告は複式簿記で記帳する必要があるので、白色申告よりは複雑な作業が必要とされ、税理士に依頼することが一般的になります。

まとめ

今回は、フリーランスの主流である個人事業主になるための準備、手続きについてまとめました。開業の時期は、やるべき事が多く、提出書類は後回しになりがちですが、提出しないと税制上の優遇を受けられない場合もあるので、この記事を参考に確認してみてください。

弊社でもフリーのプロ人材の方に向けての案件紹介サービスを展開しており、税理士の紹介等も可能ですので、以下よりお気軽にご連絡ください。