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マッキンゼー(マッキンゼー・アンド・カンパニー)の行うデジタルトランスフォーメーションとは!?デジタル・マッキンゼーで働く人材要件を解説

Post Date2023-08-07 / Update-date2023-08-08 /
Category戦略コンサル特集 IT・デジタルコンサル特集

以前、デジタルトランスフォーメーションに関する解説を5回に渡って行い、先日はデジタルBCGが行うデジタル化支援に関する記事を掲載いたしました。
今回は、BCGと共に世界的なコンサルティングファームに名を連ねるマッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)のデジタル化支援とそれを担う人材について紹介していきます。
(マッキンゼーのデジタル特化のチームをデジタル・マッキンゼー(Digital McKinsey)と言います。)

  1. マッキンゼーの考えるデジタル変革
  2. デジタル組織を構成する6つの要素
  3. マッキンゼーの考え方
  4. 事例:資産運用会社の顧客体験の変革(海外事例)
  5. デジタル・マッキンゼーで働く人材

マッキンゼーの考えるデジタル変革

マッキンゼーHPより抜粋:

 新たなテクノロジーやデジタルの進化によって、企業を取り巻く環境はかつてないスピードで変化しています。経営者にとって、デジタルの活用は企業の命運を握る戦略上の重要課題です。私たちデジタル・マッキンゼーは、デジタル領域の高い専門性とマッキンゼーが持つネットワークを活かし、完全に中立的な立場から、クライアントのデジタル変革を支援します。

 デジタル・マッキンゼーのコンサルタントは、マッキンゼーのコンサルタントの一員です。他のコンサルタントと同様に、経営層が抱える様々な課題解決に取り組み、デジタル関連のみならず戦略やオペレーション等のプロジェクトに従事します。これにより、経営者視点での課題解決スキルと、デジタル領域の様々な専門性を磨き込むことで、各分野のエキスパートと共同しながら、以下のような取り組み(代表例)を通じて企業のデジタル変革を支援しています。

(引用元:https://www.mckinsey.com/jp/careers/digital)

デジタル・マッキンゼーでは、デジタル変革に関して以下の支援を行います。

  • デジタル戦略の立案とBOTによるデジタル変革の実行:
    デジタル技術を用いた中核事業の抜本的な変革および新事業の創出を支援
  • データ・アナリティクスからビジネス・ブレイクスルーの創出:
    企業が保有している膨大なデータから経営上の意味合いを分析し、戦略的なアクションを設計するなどして、データ・アナリティクスによる価値創造を支援します。また、経営者と共に事業全体のあるべき姿を考えることで、データの価値を最大化します
  • 全く新しいデジタル・エクスペリエンスの提供:
    デジタルまでを含めた、エンド・トゥ・エンドでの顧客体験の重要性が非常に大きくなっています。マッキンゼーに所属する世界トップクラスのデザイナーの知見、ベストプラクティスが詰め込まれた顧客体験の診断ツールなどを活用して、新しいデジタル・エクスペリエンスの提供を支援します
  • ITのモダン化・デジタル組織の構築:
    攻めのデジタル化を推進するためには、守りのIT効率を高める必要性があります。デジタル・マッキンゼーでは、ITのリーン化、IT調達の最適化、技術のモダン化などの支援を行い、IT投資の効率を高めます
    また、デジタル化の推進に必要な、デジタル組織のデザイン・能力開発及びパートナー・エコシステムの構築も支援します

デジタル組織を構成する6つの要素

マッキンゼーのインサイトによると、高い成果を発揮するデジタル組織を構成するためには以下の6つの要素が必要です。

(参考記事(英語):https://www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/six-building-blocks-for-creating-a-high-performing-digital-enterprise)

  1. 戦略と改革
    今日、デジタル戦略は既に必要不可欠なものとなっており、90%ものデジタルリーダーが戦略策定プロセスにデジタルを統合している。また、最善のデジタル戦略は過去の分析によらず、3~5年先に価値が変化するであろう場所を起点にビジョンを策定。
    デジタル戦略は戦略と実行の境界線を曖昧にしており、6割のデジタルリーダーが限定的なリリースとプロトタイピングによる実験によって戦略を実行している。
  2. 購買決定に至るまでのカスタマージャーニー
    マッキンゼーの研究によると、顧客体験を深く理解することで、顧客満足度を20%増加、収益を10-15%増加、費用を15-20%削減できることが分かった。
    こうした顧客の購入決定までのプロセス、それとは異なる製品の評価からブランドへの結びつきまで含めて理解することは、ビジネスを成功させるための基礎となりつつある。
  3. プロセスオートメーション
    プロセスの自動化は初期に適切な投資をしていれば、追加投資不要でランニングコストを下げられるという点で、大きな差別化要因となりうる。
    さらに、顧客満足度の向上にも繋がる。ある大手エネルギー会社の例では、サービスの継続更新を単純な操作で完了するプロセスに変更することで、引越しの際の解約率を40%減少出来た。
  4. 組織
    従来組織は、硬直的であってはもはや機能しない。ビジネスを走らせながら、アジャイルに、柔軟に、協力的な組織構造に変えていく必要がある。
    また、組織の構造自体よりも、機能とそのプロセスに注力することが重要であり、マッキンゼーが開発した「*1Digital Quotient®」を把握することは、企業のデジタルの長所と短所や財務パフォーマンスを下支えしている管理慣行を明確にする第1歩となる。デジタルトランスフォーメーションを成功させるためには、AT&Tのように初期段階でインキュベーターを設置し、メインビジネスにその機能を統合する必要がある。また、NIKEのe-コマース事業のように内部から有機的に変革する企業の例もある。
    いずれのモデルをとる場合でも、「測定できるものは管理できる」という格言は未だ真実であり、デジタル化に成功した多くの企業は*2LTVやオムニチャネルでの行動、意思決定までの各段階での影響力の共有といったカスタマージャーニーを計測することに注力している。
    *1Digital Quotient®:マッキンゼーが開発したデジタルの成熟度の指標。戦略、文化、 組織、機能の4つから測定する。
    *2LTV:Life Time Valueの略で顧客生涯価値と訳される。ある顧客が特定の企業との取引においてどれだけの利益をもたらすかを算出したもの。
  5. 技術
    多くの技術者はIT変革を経験しており、レガシーアーキテクチャの見直しには数年かかることを理解している。しかし、現在の流動的な市場においては、イノベーション、自動化、パーソナライゼーションをより迅速に行う必要がある。
    そのためには、安定性と高品質なデータ管理を行うコアシステムをよりゆっくりと改善しながら、顧客の使用するプログラムは迅速に進化させていくという2スピードITモデルに移行することが望まれる。
  6. データとアナリティクス
    顧客分析を広範に行っている企業は競合に比べて126%の利益改善がみられる。こうした企業では、どのデータを使用するかを(社内外で)決定し、明確で有用な洞察によって目標を達成するための分析に注力し、適切な機能とプロセスを確立している。そのためには適切なスキルを持つ人材が必要であり、特にビジネスの目標を明確にし、分析要件に関するケースを使用することでデータ出力をビジネスの洞察に変換できる「翻訳者」の重要性が高まっている。

マッキンゼーの考え方

マッキンゼーが特に大事にしているのは、「デジタルテクノロジーがベースとなった全社変革」であり、「企業、会社の「全体」を変革する取り組み」の視点です。

ITを活用した業務改革やコスト削減といった話に留まらず、時には、何十年も磨き上げたビジネスモデル、業務プロセス・オペレーションを捨てて、テクノロジーを活用した全く新しいモデルに塗り替えるといったディスラプティブなことも考えられます。より大きなビジョンとして、「マッキンゼーの支援によって生まれたベストプラクティスが、関連業界のみならず政府を含めた国内、さらには世界に影響を与えていくような大きな波を起こす」ことになります。

その実現のスタートとして、マッキンゼーが大事にすることはトップを含む経営陣との徹底的な議論と、現場へのヒアリングになります。トップ層の考えと現場を十分に理解したうえで本当に大事な課題(イシュー)を見つけて解決していく手法は、デジタルというツールを用いながらも従来の同社が大事にしているコンサルティングと変わりません。

事例:資産運用会社の顧客体験の変革(海外事例)

<背景>
クライアントの資産運用会社は、100年以上に渡り富裕層投資家向けにアドバイザリーを行っていた。しかし、従来商習慣を変える可能性のあるスタートアップの出現により、ウェルスマネージャーの役割の再定義を余儀なくされていた。

<支援概要>
16週間の支援で、新たなカスタマージャーニーのデザインとローンチを行い、アジャイル型組織へのマインドセット転換を行った。

<活動内容>

  • ユーザー調査において、単なる時間短縮ではなく、クライアントとアドバイザーの関係をより深めるプロセスをより望んでいることが明らかになった。
  • IT、ビジネス、アドバイザーの各チームとハッカソンを実施し、設計コンセプトと将来の体験のビジョンに関するリーダーシップの調整を行った。
  • マイクロサービスとレガシーシステムが統合された新しい技術を開発し、DevOpsを用いて、コードを継続的に伝達した。
  • ITチーム、アドバイザー、幹部クラスに対するアジャイル型プロジェクト実行の指導を行った。
  • 法務、コンプライアンス、セキュリティ、プライバシーチームの障壁を取り除き、1日目から多様な視点を統合してプロジェクトを進めた。

<成果>

  • それまで数週間かかっていた口座開設手続きを30分に短縮
  • ミドルオフィス、バックオフィス業務の時間を75%短縮

(参考記事(英語):https://www.mckinsey.com/business-functions/mckinsey-digital/how-we-help-clients/transforming-customer-experience-in-wealth-management)

デジタル・マッキンゼーで働く人材

デジタル・マッキンゼーの人材要件及び業務内容(HP記載の内容を要約)は以下の通りです。

(参考記事:https://www.mckinsey.com/careers/search-jobs/jobs/consultant-mckinseydigital-15568)

<人材要件>

  • 新しい技術やデジタル戦略への興味・関心
  • 分析的・論理的な思考力
  • チーム環境でコラボレーションしながら業務遂行ができる方
  • 流暢な日本語・ビジネスレベルの英語力のある方

具体的な要件はこちらだけではわかりませんが、従来の戦略コンサルタントのうち、特に強いデジタルへのアスピレーションや知見があるメンバー(例:ITコンサル、Sier出身)と、特定の専門(AI/機械学習、UI・UXデザイン、ビックデータアナリスト、フロントエンドエンジニア、等)の協業になり、ポジション毎に採用を行っております。

また、同社東京オフィスの方のインタビューでは以下にも触れられており、従来のコンサルタントに必要な素養や、マッキンゼーならではの、「企業、業界、世界を変えたい」という志や情熱はどのポジションでも求められるものと考えられます。

  • “「考える能力」に秀でている人です。考えることが好き、といった方が正しいかもしれません。常識を疑い、問いを立て、自分なりに正しい答えを見つけられる人。そんな人はデータエンジニアやデータサイエンティスト、コンサルタントであっても、絶対にマッキンゼーにアジャストすると感じています。”
  • “マッキンゼーが示すデジタル変革の定義に共感する方です。そして、企業、いや、業界全体を変革したいという高い志や情熱を持っている。大きく言えば、社会を本気で変えたいと思っている人です。”
  • “粘り強いメンタルの持ち主であることです。私たちの仕事は課題を発見し、それを解決すること。とことん突き詰めて考え、悩んで考えぬいた末に答えを導き出し、そして完遂するまで全力で駆け抜ける。そのための強い精神力は必要です。”

<働く環境>
東京オフィスを主な拠点に、デジタル・マッキンゼーアジアのコンサルタントの一員として、域内の12 拠点で活躍して頂きます。デジタル・マッキンゼーは、複数のグループが統合され設立された部署であり、世界60カ国における2,100名のコンサルタントおよび専門家で構成されています。

デジタル・マッキンゼーのコンサルタントの担当業務は多岐に及び、デジタル領域に特化して活躍していただく例もあれば、デジタルにおける専門性を他のコンサルティング業務と組み合わせて活躍されるケースもあります。いずれの場合も、幅広いセクターおよび業種のクライアントと協働して頂くことになります。

<コンサルタントの業務内容>
デジタル変革のプロジェクトを企画し、クライアントの事業の中核まで踏み込んだ改革や再発見を行うことで価値を創出することが期待されます。主な業務内容は、デジタル領域に強みを有するマッキンゼーのコンサルタントとして、情報の収集・分析、仮説の策定および検証に加え、クライアントへの提案の立案およびプレゼンテーションを担当して頂きます。また、クライアントチームと共同で、クライアントのマネジメントに対し成果を発表し、提言を行う形もあります。

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